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UTAMAP review
柴田 淳 今回は、思いっきり歌謡曲チック! これまでで一番素直に、心の赴くままに作ったアルバムです。 今年でデビュー10周年! ニュー・アルバム『僕たちの未来』リリース!
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『僕たちの未来』
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収 録 曲
01.この世の果て
02.あなたの名前
03.
04.LAFAYETTE-instrumental-
05.願い
06.ハーブティー
07.桜日和
08.マナー
09.うたかた。 〜弾き語り〜
10.さよならの前に
11.おやすみなさい。またあとで…
12.心の声 〜弾き語り〜(初回限定盤のみ収録)
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歌詞は、寝ながらケータイで書く事が多い。部屋に篭って、全くの無音で、一晩中ケータイをカチャカチャやっています(笑)。

柴田淳──歌詞を書く時は、どんな所から発想していくのでしょうか?
メロディーが醸し出している雰囲気を尊重します。これは、どう考えてもドロドロの恋愛ソングだろうなとか、これはちょっと陰に入っていくメロディーだなと思ったら心の奥底の気持ちを歌おうかなとか、メロディーに導かれますね。
──作曲の時点で、ドロドロっぽい曲を書こうとかそういうイメージがある?
イメージ映像は浮かんでいますね。映像は浮かんでいるけど、言葉はまだないという感じでしょうか。
──メロディーと言葉が同時に出てくるという事は?
私の場合は、それははほとんどないですね。例えば、ここは“あなた”しか入らないなとか、ここは“君に”だなとか、ここは同じフレーズを2回繰り返したいメロディーだなとか、そういうのはありますけど。
──歌詞は、一行目から書いていく?
一行目からですね。
──最初の一言は、どんなキッカケで出てくるのですか?
最初の一言が出てくるまで、何時間も考えていたりしますね。最初の一言が出てきたら、バーっと書けるんですけど。
──歌詞を書くのは、どんなタイミングで?
歌入れの前日に、篭って一晩で書くというパターンが多いです。籠りますね。籠って籠って籠りまくります。
──その楽曲のメロディーをずっと流していたりするんですか?
曲は聴かないです。全くの無音です。
──歌詞を書く時は、手書きですか?
最近、ケータイになって来たんですよ。以前は、紙に手書きして、それをワープロで清書してたんですけど。活字になると客観的に読めてイイんですよね。それで、最近は、最初からケータイで打つようになりました。
──状況としては、どんな感じ?
ケータイで寝ながら書く事が多いんですど、部屋に篭って無音で一晩中ケータイをカチャカチャやってる。誰にも見せられない姿ですね(笑)。

一方的に思い詰めて、自分で勝手に“終わり”にしてしまう。そんな主人公が多いような…。“失恋ソング”と言うより“自爆ソング”と呼ぶべき?!

──柴田さんが書かれる歌詞は、感情の描写が見事ですよね。なかなか成文化できない感情を、思いがけない単語やフレーズを使って、きちんと成文化してくれる。多くの女性から共感を得ているのは、その点が大きいと思うのですが?
そう感じて貰えるのはすっごくうれしいですね。相手に対して感じている想い、整理がつかないモヤモヤした感情というのを分析して、具体的に言葉にしていくというのは、ものすごく難しいんですけど、それが目指す所でもあるんですよね。白紙のまま3時間経っちゃったという事も珍しくないんですけど、その後1分で書き上げたとしてもその曲は3時間1分で書いたものになるんです。
──柴田さんは、“失恋ソングの女王”とも言われていますが、柴田さんの楽曲の主人公は、失恋ではなくて、自分の方から去っていくタイプですよね?
柴田淳そうそう、自分から消えちゃうんです。でも、実は未練たらしい(笑)。
──大変失礼な言い方になってしまうのですが、“失恋ソング”ではなくて“自爆ソング”だなって。
あ〜、それ正解です。正しくそうですよ。「願い」なんて、まさに自爆ソング(笑)。
──自分の中だけで、一方的にどんどん思い詰めて、自分で勝手に“終わり”という結論を出してしまう主人公が多いような?
私自身がそうなんですよね。相手からの連絡がちょっと途切れただけで、もう私の事なんか嫌いになったんだろうって思っちゃうタイプ。勝手に結末作って、突然、私の方から“もういい”って言って消えちゃう、みたいな。
──そういう部分で、女性の共感を得ていると?
男性のファンは、アイドルチックに応援してくれる方が多いんですけど、女性は、そういう恋愛の複雑な部分に共感してくれる人が多いですね。私自身は、「願い」もそうなんですけど、歌にする事で、自分自身にケリをつけてる部分もあるんですよね。吐き出す事によって乗り越えると言うか。リスナーにとっては、目を伏せていたい、耳をふさいでいたい自分のダメな部分とか、この恋がもう終わっていると認めたくないとか、そういう触れてほしくない部分をズバっと言われちゃう事によって、ちょっと自虐的にハマるのかもしれないですね。

