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──6曲目の「1piece」は、“想像してた未来には程遠い 案外悪いもんじゃないけどね”という歌詞があり、「Homey」にも似たフレーズが出てきたもので引っ掛かったのですが、どんな未来を想像してましたか?
YUI:想像したモノは全部夢でしかないから、進んでみたらいざ違うみたいなことは100%そうだと思うんですよ。だけど、その違うことがイケナイことじゃなくて積み上げていくモノだから。夢は現実を飛び越えて見ちゃうモノだけど、今ここにいるっていうのは経験して確実に積み上げて来ているモノだから、そっちの方が強いんですよね。だから、スゴク“あーこれがイヤだったなぁ”という想いがあったとしても、そのことがスゴク優しい気持ちをくれたりとか、自分に強さをくれたりとか、意味のあるモノなんですよね。だから10代の時からRYTHEMを始めて、こんな風になったらとか色々妄想したことはあるんですけど、でも、それとこう違う未来で今RYTHEMが、こういう風に終わるなんてことは想像もしていなかったし。終わるっていう未来が来たとしても、今得てるモノが沢山あるから、とても幸せだなと思えますね。
YUKA:想像してた未来とは、もちろん違いますよね。全部YUIの言う通りで、良い未来も悪い未来も、いくらでも想像してましたし、想像してたから逆に悪い未来が来なければイイなと結構ビクビクしていたりもしました。それが現実になると、また想像とは全然違うなっていうことも沢山ありましたし。だからこそ“案外悪いもんじゃないけどね”って感じがしましたね。
──「1piece」は、やる気なさげなコーラスが面白いですよね。
YUI:ホントやる気無い感じですよね(笑)。それが実はこの曲のミソなんですよ。実は、デモの段階で駄作だと思っていて、絶対に世の中に出すまいと思っていた曲なんです。『リズム』に収録することが決まって、デモの雰囲気を生かしたかったんですよね。デモってあんまり本気で歌わず、やわらかく歌って終了していく感じだから、これも終始デモのように気が抜けてますね(笑)。全然気張っていない、スゴイお気楽な感じの曲です。
YUKA:“やる気無くやって”がディレクターさんのリクエストだったので、伝わって良かったです(笑)。
──7曲目「all-ways」はタイトルにハイフンが入っていますが、allとwaysで分けているのは、どのような想いが?
YUI:“全ての道”、いろんな道があるよっていう想いを含めた曲なんですよね。全体を聴くと後悔の曲みたいな感じに思えますけど、その後悔しているのも、自分の中にある1個の道なんだよ、他にも沢山選ぶ道はあるよっていうのを示したかった曲ですね。
──でも、「all-ways」も含めて収録曲全て、暗い印象を受ける曲は無かったです。
YUI:スゴクいろんな念に捉われてるんだけど、それこそさっきのですね、RYTHEMとして光を見つけておきたかったっていう。そのRYTHEMにスゴク輝きを持たせて終わりたかったんですよね。普通に作っていたら暗くなっちゃいそうな曲も沢山あったので、“いや、そうじゃないぞ”と。そうなっちゃったら、ただ自分たちの人生で終了みたいな風になっちゃうから、皆の前に流れるRYTHEMの楽曲として、光の出口を見つけたかったんですよね。
──8曲目の「パラドックス」はアルバムの流れがガラッと変わるというか、ライブの後半戦突入のような印象を受けました。曲順は意識されました?
YUKA:「all-ways」の後の「パラドックス」が良いっていうのは、満場一致で決まりました。第2部の始まりっていう感覚はありますね。
解散を決める前に出来上がっていた曲でしたけど、バラエティに富んだ遊んでいる1曲にしようということで、ディレクターさんが色々考えてくださって。それで益田トッシュさんにお任せして上がってきたアレンジを最初に聴いた時に、同じ音がループしているからなんでしょうけど、同じところをグルグル彷徨っている人が浮かんで。言葉でいうと“ラビリンス”、もう迷宮って感じでしたね。だから、コテコテの恋愛曲だった最初の歌詞ではイメージが合わないと思って、書き換えたんです。俯瞰というか、ちょっと引いた感じの世界を作りたいなと思ったので、タイトルもちょっとだけ変えました。
──書き換えた今の歌詞は、余計に深読みできるようになった感じですね。
YUKA:「パラドックス」を深読みするならば、解散前のスゴク迷っている心境が現れているようにも、恋愛の歌にも聴こえたりする、そんな風にいろんな捉え方が出来るような感じで、私の優柔不断な性格を全面に表しました。
それと今回のアルバムは光が見える曲、最終的にスゴク前向きになれる曲が多かったので、だから私の書いた曲はトコトン闇に行こうって思って。やっぱり闇も無いと、その光が目立たないので。そこで私がネガティブ担当を(笑)。
──9曲目「妄想ギャンブラーズレストラン」は、ライブで盛り上がりそうな楽曲ですね。
YUI:ぶっ飛んだ曲にしました。これは去年の“Acoustic Rock?! Tour”でやっていた曲です。この時は東京公演が無かったので、7周年記念ライブが東京での初披露でしたね。
YUKA:ライブでは、私たちも立って、皆と一緒にタオルを回して盛り上がる曲です。
──「妄想ギャンブラーズレストラン」というタイトルの発想は、どんなところから?
