「さよなら feat. 菅原紗由理」 シングル フォーライフミュージックエンタテイメント 発売：2010.03.24 FLCF-4326 \1,050(税込) 収 録 曲 01.さよなら feat. 菅原紗由理 02.雪ノ降ル街デ(Long Winter ver.) feat. HOKT from N.C.B.B 03.Take It Easy 04.さよなら feat. 菅原紗由理(INSTRUMENTAL)

──この2人は、どんな理由で続かなくなってしまったのでしょう？
彼女が彼に依存し過ぎたっていう事なんだと思うんですよ。歌詞の中でも、♪「愛」が膨らみすぎて「甘え」 それで、お別れ。・・・というフレーズが出て来るんですけど。彼の事をすっごく好きになって、自分の心も包み隠さずさらけ出せるようになって、だけど、その分、頼り過ぎちゃった、依存しすぎちゃった・・・そういう勝手な甘えが気持ちの繋がりに誤解を生じさせて、喧嘩になったり、すれ違いを生んだり・・・。お互いのことを100％わかり合えるなんてことはないじゃないですか。だけど、若いうちはそういうことがなかなかわからないですよね。
──彼から突然に、別れを告げられてしまうわけですけど・・・。
思いもよらない時に、突然、別れを告げられちゃった。主人公にとっては、なぜ急に"別れよう"と言われるのか全然わからない。わけもわからないまま終焉を迎えちゃった・・・そういうシチュエーションを描こうと思ったんです。実際の恋愛でも、フラれた理由、原因って、その時にはわからないものでしょう。

──「さよなら」が「ありがとう」に変わるには、どれくらいの時間が必要でしょう？
それはね、書きながらとっても考えました。もちろん、人それぞれだとは思うんです。3日で割り切れちゃう女の子もいるだろうし、3年経っても忘れらないっていう人もいると思うし。私自身は、時間がかかるタイプなんですけど、いい恋愛だったんだなって振り返れるようになるのは、だいたい1年くらい経ってからかなと思いますけどね。
──「ありがとう」に変わるかどうかは、どんな恋愛だったかにもよりますよね。要するに男次第ですけど(笑)。
そうですよね〜。一生恨んでやる〜！みたいな恋愛もありますものね(笑)。でも、19〜20歳頃というのは少女が大人に変わる時期で、初めてホントの恋愛ってこういう事なのかなってわかり始める時期だと思うんですよね。濃い経験をして、人との心の繋がりの難しさも知って、大人への一歩を踏み出した。その結果として“素敵な恋愛だった”と言える恋愛ソングにしたかったんですね。その時の甘酸っぱい気持ちや胸の痛みはうまく表現できたんじゃなかと思っています。

──c/wの「雪ノ降ル街デ(Long Winter ver.)feat.HOKT from N.C.B.B」も、別れをテーマにした恋愛ストーリーですね。
HOKT君とコラボレーションした事で、雪をテーマにした恋愛ストーリーが生まれました。HOKT君は、札幌出身で、地元を拠点に活動しているN.C.B.B（North Coast Bad Boyz)というラッパー・グループの一員。そこから、札幌の冬の情景を描いてみるのがいいんじゃない？という発想が生まれ、冬の寒い夜だったり、雪の街というシチュエーション設定で、ストーリーを膨らませていったんです。
──「さよなら」のサイド・ストーリーのようにも感じましたが。
2曲とも、別れた恋人の事を想っているという点では共通していますよね。「雪ノ降ル街デ」の方は、男性の側から描いた失恋ソング。彼女を失った悲しみと、今も彼女を忘れられない・・・そういう心情を描いた曲。
──2曲並べて聴くと、「さよなら」の彼も、今は「雪ノ降ル街デ」の主人公のように彼女の事を思い返しているのかも・・・なんて思ったりもしたんですよね。
うわぁ〜、なるほどねぇ。
──「さよなら」の彼も、本気で別れるつもりだったわけではないかもしれないし。
うーん、それもアリですよねぇ。歌詞を書いている時は、そこまで深く想像はしなかったけど、確かにそういう事ありますよね。
──最初の頃の2人に戻りたいと思って言ったのかもしれないですよね。強く言ったら、彼女の方が自分の悪い所を反省して、いい子になってくれるかもって。それで“もう、そろそろ終わりにしよう”みたいな言い方をしたのかもしれないし。
私自身もそうでしたけど、若い時は、人間的にも経験不足な所がたくさんあるから、もっとお互いに話すキッカケがあれば、分かりあえて、元通りに戻れたのかもしれないのに、そういうキッカケがうまく掴めずに、どんどん悪い方向に行っちゃって、気がついたら終わってた、みたいな事ってありますよね。彼の方も、未熟さ故の“思わず言っちゃった”だったかもしれないしね。
──聴き手の年齢、経験の度合いによっても、全く違う事を感じたりすると思うんですよ。たくさんの恋愛を経て来た大人が聴けば、「さよなら」も「雪ノ降ル街デ」も、主人公に“もう1回会いに行った方がいいよ”って言ってあげたくなったり。
アハハハ〜そうそう、アドバイスが出来たりね。ほんとに、歌詞というのは、聴き手、読み手の方の想像によって、どんどんストーリーを膨らませてもらえるものなんですね。私なりに1つの物語を完結させたつもりでしたけど、確かにそういう捉え方もあるなとか、いま色々気づきました。「さよなら」と「雪ノ降ル街デ」を結び付けて考えたら、また違った物語が見えて来るし・・・そうやって色々想像できるって言うのも、歌詞の面白さですよね。

──CDジャケットには、人気モデルの鈴木あやさんを起用されていますが。
恋愛の物語を納得いく形で描く事ができたので、ジャケットのデザインも、映画のフライヤーや恋愛小説の表紙のような雰囲気でいきたいと思ったんです。主人公のイメージに繋がる、可愛らしくて且つ、存在感のある女の子がいいなと漠然と思っていたんですけど、すずちゃんは、本当にピッタリだと思いましたね。主人公が一人でかつての彼の事を思い出しているという設定で撮影したんですけど、本当にぴったりハマる、歌の世界観にキューっと入ってもらえるジャケットになったなと思います。
──モデルさんを起用したCDジャケットと言うのも初めてですよね？
そうなんです。私以外の方が写っているジャケットというのも初めての試みなんですよ。自分が写っていなくてもいいじゃんって思えるようになったのも、私自身の変化ですね。元々それほど自己主張が強いタイプではないんですけど、もし、私が新人だったら、絶対に抗議したと思いますね、どうして私の顔が出ないんですか！って(笑)。今回は、チームみんなで相談して、よりイイ作品になるよね、ベストだよねという結論に至って、すずちゃんにお願いしたんですけど、本当に良いジャケットができたと思います。

──「さよなら feat．菅原紗由理」リリースの後のご予定は？
この後も、シングル・リリースを控えています。まだ詳しくは言えないんですけど、これもまたスゴイ事になっています、という事だけお伝えしておきます(笑)。その後、7月には、ワンマンライヴを予定しています。
──今後も、恋愛ストーリーを描いていかれますか？
そうですね。今回、「さよなら」を制作した事で、作詞のアイデアがものすごく広がりました。まだまだ作家さんのようにはいかないけれども、ストーリーを生み出す事も出来るようになりつつある・・・間口が広がった感はありますね。まだまだ未熟な事は重々承知しているので、これから、もっともっと経験を積んで、もっと面白く、尚且つ、自分のオリジナリティーを出したストーリーを描けるようになりたいと思います。楽しみにしていてくださいね。