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RYTHEM

高校3年でデビューし、アーティスト活動5周年を迎えたYUIとYUKAの同級生シンガーソングライターユニット、RYTHEM。今春二人は大学を卒業、さらに昨年から1万人との握手を目標に100箇所以上ものインストアライブを展開し、今年7/22、遂に1万人握手を達成!それらの経験を持って生まれた超傑作3rdアルバム『23(ニジュウサン)』、そして12月に行われる初の渋谷C.C.レモンホール単独ライブについて、真剣な中にも笑いの絶えない1時間、十二分に語っていただきました。

RYTHEM ──3rdアルバム『23』は、前2作からどう変わりましたか?

YUKA:1st、2ndでは素晴らしいアレンジャーさんと素晴らしいミュージシャンの方々の中で、私たちが一生懸命背伸びして歌っているっていう感じがあったんですよね。でも、去年の6月から1万人握手企画(ライブに来てくれた人と握手でふれあい、サインとナンバリングの入った[握手カード]を手渡す企画。2008年7月22日に1万人握手を達成)でライブを始めて、歌を届けたい相手がいるっていうのを強く実感しました。その経験から、もっと自分たちを知ってもらいたい、もっと私たちの心の内を知ってもらいたいと思って、パーソナルな曲を作るようになっていきました。だから、ライブに来てくれたみんなのおかげで、『23』が出来たっていう自信に繋がりましたね。

YUI:1st、2ndまでは、とにかく世の中のみんなを幸せにしたいと。私たちの音楽を聴いて、ひとりでも多くの人が笑ってくれたらいいなぁと思いながら曲作りをしていたので、どういう人たちが幸せになってくれたのか、CDを手に取ってくれてるのかっていうのが分からなかったんですよね。でも、いざライブに行ったときに、みんなと同じ目線でいろんなものが見えてきたというか。みなさんの日常も私たちの日常と何も変わりないんだなぁっていうのを実感したんです。今もみんなのことを幸せにしたい、楽しませてあげたいという気持ちは変わりませんけど、そういうメッセージの前に、私たちがどんな人かっていうのを知ってもらいたかったんですよね。歌だけを聴くと、大人の女性二人が歌っているっていう風に思う人もいれば、ビジュアルを見て10代の女の子が歌っているって思う人もいれば、はたまた“1人のシンガーが声を重ねて歌っているのでは?”って思う人もいたでしょうし。私たちの実体が見えてなかったのを、みなさんから面と向かって言われたので。CDのジャケット写真もちょっと隠し気味だったりして、リスナーと距離があったんですよね。だから今回の『23』のジャケットでは、すっごい距離は近いみたいな。

YUKA:各地のライブで“こんな顔だったんですね”って言葉が一番多かったかも。だから“やっぱりここから始めないとなぁ”って。

YUI:ですから、ライブが無かったら絶対成り立たないアルバムだったと思います。音楽を届けることと、私たち自身の生き方、考え方が、しっかり伝わるアルバムにしたいと楽曲を作っていたので。ライブはたくさんの人と一緒にいますけど、私たちはいつも1対1のつもりで歌っています。『23』もやっぱり同じで、遊び疲れて帰って来たひとりの時間とか、仕事に行く前にひとりで朝食を食べるときとか、エネルギーを充電したり、ふと何かを考える時に寄り添えるアルバムだったらいいなと思います。

「Love Call」が出来て新しいスタートが切れました─YUI

──「Love Call」はクラブサウンドに挑戦していますね。

YUKA:以前は王道ポップスとか、ギターを弾くのでアコースティックな音楽しか聴きませんでした。そこから、クラブサウンドや様々なジャンルの音楽に興味を持ち始めたら、今度は自分で挑戦したくなって。

YUI:新たな挑戦だったのでタイミングを見たっていうのはありますね。確かに、歌詞は女性目線だけで1から10まで完結して、今までのRYTHEMのオーガニックなサウンドでも曲を仕上げることは出来ました。でも挑戦できる、変身できる楽曲だったので、もっと面白いことをやりたいと。それでコラボで出したいと思っていたら、キマグレンさんとの出会いがあって、すごくいいタイミングでしたね。KUREIさんのラップを是非ともRYTHEMの音楽に取り入れてみたいなぁっていう思いもあったので、運命的な出会いでした。「Love Call」が出来たことで、世の中の人に向けてRYTHEMの新しいスタートが出来たなぁと思ったんですよね。

──私はアルバム『23』の肝はアレンジだと思いました。

YUI:アレンジで曲がすごくいろんな顔に変わるので、一番挑戦はしやすい場所というか。なので、ディレクターさんと相談しながら、私たちが今好きだったり、良く聴いている楽曲のエッセンスなど、それぞれの曲に絶対取り入れてみたい要素を真剣に考えました。

RYTHEM

YUKA:今まで基本的にアレンジは全てお任せしていました。でも今回は本当に小さな卵のところからずっと制作に関わらせてもらって。もうちょいこの音を足したいとか細かく意見を言って、意思疎通をするように心がけました。歌い方も、マイクの選び方も、もっと遊べることがたくさんあると思って。それで、私たちがピアノとギターを入れ替えて演奏したりとか、YUIの妹が歌っているところもあるんですけど、そういうことが出来たのは『23』からです。頑張って背伸びしようと思わなくて、23歳の私たちはコレなんですっていう、今しかだせない音を『23』でやっと出来た感じですね。まだまだ未熟だけど、未熟なりの伝えたい熱意がすごく詰まっています。

YUI:ただ、完成したアルバムを聴いてみると、どこかしら曲に共通点があるのって、RYTHEMがやると、ちょっとおちゃらけた感じになるというか…。“ごっこ遊び”みたいになること、“ROCKごっこ”とか、“R&Bごっこ”とか、“テクノごっこ”みたいになるのがRYTHEMらしさなのかもしれないなと、出来上がってみて思いましたね。制作中は本当に真剣なので。“よっしゃ!R&B!!”みたいな(笑)。

October 1, 2008
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