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心の悪魔が真夜中に動き出す衝撃のファーストフルアルバム「嘘と夢と何か」リリース!
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嘘と夢と何か
嘘と夢と何か/間々田優

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アルバム
papada records
AKMY-10002
発売:2008.11.12
\2,200(税込)
収 録 曲
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01.3つ
02.真夜中
03.テレビ
04.狼
05.シンプル
06.我慢
07.先生
08.良い彼女
09.河沿いドローイング
10.ボーダー
11.夕
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「先生」

──「先生」は、タイトルはシンプルだけど、色々な解釈ができるように感じました。風刺というか先生を小馬鹿にしてるようにもとれるし、もしかして、実は先生と恋愛してて、それに対するあてつけなのかなと思ったり。
学校では、先生が生徒を評価しますよね。生徒は評価されたいと思う。それは社会に出ても同じで、部下は上司に評価されたい、バイトは店長に褒められたいって思うでしょう。でも、この関係って、女の目から見るとすごく性的な匂いがするんですよね。SとMの逆転っていうか。MゆえのS、SゆえのMとかってあるじゃないですか(笑)。例えば、とっても従順な生徒がいたとして、先生はその子が自分に服従していると思っているんだけど、実は、その子の方が先生にそう思われるようにしている…実は、支配してるのはその子の方だったみたいな。そういう性的な匂いも、けっこう織り交ざってるんですよ(笑)。
風景として浮かぶのは、やっぱり自分の高校時代の教室だったり、廊下だったりするんですけど。

──間々田さんは、どんな高校生だったんですか?
うーん、屈折してましたねぇ。文武両道をモットーとする、すごい進学校だったんです。私も、中学までは勉強もスポーツもできる方だったし自信満々だったんですよ。本気で自分は無敵だと思ってましたから。それが、高校に入ってみたら、勉強でもスポーツでも敵わない子ばっかりで。頑張ってるんだけど、やってもやっても追いつかない。自分が落ちこぼれるはずはないし、ゼッタイ挽回できるはずだってずっと踏ん張ってきたんだけど、途中でそれが崩れちゃったんですよね。それで、だんだん学校に行かなくなって。
──登校拒否?
朝は一番に家を出るんです。それで、家族全員が出かけたら家に戻る。で、夕方、家族が帰ってくる前に家を出て、学校に行ってたふりをして帰宅する。2年生の後半からは、そういう日が多かったですね。
──アイデンティティーの喪失みたいな感じ?
そうですね。1年生の頃は、もうバリバリ陸上部で朝練なんかも張り切ってたんですけど、やっぱり敵わなくて。勉強も部活もダメで、友達もそんなにいないし。それが、そんな卑屈な生徒が、ある日突然、体育館のステージで歌い始めちゃうんですよ。

──ひとりで体育館で歌ってたんですか?
そうなんですよねぇ。野球部が筋トレやってたり、そういう前でステージに上がって、マイクもカラオケもなしで歌ってたんですよ。あいつ、陸上部のくせに、なんであそこで歌ってんの?みたいな。今にして思えば、陸上やったり、勝手に歌いだしたり、授業をサボってみたり…自分の個性が見つからず、自分がどうしたいのかわからくなって、それで支離滅裂なキャラクターになっていたんだと思うですけど。そういう中で、唯一、自己投影できたのが歌だったんですよね。たぶん音楽が唯一の救いになっていたんだと思います。
──どんな曲を歌っていたんですか、体育館で。
スピッツ、Cocco、B'z、Mr.Childrenとか。ラジオからカセットに録って、歌詞を耳コピで手書きして、その手書きの歌詞カードの束を持っていって、片っ端から歌ってましたね。

──それで、音楽の道に進もうと?
もう出席日数もギリギリで、受験勉強も全然してなくて、どうしようっていう感じだったんですけど、高3の夏休み前の三者面談でいきなり“私、大学には行きません。東京に行って音楽やります!”って宣言したんです。
そしたら、先生が“お前、そんなに簡単に言うけど、音楽をちゃんとやったこともないのに、いきなり通用するわけないだろ。そんに甘いもんじゃないから、この夏休みの間に東京に行って、ライヴハウスを片っ端から見てこい”って。それで、ホントに夏休みは、東京でひたすらライヴを見てたんです。先生としては、諦めさせるつもりだったんでしょうけど、逆に私は、全然イケるなーと思っちゃって(笑)。
親からは、大学に行くのであれば東京に出してやると言われたので、東京目指してそこから猛勉強して大学に入ったんです、ギリギリ三次募集で(笑)。で、入学したその日に音楽サークルに入りました(笑)。

──間々田さんの音楽の原点は、挫折感や苦悩にあるわけですが、そうした経験を生かして、人生相談という企画があったとか?
あるWEBサイトの企画だったんですけど、120件くらい相談がきて、家庭の相談から、自分の将来について、恋愛に関するものまで。かなり深刻なものが多くて、とても私なんかの経験で答えられるものじゃなくて、もう浅いことしか言えなくて、私自身が悩んじゃったりして。それで、やっぱり私は歌で答えていくべきだって思ったんですよね。悩みの解決にはならないかもしれないけど、励みにはなるかもしれないって。とにかく自分の気持ちを伝えようと思って、それでできた曲が「ボーダー」なんです。
──「ボーダー」はアルバムの中で、ちょっと異質な感じがしたんですよね。
そういう風にして生まれた曲だから、確かにこの曲だけ出発点が違うんですよね。異質と言えば、そうかもしれないですね。
自分の中でも、この曲はこれで良かったんだろうかっていうのは今でもあって。今はこの形でレコーディングしましたけど、たぶん歌っていくうちに、どんどん形を変えてくと思うんですけどね。

──これからの間々田優は、どんな歌を?
例えば、今回のアルバムにも入ってる「テレビ」なんかは、部屋でただテレビを見てたっていうところから始まるんですけど。そういう何気なく感じたことを、これは歌える、これは歌えないとか区別をしないで、その時その時で歌にして、たくさんの人の前で歌えたらいいなと思うんです。これから歳をとっていったり、環境が変わっていったりしても、いつも、その時その時に感じたことをちゃんと歌に出来るようにしよう、そう思っています。

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November 14, 2008
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