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──c/wの「二人並んで」は、イントロの爽やかなギターがとても印象的ですね。
重松:最初ギターの軽い感じのオケがありまして、そこから広げていった曲です。その曲に由里絵が歌詞を付けたら、最終的には失恋ソングになりました。イントロを聴いた瞬間にスグこの曲だなって分かるような曲にしたいと思っていたので、メロディの一番良いところを最初に持っていったカタチにしたんです。
──“失恋ソング”という発想はどんなところから?
酒井:オケにメロディを乗せていくのが難しくて、どういう内容にしようかずっと迷って結構置いていました。いつも歌詞は感情に任せて作るので、こういう内容にしようと決めて作ったことは一度も無かったんです。でも曲を繰り返し聴いてるうちに、ふと“失恋ソング”ってどんなもんかなって思って。それで友達や妹や親に“失恋した女の子って、どんな気持ちになるんだろう”という話を聞いたりして。その話から“私だったら失恋した時どう思うかな?”って作り始めました。爽やかな前向きな感じになっていきましたね。
──「二人並んで」の歌詞で特に意識した言葉、フレーズはありますか?
酒井:今まで歌詞の内容をそこまで考えていませんでした。自分が一番こだわっている“メロディーと言葉のハマリ”が気持ち良ければ一番良いって思っていましたね。今回のシングルは一番歌詞にこだわっている3曲だったんですけど、“曲を頭から聴いた時にどれだけ言葉がすんなりと耳に入ってくるか、聴く人のことを考えて書いてみたら”っていうディレクターさんのアドバイスを意識して書きました。せっかく自分の想っていることを書くのなら、一回聴いて真っ直ぐ心に届いたほうが良いと思ったので。
──「二人並んで」というタイトルは、どんな風に決められたのですか?
酒井:実は、完成形の前に書いた、全然違う内容の歌詞に付けたタイトルだったんです。それは失恋ソングというより、恋をしているような爽やかな歌詞でした。今回、歌詞をごっそり変えてタイトルを考えようと思った時に、この歌詞でも「二人並んで」がスゴク合っていたので、タイトルだけそのまま残しました。
──3曲目の「心模様」は、いつ頃に作られた曲ですか?
酒井:東京に出て来て半年ぐらいの時に“ラースと、その彼女”という映画を観ていて、それに影響されてボロッと出てきた曲です。映画の主人公はスゴク寂しそうな人なんですけど、ただその時、私自身は寂しかった訳では無かったので主人公の気持ちとイマイチ自分がリンクしなくて、しばらく置いていたんです。
──しばらく置いていた「心模様」を完成させたキッカケは?
酒井:朝、近所の公園によく行ったりするんですけど、ジョギングしてたり、ベンチにはラジオを聴いてるオジサンもいたり、人が沢山いるんです。そこにいると人に会いたいというか、一人でいるのがスゴク寂しくなったりして。それでベンチに座って目をつぶっていると、聴こえてくる色んな音が、実家やお婆ちゃんの家にいて皆でワイワイしている時のように思えてきて。“東京にいるけど目をつぶったら北海道にいるみたいだ”って。でも目を開けたら間違いなく東京にいて、さらに絶対に戻ることの出来ない子供の頃を思い出したりして…そしたら余計に寂しくなってきて。それで今なら書けそうだなって仕上げました。
──「心模様」の“誰にも言わないで”というフレーズは誰かにお願いをしている、それとも誰にも言わないで“いる”、どちらの意味にも取れますが。
酒井:スゴク親しい人でないと、落ち込んでるところは見られたくなかったりしませんか?だから誰に言ってる訳でも無く“私はこういう気持ちでいるけど、それは誰にも見られたくないな”っていう想いが言葉に出てきた感じですね。ちょっと恥ずかしいから、今の自分を見ないでっていう(笑)。
──「心模様」はチュールさん初のピアノの弾き語りですね。
酒井:ピアノの弾き語りは、いつかやってみたいなって思っていました。「心模様」はアコギを入れてもいいかなと思っていたんですけど、アレンジを作っている時に、ピアノの音をこんな風にしたい、あんな風にしたいと考えているうちに、ピアノだけというのも寂しい雰囲気がこの曲に合うなと思って。それで謙太に“ピアノの弾き語りでやってみたいんだけど、どう?”って相談して“いいと思うよ”と言ってくれたんで。
重松:この曲はピアノと歌だけで絶対伝わると思いましたね。実際、完成した曲を聴いて本当に良いなって思いました。僕自身とても好きな曲です。
──東京で生活するようになって、楽曲作りに変化はありましたか?