YUI:あんまり覚えてないんですけど、とにかくぶっ飛んだ状態だったんだと思います(笑)。出て来るモノを止めなかった感じです。
──ライブを意識して曲作りをされたのですか?
YUI:サウンド面では、ライブというよりも、いろんな人たちがバカ騒ぎをしているみたいなイメージでしたね。今回のアルバムでは、いろんなことを躊躇したり、歌詞の言葉も考えて考えてRYTHEMのところに到達するっていう作業をしていたんですけど、この曲だけはそこを突っ切ってるんですよね。“潔く言ってやれ!”みたいな、ミサイルみたいな曲です(笑)。
──10曲目の「fast food」は作詞、作曲がRYTHEMさんですが、曲作りはどのように?アレンジで特に意識したところは、どうですか?
YUKA:キャッチーなメロを作ろうっていうところから作っていったんですけど。高校生、大学生、OLの方に共感してもらえるような歌を意識しながら書きました。アレンジでは「ツナイデテ」のカップリングだったので、真逆の世界観を2曲で作り出した感じではありましたね。
──11曲目は配信リリースだった「無題」ですが、タイトルを決めるまでに、かなり悩まれました?
YUI:タイトルは最終的に決まってないんですよ(笑)。「無題」ってなっちゃうぐらい、タイトルが無いんです。タイトルが無いっていうことに、全ての意味があるんですよね。言いようの無い気持ちとかってありません?“嬉しい”とか“ありがとう”と同じ種類なんだけど、何かもっと違うスペシャルな感じがするとか、何かこう言葉に言い表せられない気持ちを書いた曲なので、やっぱり名前が付かないんです。候補は色々考えてはみたんですけど、全然、色が変わっちゃうというか、納得がいかなかったですね。この楽曲はカタチが無いほうが素晴らしいんですよね。タイトルが無いってことに一番伝えたいメッセージがあります。
──12曲目の「遠恋歌」は、収録曲の中で一番ストレートな恋愛ソングですね
YUKA:この曲からは解散を関する深読みは絶対にできないです(笑)。収録曲の中では、むしろ唯一かもしれないです。だからこそ、私の中では“えっ!?この曲を入れちゃうんですか?”って思いました。ラストアルバムに、こういう私事的な曲を入れちゃって良いんですかみたいな感覚だったんですよね。だけど“最後最後って、それに捉われすぎてもさ”って言われて肩の荷を降ろしてもらえたというか。この『リズム』でRYTHEMを知ってくださる方もいると思うので。入り口が沢山あった方が、いろんな人の心にも響くでしょうし。遊んでいる曲もあった方が“最後までRYTHEMらしいね”と思ってもらえるだろうなということもあったので、“トコトン実体験を書きます!”って作りました。きっと、そういう経験をした人の心には響くんじゃないかなと思いますね。
YUI:「Bitter & Sweet」もそうですけど、YUKAが実体験から表してくれる楽曲は、いつも力があるから。それをYUKA色として。
──13曲目の「A Flower」は、ラストシングルを意識して制作されたのですか?
YUI:歌詞はそうです。ちょっと書き直したりは重ねましたね。このアルバムを背負って前に出ちゃうシングルだったから、内容的には、さっき言った人間同士のことを書いてる曲ですね。元々「A Human」っていうタイトルにしたかったんですよね。最終的に花の、枯れていく花とか、種のままの花とかそういう花の一生に例えて私たちRYTHEMの人生を書きましたけど。
──タイトルを「A Human」にしなかったのは?
