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──「旅立ちの朝 〜ニッポンの唄 滋賀〜」は、正に“旅立ち”の歌ですね?
これは、地元の少年を主人公にして、ストーリーとして書いていった曲です。
──琵琶湖というのは、圧倒的な存在感でしょうね?
圧倒的ですよ。滋賀県のほとんどが琵琶湖なんですから(笑)。
──今回、そんな琵琶湖をテーマとしたのは?
琵琶湖には何度も行っているんですけど、行くたびに、凄いな〜って思うんですよね。大きいし、美しいし。だけど、地元の人達は、この琵琶湖の存在をどんな風に感じてるのかなと思ったのが、この曲の出発点でしたね。たぶん、あまりに日常的すぎて、感動していないと思うんですよ(笑)。だから、外の人間が感じる琵琶湖の美しさを、滋賀のみなさんに聴いてほしいなと思って。
──この歌詞も、密かに“滋賀”の文字が歌い込まれていますね?
滋賀の“滋”は、さんずい(水を表す)に“慈しむ”ですからね。滋賀という漢字には、“流れゆく水の如く 我が子のように慈しむ”という意味が託されているんです。
──「にぎやか劇場 〜ニッポンの唄 大阪〜」は、岡平さんのリアルな恋愛体験?
超リアルな恋愛ですね。この彼女は、「以心伝心」の彼女と一緒です。
──何歳頃の恋愛?
18歳です。彼女も同い年。僕が、広島から大阪に出てきて、梅田駅前で歌い始めて、いちばん最初に立ち止まってくれた人なんです。
──生魂公園に思い出が?
谷町九丁目、通称タニキューの近くの公園なんですけど、そこのブランコに乗って、二人で大泣きしながら別れたんです。今振り返ると、すっごくいい恋愛だったし、今はもう笑い話にもできるので、今回、この曲を書きました(笑)。
──「サンライトソング 〜ニッポンの唄 日光〜」は、とても意外でした。日光という土地は、あまり歌になる事はないかと思うのですが?
日光は神聖な場所ですから、安易に歌にはできないなと思っていたんですけど、今回、僕の中ではうまく書けたと思っています。電磁波が強そうな地盤と言うか、不穏な空気と緊迫感を感じながら作った曲ですね。東照宮の“眠り猫”の意味だったり(猫も寝るほどの平和を表していると言われる)、北斗七星が東照宮の真上に見える事とか(本殿前の陽明門とその前の鳥居を中心に結んだ上空に北極星が来るように配置されている)、色んな事を考えながら作りましたね。
──江戸時代へ想いも馳せて?
僕は、歴史がすっごく好きなので、日光東照宮に行くと色んな事を思うんですよ。生と死を感じるんですよね。日光東照宮は、徳川家康が大権現様という神様となって祀られている神社ですけど、家康と言うのは、竹千代と呼ばれていた幼少時代は、ずっと人質でとられていて、いつ死んでもおかしくないような状況で育って来た。だけど、戦国時代を生き抜き、ギリギリの所で大逆転して大成功した人でしょう。そんな人生を想ってみたり。それから、あまり知られていないんですけど、日光には、三代将軍・家光のお墓(輪王寺 大猷院霊廟)もあるんですよ。お爺ちゃんに守られたかったのかもしれませんね。そうやって、色々な事も空想できるし。
──“物が足りても心貧しき人々の国”というフレーズは?
これは、マザー・テレサが来日した時(1981年)の言葉なんですけど。東照宮を訪ねている時に、自然とこの言葉が浮かんできたんですよね。
──「広島の鳥 〜ニッポンの唄 広島〜」とても難しい歌だなと思いました。
これは、僕が中学生の時に書いた歌なんです。うちは、母が長崎、父が広島出身で、僕自身も長崎生まれの広島育ちなんです。祖父の弟が広島で被曝して死んでいるし、僕は“被爆三世”の世代なんですよね。そういう背景もあって、生まれた曲です。
──希望を見出したい?
広島は、70〜75年間、草木も生えないだろうって言われてたんですよね。だけど、原爆投下から1週間も経たないうちに、大根の芽が出たって、祖父が言うんですよ。自然界の生命力というのは本当に強いなって思いますよね。
──「カブトガニを見に行こう 〜ニッポンの唄〜 笠岡」は、生きた化石と言われるカブトガニがテーマですが?
