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──「Mr.ハングリーマン」の“ロマン中(ろまんなか)”というのも丈弥語?
上中:これは、ロマンのド真ん中という意味。ほんとは“ロマンの中”と歌おうとしたら音数が足りなかったんで“の”を抜いてしまっただけなんですけど(笑)。僕は、この歌、大好きなんですよね。完全に僕自身に向かって歌ってます。大人になると、ハングリー精神がなくなってくるじゃないですか。ここまで出来たらまずますでしょ、みたいな。それに対して、いやいや、どこまでも、とことん、欲深くいきましょうって言う歌です。俺は一生、ロマンのド真ん中でプカプカしてたい。“あいつは、いつまでたっても大人になれへん。一生夢見とるような男やな”と思っていただいて大いに結構。君らの知らん所でちゃんと大人になってますぅ〜みたいな(笑)。
──今回は、アルバム・タイトル曲の「未来の地図」だけが唯一のラヴソングですね。イナ戦流の結婚ソング、求婚ソングという事ですが。
上中:結婚、したいですねぇ。これは、僕の婚活ソングなんですよ(笑)。でも、こういう歌は、色んな愛を知り、出会いがあり、別れを知って書けるものですね。別れがあって、落ちついて冷静に考えると、愛ってデカイなとか、愛って深いなとか。今回、こんなムキ出しの曲が書けたので、それを1曲目に持って来たんですけど。
──♪とどのつまりは 愛を知ったんだ〜というフレーズ。“とどのつまり”という言葉が、すっごくイイですよね。
上中:♪とどのつまりは〜の所は、この曲のキメのセリフなんで、気にして貰えて良かったです(笑)。何だかんだ、もっともらしい事言うても、とどのつまりは愛してる、それだけでしょう。例えば、彼女の髪の香りをええ香りやと感じる。でも、君の髪の香りがどうのこうのとは僕は歌えへん。君の髪がええ匂いしてる。そう感じる事が、とどのつまり、愛なんですよ。
──2曲目からは、まさに原点回帰と言える、イナ戦ワールド全開となりますね。まずは、「生命パワー」ですが。
上中:この詞は、もう書いた通りです。このアルバム全体に通じるテーマでもあるんですけど、生きてるというこのパワー。凄い事だと思うんですよ。生きてるって、それだけで、もの凄いエネルギーなんだから、それがあったら何でもできるやろって。
──そういうメッセージを放ちながら、語呂合せとか遊び心の入った歌詞ですよね。
上中:言葉では、かなり遊んでますね。それも、イナ戦らしさと言う事で(笑)。
──続く「ジョニー!!」ですが、ジョニーというのは、誰ですか?
上中:大阪に“チキチキジョニー”という女性のお笑いコンビがおるんですけど、僕が大阪でやってるレギュラー番組の前説をやってくれてるんですよ。テレビの画面に映る事はないんですけど、いつも一生懸命やってる姿を見て、よし、俺、お前らに1曲書くわって。これなんかも、正に原点回帰ですよね。目の前のお前に歌うわって言う。
──「バライロック」は、バラ色ロック?
上中:そうそう。要するに、人生は笑って締めくくろうぜって事ですね。
──♪歩いて帰ってやるぜ〜というフレーズがイイですね。終電を逃したからって、どうしようって、うろたえる必要はない。歩いて帰ったらいいじゃんって。ものごと何でも捉え方一つですよね。
上中:そうそう。昔、むっちゃ好きな子から“寝られへん”というメールが来た時に、“寝られへん時は、起きてたらええのや。その時間、お前のもんやぞ”みたいなカッコええメールを送った事があったんですよ。その恋がうまくいったんは、多分、そのメールのお陰やと思うんですけどね・・・。
山田:何の話をしとんねん!?(笑)
上中:いやいや、そやからね、そんな事をナチュラルに言えてた自分というのを思い出して、書いたフレーズだって事なんですよ(笑)。終電逃したら、歩いて帰ったらええやないかい。歩いてるうちに、何かひらめいたりするかもしれんし、思いがけない出会いがあるかもしれんし。
──「手を打ち鳴らせ!!」は、♪意地と誇りだけは見失うな〜という表現がとてもイイな、と。“君を信じて”と言う時に、“誇り”だけじゃなくて“意地”も大事なんだ、と。
上中:これはもう完全に自分に対して言ってますね。ロックバンドは、意地と誇りで成り立ってるんです(笑)。
──「プライド」の“青いプライド”というのは、何でしょう?
