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──「うたまっぷ」には、自作歌詞の投稿コーナーというのもあって、既に40万篇もの登録があるのですが、投稿されている皆さんにアドバイスをお願いできますか。亜美さん、由美さんが作詞をする時に、信条とされている事はありますか?
由美:やっぱり、リズムに乗る事じゃないですかね。いくらイイ表現でも、リズムに乗ってなかったらダメだと思うので。使いたい言葉があっても、それでリズムがずれるようだったら、違う言い回しを考える。私は、すごくリズムを気にしますね。
──自分らしさという点では、いかがですか??
由美:私は元々、ポエム的な詩を書いていたわけでもなく、日頃から詞を書きためたりもしてなくて、曲を貰って、うわっ書かなくちゃと思って書いているだけなので、何が自分らしいのかよくわからないんですけど。でも、そういうある意味ちょっと素人っぽいストレートさが、自分らしいんじゃないのかなって思っています。
──亜美さんは、いかがですか?
亜美:私は、情景が見える詞を書くのが好きなんだって自分で思います。「恋のやまあらし」を書いた時もそうなんですけど、情景が浮かびやすくって、フレーズ毎の色がハッキリ見える時が、自分らしくできたなと思える詞なんですね。
──フレーズ毎の色と言うと?
亜美:このシーンはこの色って言うシーン毎の色のイメージがあるんですよね。更に、この言葉はこんな色、みたいな。うまく言えないんですけど、塗り絵を完成させていくような感覚なんですよね。それがすっごくうまくいった時が自分らしい詞になる気がします。
──お互いの歌詞については、どんな風に?
亜美:由美ちゃんが書く詞は、すっごくストレートな気持ちが書いてあるんですね。本人の実話だという意味ではなく、見た人が誰しも思うであろうような事。ちょっとした小さな事だけど、うわぁ絶対こういう事思うよねっていうのを、ストレートに書いてくるんです。それは私には全くない面なので、いつも、すごくイイなと思うんですよね。
由美:亜美ちゃんの歌詞は、漢字が多いんです。毎回、最低一回は聞くよね“これ何て読むの”って(笑)。そういう難しい漢字がちょいちょい出てくるんです。私が、わかりやすい言葉で書くとすると、亜美ちゃんは、日常では使わないけど、その単語を見たり聞いたりしたら、それで全て伝わるみたいな的確な単語とか熟語を使うんです。単語1つで情景が浮かぶんです。それから、亜美ちゃんは、一人称を使わないんですよ。
亜美:あまり特定したくないんですよね。
由美:あなたと私・・・それだけで完結するような詞を書かないよね。PUFFYで書く時も、例えば、愛と言っても、それは男女の愛だけじゃなくて、その形はいっぱいあるわけだから、聴いた人がそれぞれに感じ取れる歌詞にしようって、そういう話をよくしてますね。
──来年、デビュー15周年となりますね。振り返ってみて、いかがですか?
由美:あっという間のようにも感じるんですけど、でも、やって来た事を1つずつ振り返ると、確かに長い時間が経ってるんだなって。
──デビュー時には、15年後のイメージなんてありましたか?
由美:全くないですよ〜。
──そもそものPUFFY結成のキッカケは?
由美:民生さんがプロデュースに興味をお持ちになって、その時、たまたま同じ事務所にいたのが私達だったんです。私も亜美ちゃんも、ソロでやっていくはずだったんですけど、すっごく仲良かったし、ふたり一緒にやったら面白いんじゃないの?というのがスタートなんですよね。
亜美:最初は、民生さんプロデュースの企画ものという位置付けだったんですよ。
由美:だから、一番最初のミニアルバム『amiyumi』で終わると思っていたし。
亜美:それがこんなに長く続くとは、夢にも思っていなかったですね。
──長く続いた秘訣は?ご自身ではどんな風に思っていますか?
由美:私も亜美ちゃんも、何かをやってやろうぜとか、夢を掴んでやろうぜっていうタイプではないですからね。いつも、“どちらかが楽しめなくなったら、無条件でやめようね”と言っているんですけど、結局、ずっと楽しいから続いている。ちょっと特殊なのかな、私達って。
亜美:ふたりで集まって何かするというのが楽しいんですよね。“楽しい事は倍になって、辛い事は半分ずつにできるのが、ふたり組のイイ所だよね”って、よく言っているんですけど、本当にその通りだなって。周りのスタッフやバンドメンバーも含めると、楽しい事は更に何倍にもなっていく。だからやめられないんです。
──ご自身では、PUFFYワールドをいうのをどんな風に捉えてますか?
由美:PUFFYはこうでなくちゃイケナイとか、考えた事はないんですよね。ひとりの時は、全然PUFFYじゃないんですけど、ふたり集まればPUFFYになるんだなって。それだけが強いような気がして。
亜美:前例がないので、こういう風になりたいと目指すものもないし、逆にどうしていいかわからないっていうのもあるんですけどね。後にも先にも、PUFFYはPUFFYでしかなく、フォロワーもいなければ、後輩も育たないと言うか(笑)。
──では、逆にこれはPUFFYらしくない、PUFFYがやるべき事ではないと思うような事はないですか?
由美:それは、ありますよ。何かを押し付けたりはしないですし、楽しくない事をひとに見せても仕方ないし。自分が楽しんでないと、ひとに伝わらないとも思います。
──それがPUFFYらしさという事になるのでは?
由美:そうですね。以前、亜美ちゃんが、小学生から“いつも楽しそうでいいですね”という手紙を貰った事があるんです。
亜美:もう何年も前の事なんですけど、ちょうど、超忙しい時期で身も心も疲れて果てていた時に“楽しそうでいいですね”と言われて、しかも、小学校4年生に(笑)。その時は、“クッソー”と思ったんですけど、でも、後から思うと、そう見えているというのは、すっごくイイ事だなって。
由美:小学生から見て、楽しそうに映るというのは、とっても幸せな事ですよね。だから、まず、自分達も楽しむ。それがPUFFYなんだと思います。
──「R.G.W.」リリース後のご予定は?
由美:今年はずっとツアーがあって、その合間を縫って、アルバムのレコーディングを進めて来ました。まだ、レコーディングは続いているんですが、来年の15周年に向けて、いち早く皆さんにニュー・アルバムをお届けできるように、今、必死です。リリース日まではまだ決まってないんですけど、ようやくアルバムの全体像が見えてきて、もっとこんな曲もあった方がいいんじゃない?とか、今は色々付けくわえている段階で、まさに制作中です。楽しみにしていてください。
──15周年記念日に向けては?
由美:15年と言うのは、やっぱり長い時間ですよね。15年続けてきたと言うのは、我ながらスゴイなと思う瞬間もあったりするんですけど、でも、それはやっぱり、ずっと応援してくださっている人とか、周りのスタッフとかがいたからこそで。私達ふたりだけでは、何もできないんですよね、ほんとに。だから、そういう想いも込めて、来年は1本でも多くツアーをやって全国を回りたいと思っています。
亜美:期間限定でファンクラブを始めたのも、みんなと一緒に15周年の日を迎えたかったからなんです。来年は、色んな事を企画しています。今は、まだ内緒ですけど、楽しみに待っていてくださいね。