うたまっぷ <<前へ
平原綾香数百年前のメロディーから作者のメッセージを汲み取り、 そこに、現代に生きる平原綾香の想いを重ね、 同時代を生きる日本人に力強いメッセージを放つ。my Classics シリーズ第2弾『my Classics 2』リリース!
1 │ 2 │
NEW
『my Classics 2』
『my Classics 2』

amazonから購入

アルバム
発売:2010.06.09
ドリーミュージック・
MUCD-1230
\3,045(税込)
収 録 曲
コメントもどんどん投稿しちゃおう!
01.セレナーデ(アカペラ) 試聴
02.Sleepers,Wake! 試聴
03.威風堂々 PV視聴
04.my love 試聴
05.JOYFUL,JOYFUL
06.adagio
07.ソルヴェイグの歌 試聴
08.アランフェス協奏曲〜Spain
09.CARMEN 〜Je t'aime!〜 試聴
10.mama's lullaby 試聴
11.Ave Maria!〜シューベルト〜
12.ケロパック
13.Sailing my life with 藤澤ノリマサ
14.Love Never Dies/アンドリュー・ロイド・ウェバー feat. 平原綾香
 
『my Classics!』
『my Classics!』

amazonから購入

アルバム
発売:2009.09.02
ドリーミュージック・
MUCD-1216
\3,045(税込)
収 録 曲
コメントもどんどん投稿しちゃおう!
01.pavane〜亡き王女のためのパヴァーヌ
02.ミオ・アモーレ
03.カンパニュラの恋
04.ロミオとジュリエット
05.シェヘラザード
06.Moldau
07.仮面舞踏会
08.AVE MARIA
09.新世界
10.シチリアーナ
11.ノクターン
12.Jupiter
Official Web Site
「JOYFUL,JOYFUL」は、私のデビューのキッカケを作ってくれた曲。高校時代に一緒にミュージカルを演じた仲間がコーラスで参加してくれました!

──一転して、「JOYFUL,JOYFUL」は、非常に躍動的なゴスペル・ナンバーですね。原曲は、ベートーベンの「交響曲第9番<合唱>」ですが、やはり、映画“天使にラブソングを2”の印象が強いですよね。
平原綾香「JOYFUL,JOYFUL」は、私のデビューのキッカケを作ってくれた曲なんです。高校時代に、文化祭で“天使にラブソングを2”のリタ役をやったんですね。映画では、ローリン・ヒルが演じていた役です。私は、音楽高校でサックスを専攻していたのですが、歌う事に強く惹かれるようになったのも、この時からなんです。そして、そのミュージカルのビデオがデビューのキッカケとなりました。実は、姉のaikaも高校時代に“天使にラブソングを2”のリタ役をやっているんです。私は小さい頃はすごく内気で、人前で歌うなんて絶対にできないような子どもだったんですけど、中学生の時に、ステージで「JOYFUL,JOYFUL」を歌う姉を観て憧れて、自分もやってみたいという気持ちになったんですね。そういう意味でも、「JOYFUL,JOYFUL」は、私の歌の原点なんです。
──今回、改めて歌ってみて、いかがでしたか?
いつか必ずカヴァーしたいと思い続けて来たんですけど、今回は、高校時代に一緒にステージに立った友達にコーラスで参加して貰ったんですよ。私に歌う楽しさを教えてくれた曲だし、友達との楽しい思い出が詰まった曲でもあるし、それを、7〜8年ぶりに、またみんなで歌えたというのは、本当に幸せです。高校時代は、ラップ担当の子がいたんですけど、今回は、私がラップにも初挑戦しました。最初は心配だったんですけど、やっぱり、歌の魔法ですね。曲の力でうまく歌う事ができました。

私も悩む事はあるし、作者の苦悩に共感しながら書いたバラードが「adagio」。「ソルヴェイグの歌」では、待ち続ける事、一途に想い続ける事に感動しました。

──「adagio」は、ラフマニノフの「交響曲第2番 第3楽章」に当たる部分ですね。リズム楽器なしの、ピアノを中心とした美しいバラード・ナンバーとなりましたが。
「adagio」は、歌詞がなかなか書けなくて、苦労した曲です。色んな想いがメロディーの中に入っていて、どう捉えたら良いかわからなくて。ラフマニノフの生涯と言うのは、絶望の中から這い上がって、そこから光に向かって曲を作って、それでも、なかなか乗り越えられないという人生で、その中でも、一番幸せだった時期に作ったのが「交響曲第3番」なんですね。でも、私がカヴァーした第3楽章「adagio」以外の部分には、すごく暗い、怖いイメージの曲もたくさんあって、苦しみから抜け出すまでのストーリーを感じたんですね。やっぱり、私も悩む事もあるし、そこに共感しながら歌詞を書いていきました。

──「ソルヴェイグの歌」は、グリーグの「ペール・ギュント組曲」の中の1曲ですね。元々は、イプセンの戯曲の劇中音楽として書かれたものですが。
ペール・ギュントという主人公は、すごく奔放な男性で、放浪の旅を続けながら、行く先々で女性と関係を持って、大金持ちになったり、破産したり。ソルヴェイグは、そんなペール・ギュントをいつまでも待ち続けた健気な女性。待ち続ける事、一途に想い続ける事って、すごく素敵だなって、この曲を聴いて改めて思いました。だから、そのソルヴェイグの想いを汲み取って歌詞を書きました。
──女性の強さと弱さの二面性が感じられるメロディー展開ですよね。
そうですね。待ち続ける強い想いと同時に、待っている切なさも感じて、そんな想いも歌詞に託しています。