YUI:「A Human」にすると、ちょっと濃すぎるかなと思って。ただ、「A Flower」もタイトルに“A”を付けたのはこだわりがあって、“A”の形は人間が立っている姿に見えたから。それでマーク的な存在で、そこに立たせたんです。
──1輪の花という意味ではなく。
YUI:という訳ではないんですよね。見た目のマークです。『ウタタネ』っていうアルバムから始まっているRYTHEMでもあるので、一番最後に枯れる前に、パッと花が咲いたところで幕が閉じるっていう情景を見ながら。
──そして歌を締めくくる14曲目の「アリー」ですが、“ally”は英語で“味方”という意味ですよね。とても可愛らしい響きでありながら、聞き慣れない単語だったのですが、日本語、英語、どちらから発想されたのですか?
YUI:日本語です。曲の世界観としては“味方”という言葉があって。あらゆる人を守ってあげるヒーロー、良い人も悪い人も、どんな人にもヒーローが駆けつけて“大丈夫だから”ってひとこと言って去るみたいな、そういう付かず離れずの距離にいるヒーローを書きたかったんですよね。人の悲しみにのめり込んでいっちゃうと、そのヒーローも“そうだよね”って涙が流れちゃうし、あんまり遠いところから“よっし頑張ってねー”っていうのも、それもちょっと違うなと思って。今、自分がなりたいヒーローは?というところで、「アリー」っていうヒーローになりたいんですね。
──タイトルは歌詞が出来てから決められた感じですか?
YUI:タイトルは別で考えていたんですけど、奇跡的に“味方”を辞書で引いたら“ally”って出て来て、“何じゃこの可愛い単語は!”と思って(笑)。だから歌詞の“I'm always your ally.”という英語のフレーズも、タイトルが途中で決まってから付けたんです。
ただ、この曲は歌詞とメロディを一緒に作っちゃった曲なんですよ。そういう風に出て来る時って、曲が出来るのが、とてもスムーズなんですよね。だから、あれこれ余り考えないから、スッゴク伝えたいことが、この曲に集約されているんだなと思います。
──『リズム』の収録1曲1曲についてお話いただき、ありがとうございました。最後に、全国ツアー、解散ライブに向けてのお気持ち、意気込みをお聞かせいただけますか?
YUI:とにかく楽しみですね。アルバムをリリースして、皆にメッセージを発射したいっていうのがあるので。ライブはやっぱりコチラからのメッセージだけじゃなくて、皆からの想いを受け取れたり、皆と一緒に2時間を作っていくものだから、何が起こるか分からないのが私も楽しみですし。最後に、幻だったんじゃないかっていうぐらいの一瞬、スゴク素晴らしい日になったらイイなと思いますね。
YUKA:ラストということが良い意味でスゴイ燃料になったというか、そのおかげで素晴らしいアルバムが出来たと思うので、今回の全国ツアーも最後のライブも、きっとラストということが良い燃料になって、ものすごい奇跡が起きるんじゃないかなってワクワクしています。ファンの皆が“RYTHEMを好きでいて良かった”、自分も“RYTHEMで歌えて幸せだった”と、お互いが思い合えるような温かい空間になったらイイなって思います。
■解散ライブ決定!!!
「Final Fantasy Live 〜RYTHEM史上最高のリズム!!!」
2011年2月27日(日) Zepp Tokyo
open 17:00/start 18:00
チケット発売:2011年1月9日(日)10:00〜
1F全自由 整理番号付:\4,800(tax in) ドリンク代別途
2F指定:\5,300(tax in) ドリンク代別途
2F立見:\4,800(tax in) ドリンク代別途
全国ツアー決定!!!
「Acoustic PoP Tour'11〜Live Tree」1月10日(月・祝) 大阪/BIG CAT OPEN_17:00/START_18:00
info:キョードーインフォメーション 06-7732-8888
1月14日(金) 渋谷/O-Crest OPEN_18:30/START_19:00
info:ソーゴー東京 03-3405-9999
1月16日(日) 福岡/DRUM Be-1 OPEN_17:30/START_18:00
info:キョードー西日本 092-714-0159
1月22日(土) 札幌/KRAPS HALL OPEN_18:00/START_18:30
info:WESS011-614-9999
追加公演決定!!
1月25日(火) 渋谷/duo music exchange
◆料金:全自由 \3,800(tax in)
※整理番号付/ドリンク代別/5歳以上チケット必要
※公演によっては立見になる場合もございますので予めご了承ください。
⇒詳細はオフィシャルサイト http://www.rythem.info/