この曲は、カブトガニ博物館がある岡山県笹岡市を舞台とした曲なんですけど、瀬戸内海の宮島水族館にもカブトガニはいて、僕は小さい頃から、お姉ちゃんと一緒に、触れ合いコーナーで、カブトガニをツンツンしたりして遊んでたんですよね。そんな思い出も重なっています。
──♪僕らの想像もつかない事ってあるんだよ〜という1行がイイですよね。さっきの広島の話とも繋がりますね。古生代と言えば、5億年前くらいですものね。
そうそう。その時から、あのまんま居るんですから、凄いですよね。信じられないですよね。そういうスパンで捉えると、人間なんてすっごく小さく思えてきますよね。
──「果てのない道〜新〜 〜ニッポンの唄 札幌〜」は、19時代のシングル曲のリメイクですね?今回、敢えてこの曲を取り上げたのは?
自走ツアーを3回やって、文字通り、果てのない道を走ってきたというのもあって、色々な想いをこめてリメイクしました。♪支えられ冬が3回 そして春が訪れます〜の部分は、“13回”と歌っています。
──オリジナルも、札幌の歌だった?
もちろん、そうです。札幌の十勝平野を見て作った歌で、飛行機が上がった瞬間に浮かんできたメロディーと歌詞なんですよ。
──そこから10年経って、イメージは変わりましたか?
札幌市に隣接して、北広島市という街があるんですけど、そこは、広島県から移住した人達が作った街なんですよ。そういう、その土地、その土地が持っている歴史には感じ入るものがありますよね。
──「少年ホーム 〜ニッポンの唄 佐賀〜」は、佐賀がテーマ。佐賀という土地もなかなか歌われる事はないかと思うのですが?
この歌詞は、佐賀出身の326に書いて貰ったんです。前向きに頑張っていきたい、頑張ってきたから、地元を大事にしたいっていう気持ちがストレートに伝わってきました。神園という地名が出てくるのも、佐賀出身ならではですよね。
──“少年ホーム”というタイトルもおもしろいですね?
僕としては、「黄金に染まる町をぬけて」とか、そんなタイトルにしても良いかと思ったんだけど、「少年ホーム」だって言い張るので(笑)。彼の歌詞は全く変わっていなかった。19の頃のまま。だから、大好きです。
──「日本誕生・二六七一 〜ニッポンの唄 日本〜」は、3B LAB.☆のアルバム『日本 #5』の収録曲のリメイクですが、“二六七一”というのは、今年で皇紀2671年を示している?
神武天皇(初代天皇)の即位から数えて、今年で2671年。単一王朝がこれだけ続いてる国家なんて他にないですよ。他国の歴史では、多くの皇帝が殺されてますからね。日本人って無意識なんだろうけど、うちに秘める暖かさとか優しさを持ってるんだと思います。
──“二六七一”って何だろうとか、“和願愛語”などの四字熟語の意味を調べてみたり、岡平さんの作品を通じて、日本の歴史や文化に興味を持つ若い世代が増えるのではないかと思いますが?
僕はほんとに日本が大好きで、歴史も大好きだから、自然と歌詞の中にそういう要素が出てしまうだけで、特に意識してはいないんだけど、でも、聴いてくれた人が色々な事に関心をもってくれるようになったら、それはすっごくうれしいですね。
──いよいよリリースとなりましたが?
この企画は、僕自身がすっごく楽しかったから、聴いてくれる人、歌詞を読んでくれる人にも共感したり、喜んで貰えると思います。
──この後も、他の県の歌も埋めていく?
埋めていくという感覚ではなくて、本当にライフワークにしたいと思っています。お爺ちゃんになっても作り続けたいなって。
──4回目となる“自走ツアー”もいよいよスタートですが、どんな抱負を?
“走る音楽屋”としては、とにかく安全第一。これが一番ですね。命あっての音楽ですから。僕自身も生きていくのに必死だし、頑張って、みんなで一緒にやっていこうよという気持ちですね。ほんとに身近に感じてほしいし、一緒に頑張って、一緒に成長していきましょう!待ってます!!
岡平健治ソロ北海道・関東・東海・関西弾語り自走TOUR2011〜ニッポンの唄〜
6/12(日)【千葉県】柏ドランカーズスタジアム
6/18(土)【栃木県】HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
6/19(日)【群馬県】高崎 club FLEEZ
7/09(土)【埼玉県】HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3
7/10(日)【神奈川県】F.A.D YOKOHAMA
7/16(土)【静岡県】浜松 窓枠
7/26(火)【北海道】帯広 MEGA STONE
7/28(木)【北海道】苫小牧 音楽館
7/29(金)【北海道】札幌 PENNY LANE24
7/31(日)【北海道】函館club COCOA
8/20(土)【三重県】松阪 M'AXA
8/21(日)【岐阜県】岐阜 club-G
8/24(水)【滋賀県】大津 U★STONE
8/26(金)【京都府】KYOTO MUSE
8/28(日)【奈良県】奈良 BEVERLY HILLS
8/31(水)【和歌山県】和歌山 OLD TIME
9/02(金)【兵庫県】神戸 CHICKEN GEORGE
9/29(木)【東京都】赤坂BLITZ