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TARO SOUL ソウルフルにうねりまくるラップを武器に メジャーシーンへと躍り出たTARO SOULの第2章が幕開け! ミニ・アルバム『So Much Soul』リリース!
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『So Much Soul』
CDタイトル名など amazonから購入
アルバム
発売:2010.12.15
Ki/oon Records
[初回生産限定盤]CD+DVD
KSCL-1710
\1,890(税込)
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[通常盤]CDのみ
KSCL-1712
\1,575(税込)
収 録 曲
01.Special Thanks feat. Licana
02.HeartBeat/TARO SOUL & KEN THE 390 feat. May J. 試聴 PV視聴
03.Escape
04.ほっとかないでbaby feat. あるま
05.受賞者 feat. サイプレス上野とロベルト吉野とRomancrewとDJ威蔵
06.現場でSEE YA! Pt.3 feat. DJ威蔵
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TARO SOUL OFFICIAL WEBSITE
ソウルフルにうねりまくるラップを武器にメジャーシーンへと躍り出たTARO SOULが、第2章の幕開けとなるミニ・アルバム『So Much Soul』をリリース。
HIPHOPと、そのバック・グラウンドにあるブラック・ミュージックを愛してやまず、生涯を“ヒップホッパー”として生き抜きたいと言うTARO SOUL。夢は、より多くの人に自分の音楽を届け、TARO SOULの曲をキッカケとして、HIPHOPやブラック・ミュージックを愛する人を増やしていく事。
ブラック・ミュージックと共に育った幼少期、ラップと出会った大学時代の話から、HIPHOPの様式美に逃げずに、ありのままの言葉で歌詞を書く事に注力したという今作のエピソードまで、ディープにロング・インタビュー!


ものごころついた時から、ブラック・ミュージックを聴いていたんですよね。光GENJI全盛期もローラースケートよりマイケル!そんな子どもでした(笑)。

──1981年生まれのTARO SOULさん。音楽の原点と言うと?
ものごころついた時から、ブラック・ミュージックを聴いていたんですよね。家でいつもブラック・ミュージックが流れていたから、当たり前のもの、自然なものとして触れていて、ジェームス・ブラウンに合わせて踊って喜んでるような子供だったらしいです(笑)。
──それでは、学校ではちょっと異端児だったでしょう?(笑)
小学校の頃は、光GENJI全盛期だったんですけど、みんながローラースケート履いて遊んでる時に、僕は一人でマイケル・ジャクソンの踊りを真似て遊んでいたし。小さい頃からずっと洋楽のブラック・ミュージックしか聴いてなかったから、周りの友達と話が合った事なんか一度もなかった(笑)。音楽やエンターテイメントという点では、18歳までは、ずっとマイノリティーで生きてきたんですよね。
──HIPHOPに傾倒していったのは?
中学生くらいからですね。高校生になって遊びでDJを始めたんですけど。最初は、ストリート・カルチャーの1つとして、B-Boyっぽい服装をしたり、なんとなくカッコイイなと思って傾倒していったんですけど、HIPHOPの背景に、ソウル・ミュージックや古いブラック・ミュージックがあるんだと気付いた時に、自分が幼い頃からずっと好きだった音楽と結びついて、これこそが、自分のアイデンティティーだって思ってしまったんですよね。でも、まさか、自分が歌い手になるとは夢にも思わなかったですけどね。
──ラップを始めたのは、どんなキッカケで?
大学で、ブラック・ミュージック研究会(早稲田大学ブラック・ミュージック研究会“ギャラクシー”)に入ったんですけど、そのサークルでは、毎年“サマー・パーティー”というイベントをやっていて、その出し物として“おい1年、お前ら全員でラップやれ”と。先輩の命令ですから、絶対服従ですよね。それで、生まれて初めてラップをやる事になって。でも、やってみたら、これがけっこう楽しくて、そこから歌うようになったんです。だから、あのサークルに入っていなかったら、マイクを持つ事はなかったんじゃないかと思います。
──ラッパーとしての活動を始めたのは?
そのサークルの1年生同士で、何かイベントをやってみようという話になって。“俺ら一応、ラップの経験あるじゃん”って(笑)。そこから、見よう見まねでイベントをやるようになって、どんどんマイクを持つようになっていったんですよね。