酒井:北海道にいた時は、当時いたドラマーと3人でスタジオで合わせて、楽曲の雰囲気からメロディーが湧き出てきたりしましたね。東京に来てからはスタジオのセッションで曲作りをしていないせいなのか、徐々に3ピースのバンドサウンドから、プラスやピアノなど他の楽器が入っていてもいいかなっていうような感じになったかな?
重松:幅を決めないカタチで作ろうかなって。
酒井:そう!北海道にいた時は絶対バンド、もうギター、ベース、ドラム以外入れないって何か変に決まりを作っていて。そうじゃないとバンドらしくならないと思っていたんですけど、今はメロディと歌詞がもちろん一番大事で、それに合う音だったら色々な楽器が入ってもチュールらしくなるんじゃないかって。良い意味で考え方が広くなりましたね。
重松:昔は結構決まり事が多かったり、ベースとドラムとギターでしか出来ないと思っていたんです。でも東京に来て、作曲だったり、ギター、歌、ピアノを入れたりする作業をパソコンを使ってやるようになって。自分たちだけでも曲作りが出来る環境になったので、それからは良い意味で考え方が柔らかくなりましたね。
──楽曲制作にパソコンを使い始めたのは、東京に来てからですか?
重松:ドラマーがいない分、自分たちで打ち込みをしたり、デモを作るようになったので。北海道では3人でスタジオで合わせてセッションみたいな感じで作っていたんです。だからパソコンを使うようになって、曲の感じが大分変わったと思いますね。
──「心模様」でピアノの弾き語りが良いと思えるようになったのも、東京に出て来て生まれた“幅”ですか?
重松:その幅もありますね。
酒井:絶対そうですね(笑)。北海道にいる時は、ピアノで作るなんて考えられない感じでしたから。ピアノは音の響きもキレイで素直に出るから、何でもキレイに聴こえちゃうんですよ。それがもったいないんじゃないかなっていう、バンドでやっても十分キレイに聴こえる歌を作りたいって思っていたんでしょうね。ピアノの弾き語りの良さもあるっていうことは東京に来てから思ったことです。
──最後に、今年2月のデビューから「やさしさを考えてみる」も含めてシングルを3枚リリース、12月にはアルバムも控えていて物凄く多忙な1年だったと思いますけど、今年を振り返ってみて、いかがでしたか?
酒井:スゴイ楽しいですね。何が一番楽しいって、レコーディングもライブも、とにかく音を鳴らしている瞬間っていうのが物凄く好きで。でもその後は、家に帰ると死んだように力が抜けちゃうんですけど(笑)。そういうことも含めてスゴク楽しかったですね。
最初の1年だから覚えなければいけないこととも沢山あって、これ覚えた、あそこ覚えた、次の曲であれやってみたい!っていうのも楽しいし。
アルバムのレコーディングも毎日入っていたんですけど、なんかもうスッゴイ贅沢な遊びをしているみたいで(笑)。歌入れのオケも、カラオケBOXとは全然違って、スゴク立派じゃないですか。チュールの曲でこんな立派なオケで歌えるなんて私だけなんだと思ったらスッゴイ得だとか(笑)。
重松:この1年はとても充実していましたね。デビュー前、東京に来てからずっとかもしれないですけど。色々な新しいことと出会えたり、自分の知らないことに触れてみたり、毎日勉強になって。これからもドンドンそういう機会が増えていくと楽しいですね。
酒井:初のワンマンライヴツアーも決まりましたし、今度はライブを思う存分楽しもうと思います。
■チュール 初のワンマンライヴツアーが決定!!
チュール ライヴハウスツアー2011
Nice チュール meet You ♪
【公演日程】
2011年2月5日(土) 大阪・梅田Shangri-La OPEN 16:30 / START 17:00
<お問い合わせ>キョードーインフォメーション 06-7732-8888
2011年2月13日(日) 北海道・札幌cubegarden OPEN 16:30 / START 17:00
<お問い合わせ>ウエス 011-614-9999
2011年2月19日(土) 東京・shibuya WWW OPEN 17:30 / START 18:00
<お問い合わせ>ディスクガレージ 03-5436-9600
【TICKET】
オールスタンディング ¥3,000-(税込)
5歳以上要チケット / 別途ドリンク代 ¥500-必要
<一般発売日>
2010年12月25日(土)
オフィシャルサイトにてチケット先行販売
11/3(水・祝)〜11/21(日)期間限定で受付
⇒詳細はコチラ