09.あの雲を探して
江畑:“ポカリのCMになりそうな曲”を目指して作った。現実はそう甘くはなかった(笑)。
川村:“ギターで勢いをだすにはどうしたらよいか?”みたいなテーマがレコーディングの時にはありました。爽やかな印象と力強さみたいなものが欲しく、何回も録り直したな。山中湖での合宿レコーディングで録ったんですが、メジャーってこんな良い所でできるんだって一人感激していましたね。最近ライブでやると意外にも盛り上がるので隠れた名曲なんだなと再確認しました。
武田:この楽曲を聞くと、レコーディング明けでほぼ寝てない状態で撮った若き日の自分が映っているPVを、思い出します。特に、全員で歩くシーンは、とても記憶にあり、微笑ましいです。
広田:キャッチーなメロディーと疾走感はセカンドシングルでも健在であり、これがTRIPLANEの代名詞と世間に言える様になったと思います。PVは北海道を彷彿させるような壮大な景色の場所で富士山をバックに演奏するという若々しい僕らが見物です。この時はみんな寝てなかった事を思い出します。
10.イチバンボシ
江畑:サッポロビールのタイアップを勝ち取りたい一心で作った曲だが、今やこの曲無しでTRIPLANEのライブは成立しないと言えるくらいに化けたと思う。
川村:今やTRIPLANEの定番ソングにあたる曲。みんなで作ってた時は何も考えずにすぐにギターフレーズが浮かんできてたな。偶然なのか必然なのか分からないけどこの曲が生まれてきてホントに良かったと思う。TRIPLANEを人に勧める時はこの曲を聴かせれば良いのではないかな。
武田:今や、ライブの定番曲になっていると勝手に思っています。それだけ、この楽曲をライブで演奏した時の手応えとお客様の盛り上がりが、非常に印象的です。
広田:サッポロビール北海道エリアのタイアップ曲。この曲が出来た時は江畑兵衛とバンドの力を感じる事ができ勝ち取った気持ちが強かったです。そして、一つ一つのライブで演奏する度にこの曲がファンの方と一緒に成長していく姿が微笑ましいです。果して、この曲がどこまで階段を昇って行くのかが楽しみの一つでもあります。
11.友よ
江畑:「ヨワキモノタチ」という少しダークな曲をシングルのA面として出したくて、“TRIPLANE”としてのバランスを取るためB面用に作ったのだが、やはり逆転された。なかなかこの先も思い切った冒険は出来なさそうだとこの時悟った。
川村:仲間のために歌った歌詞が好きですね。人間はつまずく事が沢山あります。困難は沢山あるけど支え合っている仲間が居るからこそ楽しかったりするんだろう。何事も進んでいかなくてはならないですからね。この曲をライブで演奏するとまるで自分のために歌っているんじゃないかな?って錯覚する時があります。
武田:この楽曲をレコーディングした時に、当時のディレクターに“寝ぼけてるの!?”って、がっつり怒られた記憶があります。当時は何を怒られているのか余りわかっておらず、ひたすらがむしゃらにレコーディングしていた事を、思い出します。
広田:応援歌的な曲。この曲を聞いて明るく前向きな気持ちになれる様なサウンドを意識しレコーディングに挑みました。何か落ち込んだ時もTRIPLANEが背中を押してくれてる感じになりませんか?そんなパワーを感じて頂きたい。
12.夏が終われば
江畑:遊び心満載のレトロ感を充満させたアレンジは、当時のTRIPLANEらしい雰囲気だとは思うが、デモ制作段階ではもっと違う雰囲気だったので、いつかリアレンジバージョンも披露したいという秘かな企みが個人的にはある。
川村:“いつものイメージと変わった事をやろう”ということで、往年のポップスソングを目標にプロデューサーの笹路さんと取り組んだ曲。自分達にはないアイディアをふんだんに取り組んでみました。パーカッションの方に来ていただき色んな打楽器をいれて、細かな音が曲のテンポ感を良くするんだなと勉強になりました。ライブではあまりやらないけどこの曲結構好きです。まさに夏の終わりに聴きたい曲。