“僕”で書かれた恋愛ソングは、相手の男性にこう想っていてほしいという願望だったりもする。歌詞の中の“君”に、自分を重ねて聴く女性リスナーも多いと思います。

──一人称で“僕”を使うのも、柴田さんの特徴かと思うのですが?
デビュー曲の「ぼくの味方」の時から“僕”で書いていて、当時は“なぜ、僕なんですか?”と必ず聞かれたんですよね。女性ヴォーカルで“僕”で歌う人はほとんどいなかったですから。でも今は、女性ヴォーカルの大半が“僕”を使ってますよね。私は、あまのじゃくだから、逆にだんだん“僕”を使わなくなったんですけど(笑)。
──今回も、“僕”で書かれた曲がありますね。「桜日和」も「さよならの前に」も、終わった恋を振り返っている男性側の歌。相手の男性にこう想っていてほしいという願望のようにも感じられたのですか?
正にそうですね。歌詞の中の“君”が自分の事だったりします。
──“僕”を主人公とした歌の場合、歌詞の中の“君”に自分を重ねて聴く女性リスナーも多いでしょうね?
そうなんですよね。“この曲の中の“君”は、私の事です!”って、そう言われる事も多いんですよ。女性はきっと、そういう聴き方をしてくれているんだと思います。
──「風」も“僕”で書かれていますが、この曲の“僕”だけは、ちょっと違うかなと思ったのですが?
「風」は、メロディーがものすごく世界を持っていたので、具体的な男女の恋愛と言うより、かなり抽象的な歌詞になっていると思います。何かを大きく捉えて歌う時にも、“僕”という一人称を使った方が、俯瞰で歌詞を書けるんです。

今回のアルバムの歌詞には、“空”と“愛してる”が繰り返し出て来る。大切な人を想いながら、空を見上げる事が多かったのかなって思います。

──今回のアルバムの歌詞は、“空”という言葉が何度も出てきますね。ほとんどの曲に“空”という単語が使われていますが?
意図的にやった事ではなんですけど、言われてみたら、確かにそうですね。私は、常にその曲が持っている世界を大事にしたいと思っているので、例えば、同じテーマの曲が他にあるから違う表現に変えようとか、そういう事はしたくないんです。同じ言葉、同じシチュエーションになったとしても、その曲が求めているんだったら、それを優先したいんです。だから、作り終わったものは一切振り返らず、新しい曲、新しい曲という風に作っていくんですけど。“空”という言葉が多くなったのは、やはり、そういう気持ちの曲が多かったという事だと思います。
──“空”を意識する事が多かったと?
これまでの私の作品って、“私はこうなんです!”と言い切る歌詞が多かったと思うんです。“私はこうなんですけど、あなたは?”と問いかける部分がなかった。だけど、今回、制作中に東日本大震災を経験した事で、すごく意識が変わったんですよね。私にできる事は歌しかないと思ったし、歌というのはやっぱりパワーを持っているなと思った。それから、愛犬の死というのも重なって、私の中で、本当にリアルに、大切な人を思いながら歌うというタイミングがたくさんあって、今回のアルバムは、常に、命であったり、大切な人を想いながら作っていた気がするんです。そうすると、自然と空を見上げる事が多かったのかなって。私自身は、今回は“愛してる”という言葉をすごくたくさん使っているなと思っていたんですけど。これまでに比べると、そんなに凝った歌詞は書いていないし、一番素直に書いたアルバムだと思います。

『僕達の未来』は、これまでで一番素直に心の赴くままに作ったアルバム。秋からは全国ツアーがスタート。これまでとは違うステージにしたい!

──この10年間の創作活動を振り返ってみて、今回のアルバムが一番素直?
そうですね。一番素直に作ったアルバムと言えると思います。10年もやっていると、良くも悪くも慣れてきて、えぐるのが浅くなりつつあるかなと感じたり、真新しさを見つけるのが難しくなってきたというのは確かにあったんですよね。だけど、今回、自分自身に余裕がない中で創作を始めて、人がどう思うかというのは置いておいて、心の赴くまま作って、産まれたらその子を大事にするみたいな感覚になったんですよね。本当に、これまでで一番素直で、心の赴くままに作った作品と言えると思います。柴田淳
──初回限定盤では、「心の声」のセルフカヴァーも収録されますが?
「心の声」は、私がデビュー前に生まれて初めて作った曲なんですけど、これまでリリースのタイミングを逃していて。いつかそのうちと思っているうちに10年経ってしまったのですが、10周年の節目として、今回、弾き語りで収録しました。
──リリース後は、秋から全国ツアーを予定されていますが、10周年という節目のツアーでもあり、どんな抱負をお持ちですか?
実はこの10年間に、全国ツアーというのは3回しかやった事がないんです。初めてのツアーが7年目の時で、いきなりその時の最新アルバムを中心とした構成というのも唐突だし、デビュー曲から振り返るというのも変だし、過去3回のツアーは、いつもダイジェスト的な感じでやって来たんですよね。だけど、今回は“ニュー・アルバム『僕たちの未来』を引っ提げて”という構成にしても良いかなと思ったり、でも、やっぱり10周年だから、過去10年間を振り返るお祭りっぽい感じもいいなと思ったり。他の人の曲をカヴァーしてみたいとか、弾き語りもやってみたいとか、色々思う事はあって、まだまだ決められずにいるんですけど、でも、これまでのツアーとは全く違うものにしていきたいと思っています。私自身もすごく楽しみにしていますし、みなさんも期待していてください。

JUN SHIBATA 10th ANNIVERSARY TOUR 2011
月夜PARTY SPECIAL−10周年だよ、いらっしゃ〜い−

10/2(日) 名古屋市公会堂 
10/8(土) 仙台電力ホール
10/14(金) 福岡市民会館
10/21(金) 神戸国際会館こくさいホール
10/31(月) 中野サンプラザ
11/06(日) 札幌道新ホール


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August 3, 2011
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