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清 竜人 ロングインタビュー洋楽の香り漂うメロディーに、J-RAPに通じるリズム感 自己を見つめ、自問自答を繰り返す鋭利な言葉 弱冠二十歳のシンガーソングライター デビューからわずか11ヶ月で2ndアルバム『WORLD』リリース!
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『WORLD』
『WORLD』

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アルバム
EMIミュージック・ジャパン
TOCT-26934
発売:2010.02.17
\2,800(税込)
収 録 曲
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01.ワールド 試聴
02.マドモアゼル 試聴
03.痛いよ 試聴
04.ウェンディ
05.あくま
06.ヘルプミーヘルプミーヘルプミー 試聴
07.イザナギの後遺症
08.がんばろう
09.偉い偉いさんのボタン
10.マイ☆スター
11.それぞれそれぞれ
12.ラヴ 試聴
清 竜人 Kiyoshi Ryujin Official Website
印象的なアーティスト・ネームだが、清 竜人(きよし・りゅうじん)は、本名。大阪生まれの20歳。2009年3月、“au Smart Sports”CMソング「Morning Sun」でデビュー。同月、1stアルバム『PHILOSOPHY』を発表。洋楽の香り漂うメロディーに、明らかにJ-RAP以降の歌のリズム感。その独創的な音世界で、才能を見せつけた。
その注目のニューカマー清 竜人が、恐るべき速度で進化を遂げ、早くも2ndアルバム『WORLD』を発表。20歳を迎え、大きく心境が変化。モラトリアムから卒業して社会に出ていくぞという意気込みが芽生えて来た。重ねて、昨年、大きな夏フェスも経験し、ライヴ経験を重ねる中で、初めて共有や共感という言葉が理解できたと言う。
平和な現代社会に生まれ、何1つ不自由はないのだけれど、だからこそ感じる閉塞感や自己嫌悪。これで良いのかと自問自答する鋭利な言葉。今回は、その“歌詞”に注目してのインタビュー!

20歳を迎え、モラトリアムから卒業して社会に出ていくぞっていう、そんな意気込みみたいなものが芽生えて来たんだと思います。

清 竜人──昨年3月の1stアルバム『PHILOSOPHY』からまだ11ヶ月しか経っていませんが、『WORLD』は、急速に進化を遂げたと言うか、本当に大きな変化が感じられるアルバムとなりましたね。
音楽を始めたのは16才の頃からで、デビューしたのが19歳。1stアルバムは、その16才から19才くらいまでの集大成とも言える作品でした。ほんとにガムシャラで無我夢中な、思春期ならではの自分が出ていたとは思うんですけど、今回は、それ以降に作った曲ばかり。1stアルバムの時とは、全く違う心もちでした。1年間の自分の変化が如実に表れていると思うし、自分の成長過程が見えるような作品になったと思います。
──デビュー前の楽曲とは大きく違う?
漠然とした音楽に対する憧れみたいなものからバンドを始めたんですけど、その頃から1stアルバムを出すくらいまでは、誰かに何かを伝えたいと言うより、自分の存在意義を見出したい、自分の存在価値を高めたいというような意識が強かったんだと思うんですね。思春期特有のものだと思うんですけど、得体の知れない不安感が自分を突き動かしていたように思います。
──大きな変化をもたらしたものは何だったのでしょう?
単純に、自分の性格、人格の変化だと思います。1stアルバムから2ndアルバムの間で、本当に大きく変化したと思います。モノの食べ方1つでも違ってきたりしているし、本当に何をするのにも、少しずつ成長と言うか、変化しているなと感じます。デビューして、1stアルバムをリリースして、その実感が湧いてきた頃に20才を迎えて、いい意味でも悪い意味でも、少しずつ大人になってきているという実感があったので、次のアルバムでは、そういう部分を出していきたいと思うようになったんです。モラトリアムから卒業して社会に出ていくぞっていう、そんな意気込みみたいなものが芽生えて来たんだと思います。
──それは、自我の確立みたいな感じ?
そこまでは固まっていないと思うんですけど、何か、ちょっとずつ核心部分に迫って行っているような気はしています。まだ、ほんの少しですけど。ほんとに抽象的な感覚的なものなんですけど、感触が掴めたような気がします。

