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──大学時代から、路上ライヴを始めたそうですが、どんなキッカケから?
僕は、秋田県の田舎町で生まれ育ったので、家の中で大声で歌っていても誰にも迷惑がかからなかったんです。それが、札幌の大学に進学して、6畳一間のアパート暮らしに。もう隣の部屋の電話の声まで聞こえてくるんですよね。こりゃ、大声で歌えないと思って、引っ越した初日に、どこか大声出せそうな所はないかと外をウロウロ。そしたら商店街の中にたまたまシャッターが降りている店があって、その軒下で地べたに座って、大声出したというのが最初です。幸運な事に、その初日から足を止めてくれる方がいて、“いつも、ここで歌ってるんですか?”“はい”って(笑)。はいって言っちゃったので、その翌日も同じ場所で歌って。何の計画性もなしに始めた路上ライヴだったんです。
──その頃は、既にオリジナル曲のストックがたくさんあった?
オリジナル曲はかなりありましたね。秋田では披露できなかったですけど(笑)。
──どんな風に楽曲作りを始めていったのでしょう?
僕は、子供の頃から“自由帳”という、何を書いてもいいノートをいつも持ち歩いていたんです。そこに、自分の気持ちとか、自分の中の物語とか、自分の中でいつもリピートされてる言葉とか、理想や嘆きの言葉・・・あらゆる気持ちを書いていたんです。高校生になって、アコースティック・ギターを弾くようになってから、そのノートの言葉にコードがついて、自然と歌になっていったんですよね。
──例えば、どんな事を書いていたんですか?
もう、本当に下らない事なんですよ。例えば、テストが30点だったりして先生に怒られた時に、毎日100点ばっかりとちゃって、先生に褒められまくりの自分の物語と書いたりとか。逆に先生に言い返せなかった時・・・100点にどんな価値があるんだよ、とか。
──現在は、楽曲作りはどんな風に?
言葉とメロディーは同時が多いですね。カセットレコーダーを録音状態にして、ギター持って、隣には紙とペンがあって、録りながら、書いていく。全部一緒に進行していく感じですね。
──自然と湧いてくるもの?それとも、今から作るぞと臨む感じ?
湧きあがってくるというのが近いかもしれないですね。そういう時はもう、作りたくて仕様がなくなっているんですよね。他の事は全く目に入らなくなってる。ふっと我に返ったら、紙にいっぱい文字が書いてあった、みたいな。デビューからのシングル曲は、ほとんどそんな感じでしたね。
──デビューを経て、作風の変化などは感じますか?
デビューしたから変わったという事はないと思いますけど、札幌から東京に出てきた事で、すごく変化しているとは思います。いろんな出会いと別れがあって、人間として変化している実感はすっごくあります。自分の感情と歌は同一なんですよね。だから、歌のためにも、自分自身がどんどん変化していくべきだと思っているし、変化を恐れない自分でありたいとも思います。
──ご自身が把握している“高橋 優ワールド”とは?
自分自身では、わからないものなのかもしれないですね。自分が意図した通りに伝わっているのかはわからないし。“高橋 優ワールドが好き”と言ってくれる人がいても、それぞれ全く違うものだったりすると思うんですよ。作品と言うのは、受け取って貰った後は、どう解釈しようと、その人の自由。だから、“高橋 優ワールド”と言ってくれる人それぞれのワールドがあればいいなと思っています。
──高橋さんの作品は、いずれも、歌詞へのアクセスがかなり高いのですが?
ありがとうございます。めちゃめちゃうれしいです。僕自身、歌を聴く時は、必ず歌詞を読むんですよね。誰かが僕の曲に対して、そういうアプローチをしてくれているのだと思うと、ものすごくうれしいです。同時に、身が引きしまる思いです。歌詞まで、じっくり読んで貰いたいと思って書いているので、読んだ方の感想も是非聞かせてほしいです。
──1曲ごとにコメント投稿欄もあるんですよ。
ええ〜、そうなんですか。だったら、どんどん感想を書いてほしいです。僕、絶対読みますから!
──“うたまっぷ”には、投稿歌詞のコーナーもあって、既に40万以上の詞が登録されているのですが、歌詞を投稿している皆さんへ何かアドバイスをお願いできますか。
僕がアドバイスなんて、おこがましいんですけど、まずは楽しいと感じるかどうかだと思います。僕はいつも強い想いを書きたいと思って書いていますけど、例えば、抽象画のように何かのイメージを書きたいと思ったり、宇宙について書いてみたいと思ったり、人それぞれ何でもいいと思うんですよ。書いていて、楽しいと思えるかどうかだと思います。みなさん、是非とも楽しんで、50万、60万と増やしてほしいですね。
──高橋さんご自身が、作詞の際に、信条としている事は?
嘘のないように、という事だけですね。僕は、些細な事でも、たくさんメモを残しているんです。ちょっとした感情の変化とか忘れちゃうんですよね。ふっと顔がほころぶような事とか、瞬間的にイヤだなと思った事とか。そういうのをいっぱいメモってストックしています。全部、嘘のない言葉で書きたいんです。例えば、空想の物語を書く場合でも、自分がいつも空想してて、空想したくて仕方ない事だったらOKだと思ってるんです。自分の中で感情が伴う事、大声張り上げて言いたい事を歌っていきたいと思っています。
──いよいよリリースとなりますが、リリース後のご予定は?
5月から、人生初の全国ツアーが始まります。
──どんなライヴをイメージしていますか?
ツアーではあるんですが、一回一回は、その場しかないので、緊張感にせよ、楽しむ気持ちにせよ、全て空っぽになるまで、1つのステージに全ておいて来るという気持ちで、やり尽くすステージにしたいと思います。
──ファンのみなさんも心待ちにいていると思いますが?
いちばん自由な場所にしてほしいです。大笑いしたっていいし、踊ってはしゃいでもいいし、泣いたっていいし、何もしなくてもいいし。ライヴハウスって、そういう場所だと思うから。
──初の全国ツアーも経て、それから先は、どんな抱負をお持ちですか?
メジャー・デビューをしたからと言って、羽根がついたわけではないので、自分は自分でしかないという事を自覚して、地に足のついた活動をしていきたいと思います。練習したり努力を重ねる事で、自分にできる事はもっともっと増えていくと思うし、あきらめず、妥協せず、そういう当たり前の事をちゃんとやれる人でありたいと思います。
高橋 優初の全国ライブツアー〜唄う門にも福来たる2011
5/28(土) 愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
5/29(日) 大阪府 心斎橋CLUB QUATTRO
6/10(金) 東京都 渋谷CLUB QUATTRO
6/18(土) 宮城県 仙台CLUB JUNK BOX
6/19(日) 秋田県 秋田LIVESPOT2000
6/25(土) 広島県 広島Cave-Be
6/26(日) 福岡県 福岡BEAT STATION
7/02(土) 北海道 札幌cube garden
*「福笑い/現実という名の怪物と戦う者たち」初回限定盤にて全国ツアーのチケット封入先行を実施
[info] http://www.takahashiyu.com/