上中:バンドを始めたばかりの青かった頃の俺らが持ってたモノ。「手を打ち鳴らせ!!」の“意地と誇り”と同じですよね。あの頃の意地と誇り。それを思い出そうぜ。きっと、それが、今の君を助けてくれるはずだ、と。
──♪追えば逃げてく 輝きながら だからこそ素晴らしいもんだと〜という一行は、名文ですねぇ。
上中:これは是非、わかってほしい。
──“必ず届くよ”と言いがちですよね、歌詞では。でも、夢というのは、そんな簡単に手が届くものじゃないし、手にしたと思っても、また次の段階に進むものだし。
上中:そうそう、そんな簡単に実現しないし、そして、永遠に続くんですよね。
──「それでも友よ」は、一見、冷たく突き放す感じですが、♪重たい足と 迷う心さ それでも友よ 歩き続けよう〜という一文に惹かれました。
上中:お前がシンドイのは、よくわかる。よーくわかるけども、それでも、やるしかないでしょっ、それでも行くしかないぜって。無責任に“大丈夫”とか言われへん。
──「勇気の花」の、♪誰もが大人になって行く 息をするように〜という一節も印象深いのですが。
上中:毎日、当たり前の事が起こって、みんな、当たり前に溺れていく。当たり前の事やねんから、何でもそんなに深く考え込む事ないよって事です。1日経ったら、忘れてしまえよ、みたいな。
──「月の道しるべ」も、生きているというテーマですね。
上中:僕らは、知らない間に何かを見失ってる。だけど、ある瞬間に感じた事が、何かの拍子に、そのまんま蘇る事ってあるでしょう。ここでは、それを月で表してますけど。
──ラヴソングとしても捉えられますね。僕が守るとか、僕が支えるとかではなく、♪転がる時は二人で転がっていこう〜と言うのがイイですね。ある意味、究極のプロポーズでもありますね。
上中:ほんまやね。俺、めっちゃいい事言ってるやん(笑)。
──「ダイヤモンド」は、人生訓のような・・・。
上中:これは、上中丈弥の格言シリーズなんですよ。各Bメロに、僕の格言が入ってるんです。♪人生の失敗は 失敗を恐れて 挑戦しないことさ〜とか、♪時にはバカになってしまえ 心の羅針盤にならえ 生きるってなぁ そう言う事だろ〜とか。ええ事言ってますねぇ、ほんまに(笑)。「Mr.ハングリーマン」にも通じるんですけど、時には心のまんま、バカになってみてもええんやないの?って。
──「旅立ち」は、まさに今のイナズマ戦隊の歌?
上中:これは、超原点回帰ですね。イナズマ戦隊が最初の頃に作っていたような曲ですね。あの頃考えてた事なんて、あいつの事、めっちゃ好きやって、そんな事くらいで。歌だって、君に届けばいい。それだけで良かった。そういう所から始まっているので。もう一度、そこに戻って、新たに旅立とうと言う、今の僕ら自身の歌でもありますね。
──「擦り傷」は、カーリングの“チーム青森”が起用された「みちのく銀行」のCMソングだったんですよね?(注:TVCMは2009年9月から東北エリアでOAされていた。)
上中:そうです。もう、そのまんまのメッセージです。
──♪擦り傷 心に 染みるような そんな日々を生きてやろう〜というのがイイですね。
上中:擦り傷もできないような生き方をするよりも、“おっちゃんのこの傷な、昔・・・”と武勇伝の1つも語れる方がええやないですか。信じた道を進もうって事ですね。コケたら、また立ち上がったらええ。それだけの事ですよね。
──人との対峙を避けて生きれば、心が傷つく事もないでしょうけど、それだと、心筋(こころきん)は鍛えられないですものね。
上中:ほんまに、そうやね。そう思います。
──いよいよリリースですが、『未来の地図』を通して、世の中に何を投げかけたいですか?
上中:イナズマ戦隊の曲で、世の中が動くという事はまずないと思うんですけどね(笑)。不況やから、なんか世の中、暗いムードやけど、暗い事ばっかり考えても、ええ事にはならんと思うんで、イナズマ戦隊が世の中に何らかの影響を与えるとしたら、“よっしゃ、俺も頑張ったろかいな”くらいの事やと思うんです。“平和になれ〜”とかは全くわからへん。大きすぎて、ほんまにわからへん。生きてるだけで幸せやん。それだけで充分幸せなんやと言いたい。
久保:聴いてくれる人が、このアルバムで何か見つけて、“もうちょっと頑張ってみるわ”とか“なんか力湧いてきた”とか思ってくれたらいいですね。
中田:それぞれ、自分に合う1曲を見つけて貰って、頑張る道のパワーに変えて貰えたらいいなと思います。
山田:そして、ロックバンドってええなって思ってほしいですね。これ聴いて、ロックバンドってかっこええなって思ってほしいです。できれば、ライヴも来てほしいです。
上中:10月から全国ツアーが始まります。もう、ドッカーンですよ。ドッカン・ツアーです。絶対、楽しませる自信があるんで、是非是非みなさん来てください。ロックバンドって、かっこええんですよ〜。
■ライブ情報
THE イナズマ戦隊2010 「未来の地図」ツアー
●10/24(日)マリンメッセ福岡サブアリーナ
●10/30(土)大分西大分T.O.P.S Bitts HALL
●10/31(日)長崎DRUM Be-7
●11/03(水・祝)神戸WYNTERLAND
●11/06(土)鹿児島SR ホール
●11/07(日)熊本DRUM Be-9 V1
●11/20(土)高知キャラバンサライ
●11/21(日)高松DIME
●11/23(火・祝)京都MUSE
●11/26(金)青森Quarter
●11/28(日)仙台MACANA
●12/04(土)吉祥寺CLUB SEATA
●12/05(日)名古屋ell. FITSALL
●12/11(土)大阪AKASO
●12/12(日)岡山MO:GLA
●12/14(火)広島BACK BEAT
●12/17(金)福岡DRUM Be-1
●12/18(土)福岡DRUM Be-1
●12/23(木・祝)札幌cube garden