清 竜人客席で一緒に口ずさんでくださったりする光景を目の当たりにして、そこで本当に初めて、共有とか共感という言葉が理解できたんですよね。

──昨年は、大きな夏フェスも経験されましたけど、その影響はない?
ライヴ経験は大きく影響していますね。僕は、デビュー前にはほとんどライヴ経験がなくて、誰かに聴いてもらいたいという欲求もそんなに強くなかったんです。でも、去年は夏フェスにも出させてもらって、ライヴをたくさん経験して、客席で一緒に口ずさんでくださったりする光景を目の当たりにして、そこで本当に初めて、共有とか共感という言葉が理解できたんですよね。その頃から、すごく、人に伝えるという事を深く考えるようになったし、伝わるというのは、すごく素敵な事だなって思えるようになったので、すごくいいバランスで、聴いてくれている人の事を考えるモノづくりになってきていると思います。
──詞の書き方も変わってきた?
まだ、自分の作詞のスタイルが固まっていない時期ではあるんですけど、書き方の手法としてはデビュー前から変わっていないですね。でも、詞を書く時の心もちみたいなものはすごく変化してきていると思います。
──心もちの変化と言うと?
自問自答しながら作っていくというスタイルは変わってはいないですけど、ライヴを経験して、皆さんが聴いてくださるという事を理解してからは、自問自答するにしても、自分を含めたみんなという意識に変わってきていますね。

少しずつでも社会の一角を担えるようになれたらいいなって。それって、アルバム全体のテーマにも繋がるんですけど。

──2ndアルバムのタイトルは『WORLD』。このタイトルは、どんなところから?清 竜人
アルバム1曲目に収録されている「ワールド」という曲ができた時に、この曲が2ndアルバムに向けてのテーマとなっていくのではと感じたんですよね。あるコンサートを観ている時にひらめいた曲なんですけど。
──コンサートを観ている時に?
あるコンサートで、会場全体が盛り上がって拍手喝采に包まれている時に、ふと我に返ったら、一人だけ拍手をしていない自分がいたんです。そこからイメージが膨らんで書いた曲なんですけど。1つ1つの手拍子が重なって、どんどん大きな音になって広がって行っているのに、自分だけが参加できていない。自分一人が手を叩かなくても影響はないと思いながらも、自分も混ざれたらいいなと思ったり。
──会話形式の歌詞ですが、「」の方がその時の清さん。『 』の方がもう一人の自分なんですね。
そうです、そうです。
──拍手が広がる事で世界の広さを知り、自分の孤立を自覚し、ここで拍手をしたら輪の中に入れるのにと気づく・・・そんな感じ?
ええ。少しずつでも社会の一角を担えるようになれたらいいなって。それが、アルバム全体のテーマへと繋がっていったんですけど。

「痛いよ」は、自問自答した末の自己嫌悪から来るものだったり、自分との戦いみたいなものがすごく出ている曲だと思います。

──2曲目の「マドモアゼル」は、一見、愛いっぱいのラヴソングのようですが、実はかなり辛い曲ですよね
僕の曲は、自己嫌悪から出てくるものが殆どで、この曲も、そうなんですけど。
──歌詞の中では、“無意識”と“自意識”という相対する単語の使い方が印象的ですが、自己嫌悪というのは、ある意味、過剰な自意識でもありますよね?
そうなんですよね。例えば単純に“好き”という言葉にしても、何かしらそこで自問自答してしまって、最終的にそこに自信が持てなくなってしまったりだとか、それに対する恐怖感みたいなものが出て来ちゃうんですよね。
──続く「痛いよ」は、最新シングル曲でもありますが、同じような感覚でしょうか?
「マドモアゼル」の思考回路、経路と似ているかもしれないです。
──相手に対する猜疑心みたいなものが生じているのに、それでも、想いを断ち切れない。そういう時って、自分で自分がイヤになるし、ほんとに苦しくて、まさしく“痛い”思いですよね?
自問自答した末の自己嫌悪から来るものだったり、自分との戦いみたいなものがすごく出ている曲だと思います。
──清さん自身の恋愛観が投影されている?
そうですね。愛について自問自答して作った曲なので。

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February 10, 2010
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