武田:この楽曲を聞くと、当時のプロデューサー笹路さんの事を、強く思い出します。今なお至るところで笹路さんの言葉を思い出します。それくらい、自分的に成長させてもらっていた期間に出した楽曲だと、思います。
広田:過去作品に比べると歌を全面に出す為のアレンジとサウンドになってます。笹路さんとタッグを組んでるというのもありますが、それ以上に学んだ事や経験した事をメンバーそれぞれが意識した結果なのかも。PVもかなり異色な作品になりました。
13.Reset
江畑:“集中して歌詞制作に取り組めるように”と、新宿の高級ホテルの一室を与えられ、そこに1日こもって作ったのを覚えている。“これがメジャーアーティストの扱いなんだなぁ...すげぇ”と自分を称えた。それ以来一度もない(笑)。
川村:当時作った時にはTRIPLANEの定番ソングみたいな形でライブでは絶対やっていましたね。お客さんが手拍子できてのれる曲。“爽やかでPOPなバンド”を全面に出した曲ですね。当時のバンドイメージにピッタリでした。PVが凝っていて、何枚の扉を開けていくという設定。扉を開けるだけの演技だったのですがメンバー全員カチンコチンになってやってました。
武田:一時期、この楽曲をやらないとライブが締まらないって事が、あったように思います。ライブ等で、皆で熟成させた楽曲の一つのように思います。
広田:セカンドシングルから引き継ぎサードシングルのレコーディングは合宿で行われました。一つ屋根の下で一週間。この方法はこの当時だけなので今となっては新鮮であり、この方法でしか録れない音もあったかもしれません。初期の頃は一つ一つの活動が新鮮だったので、それがサウンドに繁栄されていると感じながら聞いて頂ける楽しみも一つかもです。
14.雪のアスタリスク
江畑:この壮大なアレンジをセルフでやり切るのはかなり大変だった。各旋律がぶつかり合わないように心がけたアレンジを本格的に始めたのはこの頃から。大きな挑戦ではあったが、以後の自信に繋がった。
川村:雪をテーマにしたTRIPLANEの2大冬バラードのひとつ。自分達の故郷の札幌の印象にある固有名詞が出てきて札幌に住んでた事のあるヒトだったら情景が目に浮かぶと思います。サビで世界を広げるために兵衛と二人で練りに練ったアレンジが聴けます。ミックスもボーカルが冷たさを表現するためにローを削ったり色んな事をしましたね。
武田:まさに、冬にぴったりの楽曲だと思っています。故郷を離れている人や、遠距離恋愛をしている人等、そんな境遇の人をひっそり支えれる楽曲になっていれば、幸いかと思います。
広田:北海道出身でありそこで育った人にしか書けない曲なのかな。アレンジやサウンドも聞いただけで雪の情景が浮かぶ様に心掛けました。ドラムのサウンドもエンジニアと意見交換をかなり綿密にしたので個人的にはかなり気に入ってます。やはりバラードの曲のサウンド作りの方が派手さが無い分難しいと思います。冬の定番ソングになる事でしょう。
15.いつものように
江畑:アマチュア時代からある曲。当時からかなり思い入れがあったので、5枚目のシングル曲としてのレコーディングの時、気合い入り過ぎて歌入れ早々に声が嗄れ大変だったのを覚えている。“技術”ではなく“気持ち”で歌った、まさにそんな曲。
川村:シンプルでいこうと打ち合わせをして望んだけれど、シンプルこそが難しんだなと思った。レコーディング前からライブではやっていたんだけど、録ってみると印象が全然違くてアレンジに悩んだな。でもやっぱり兵衛の作るメロディーが良く、アレンジがシンプルでも良い曲ができるんだなって実感できた。実はレコーディング前にライブでやっていた仮歌詞のほうが好きでした。
武田:最近、セルフカバーもしました。更に、最近のアコースティックライブでも大きなアレンジ変えをしました。色々な聞せ方が出来る、とても柔軟な楽曲のように思います。
広田:アマチュアの頃からファンの方の人気も高く根強い人気。ミドルテンポでシンプルなアレンジとサウンドに、心地よいメロディーが重なりトライプレインらしい曲になってます。初期の代表曲です。ミドルテンポのバラード調はTRIPLANEの武器の一つなのかな。