HIPHOPが、自分のアイデンティティー。将来、どんな職業につくにせよ、ヒップホッパーとして生きていこうと思っていました。

──その頃から、プロになりたいという意識があった?
そんな事、考えた事もなかったですよ。ただ、HIPHOPが、自分のアイデンティティーだという考えはずっと変わってなくて、漠然と、HIPHOPカルチャーの中に身を置いて生きていきたいとは思っていましたね。
──大学生ともなれば、HIPHOPやブラック・ミュージックの背景にあるものにも興味が芽生えてくるかと思うのですが。
そういう方向へも意識はいきましたよね。例えば、ジェームス・ブラウンが、差別と戦うような音楽性を持っていたとか、そういう点には影響も受けたし、かっこいいなと思っていたし。大学では、そういう専攻だったわけではないですけど、キング牧師の本を読んだり、公民権運動について勉強したり、大きい枠組みとしてのブラック・カルチャーに対する興味が生まれたというのは確かにありますね。
──でも、ご自身は、1981年生まれの日本人で、生きる上で大変な思いというのはしていないでしょう?ブラック・カルチャーというのは学問としての知識になりますね。その当たりは、どんな風に消化してました?
ブラック・ミュージックの背景にあるものを、自分が体現できるわけじゃないから、そういうジレンマみたいなものを感じなかったわけではないですけど、彼らにとっての外からのプレッシャーに対する回答が、ブラック・ミュージックやHIPHOPの音楽性に繋がっているのだとしたら、日本人が日本人なりに感じるプレッシャーというのもあるし、どんな人間でも、何らかの抑圧にさらされる瞬間というのはあるわけで、そういうフラストレーションに対する自分なりの消化の仕方と言う点で、すごく学べたと思います。ラッパーなり、DJなりが持っている、社会に対してのattitudeと言うか、そういうものにすごくシンパシーを感じたし、将来、どんな職業につくにせよ、自分はヒップホッパーとして生きていこうって思ったんですよね。

僕は、“波乱万丈な人生”とは真逆な、本当に“平凡な人間”なんです。だからこそ、みんなと同じ気持ちを歌っていける。それがTARO SOULの個性なんだと思っています。

──インディーズでの活動を経て、2008年にメジャー・デビュー。ミニ・アルバム『BIG SOUL』(2008年5月)、フル・アルバム『SOUL SPIRAL』(2009年3月)に続く最新ミニ・アルバム『So Much Soul』がいよいよリリースとなったわけですが、ご自身では、TARO SOULの音楽、TARO SOULワールドというのものを、どんな風に捉えていますか?
僕って、すっごく“フツウ”なんですよね。ブラック・ミュージックの背景にあるような苦悩の中で育ったわけではないし、真っ当な中流家庭で何不自由なく育って、現役で大学入っちゃって、子供の頃に苦労したとか、ものすごい不良でどうしようもなかったとか、ひとの興味を引くような生い立ちは全くなくて、波乱万丈な人生とは真逆な、本当に平凡な人間なんです。でも、圧倒的多数の人は、僕みたいに、フツウに生きてきた人だと思うんですよね。だから、僕と同じようなみんなが感じる喜怒哀楽、世の中に対して思う事、日常生活の中で感じる事、そういう気持ちを歌っていけるのが、TARO SOULの個性であり、IDなんじゃないかと思っています。
──メジャー・リリースを経験した事で、意識に変化は生じましたか?
僕は、洋楽のブラック・ミュージックしか聴いてなかったから、歌詞に対して、敏感じゃなかったんですね。でも、僕は、マイケル・ジャクソンのように、より多くの人と音楽を共有したいんです。そう思った時に、ブラック・ミュージックはこういうものとか、HIPHOPはこうあるべきという既成概念を取っ払って、もっと自分の中のパーソナルな感情に忠実でありたいと思うようになりました。これは、メジャー・デビューできて、より多くの人に自分の音楽を聴いて貰える環境を与えて貰って、初めて強く思った事ですね。そして、そう考えた時に、歌詞表現のヒントというのは、HIPHOPの外の音楽にあって、それらを取り入れていこうと思うようになりました。自分ならではの歌詞が書けるようになってきたのは、本当に最近になってからですね。

HIPHOPの垣根を超えて、より多くの人にTARO SOULの音楽を届けたい。だから今回は、HIPHOPの鎧を脱いで、恥ずかしいくらい素直な表現で詞を書きました。

──では、ニュー・アルバム『So Much Soul』に関しては、どんな手ごたえを?
HIPHOPの世界って、アーティスト側がある種の鎧を着ていると言うか、これがHIPHOPだぞっていう防御壁みたいなものを作ってしまう傾向が、自分も含めてあったんですよね。でも、これがHIPHOPだというエクスキューズなしに、一人間として、生まれてくる感情と向き合って、すごく素直になれたらいいなと思って。そうする事で、歌い手としても人間としても成長できるんだろうなと。そういう作品にしたいと思って臨んだのですが、それは成功したんじゃないかと思っています。
──歌詞に関しては?
ちょっと恥ずかしさもありますね。今回は、どの曲も共通して、なるべくかっこつけないようにしようって。やっぱり、ラッパー、B-BOYというのは、かっこつけちゃうんですよね。でも、HIPHOPの様式美に逃げないようにしようって。
──そういう意味での“かっこつけない”が、逆に恥ずかしかった?
そうですね。例えば、日常会話の中では普通に喋っているのに、ラッパーとして発する言葉は、やっぱり、HIPHOP独特のよそいきの表現になっちゃう。僕自身も含めて、ラッパーって、自分の感情を表現するにもHIPHOPらしい言葉を選んだりとか、現実の切り取り方もHIPHOPなりのパッケージの仕方というのがあって、その良さというのももちろんあるんですけど、今回は、そういう形式美的な表現を敢えてしないで、普遍的に音楽として捉えていきたいと思いました。そこはステップアップできたかなと思います。

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December 15, 2010
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