チック・コリアの「スペイン」をベースと声だけでカヴァー!「カルメン」では、カルメンになり切って情熱的な歌詞を書きました。

──「アランフェス協奏曲〜Spain」は、チック・コリアのジャズ・ナンバーですが、今回、この曲を選曲されたのは?
元々、ファンクラブ・イベントやファミリー・コンサートで演奏していた曲なんですけど、チック・コリアの「スペイン」は、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」のフレーズも取り入れた曲なので、クラシック曲でもあるなと思って。音楽大学でジャズ科専攻だった私としては、以前から、カヴァーしたいと思い続けて来た1曲です。
──ボイス・パーカッションを取り入れた斬新なアレンジですが。
この曲は、ベースと声だけで表現しているんです。難しかったですけど、とっても面白かったですね。初めて、ボイス・パーカッションにも挑戦して、手探りの状態でやってみたんですけど、とってもスリリングで楽しかったです。

──「CARMEN 〜Je t'aime!〜」もまた情熱的ですね。
これは「CARMEN 〜Je t'aime!〜」だったから書けた詞ですね。好きなんて言えない、それでも言えと言うなら、私を殺せばいいわよと言い放ってしまう。カルメンというのは、とても潔い女性で、自由を求めて死んでいったんだと思うんですよね。女性の“好きと嫌い”は、男性のそれとは随分違う気がします。精神的には、女性の方がすっごく強い。
──♪私を嫌いなあなたが好き 私を好きなあなたは嫌い〜というフレーズが印象的ですね。
カルメンの生き方そのものに共感して、カルメンになり切って書く事で、自分の新しい一面と言うか、新しい引き出しが開いたという感じです。この曲は日本語では「恋は野の鳥」と訳されていますが、まさにそうだなって。すごく気まぐれで、追いかけられると逃げたくなるけど、逃げられると追いかけたくなる。恋って確かにそうですよね。

シューベルトの「Ave Maria」は、すっごくブルージー!「トレパック」をカヴァーした「ケロパック」は“ケロロ軍曹”映画主題歌!

──「Ave Maria!〜シューベルト〜」は、ブルースっぽい仕上がりですね。
本当に隙がないメロディーなんですよ。すっごくブルージーなんです。シューベルトが書いたものとほとんど同じコードでカヴァーしているんですけど、現代のコード展開の基盤とも言えるものが、1つの作品として成り立っている。その素晴らしさを改めて感じました。

──「ケロパック」は、チャイコスキーの「くるみ割り人形」の中の1曲「トレパック」のカヴァーですね。
“ケロロ軍曹”の映画主題歌のお話を頂いた時、すぐに思いついたのが、小さい頃から大好きだった、この「トレパック」だったんです。私はずっとクラシック・バレエを習っていたんですけど、最後のステージで踊ったのもこの曲だったんですよ。“ケロロ軍曹”も大好きだったので、アニメのストーリーとテンポ感に合う歌詞というのを心がけました。小さい頃から親しんできたあのメロディーを、こんな風に楽しい歌にできたというのは、すっごく幸せですね。

「Saling my life」は、藤原ノリマサと2人でリレー形式で作詞。オペラ座の怪人2「Love Never Dies」では、初めてオペラ風の歌唱に挑戦。

──「Saling my life」は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「悲愴」の第2楽章がモチーフ。藤原ノリマサさんとのデュエットですが。
映画“オーシャンズ”のテーマソングとして作ったのですが、自分が歌うパートは本人が詞を書くというルールにして、私が最初の2行をケータイ・メールでマサノリくんに送って、交換日記のようにリレー形式で歌詞を書いていきました。
──とても心強いメッセージですね。
2人で映画を観て、大自然を前に背伸びする事なく等身大でいこうと決めたんです。海はずっと続いているんだけど、心に余裕がない時は、そんな当たり前の事も感じられなかったりする。だから、改めて、そういう当たり前の事を言って貰うとすごく安心できますよね。そして、その先を想像してみる。水平線の向こうを知りたいと思う。今は、何でもパソコンで調べられるし、文字の予測変換までしてくれるから、想像する機会というのがすごく減っていますが想像するというのは、すっごく大切な事だと思います。

──ボーナス・トラックとして、ラストに「Love Never Dies」(“オペラ座の怪人2”日本語ヴァージョン)が収録されていますが、ヴォーカルのパワーと表現力に圧倒されました。ご自身では、自分の歌の成長についてどのように感じていますか?
平原綾香私は、高校・大学と音楽を勉強して来ましたけど、サックス専攻だったので、歌に関しては、自分に何ができて、何ができないのかもわからないままデビューしてしまって、手探りで勉強して来たという感じなんです。ヴォーカル・レッスンを受けた事もなくて、私の歌の先生は、CDなんです。CDを聴いて真似をする。それが私の勉強方法なんです。クラシックを歌う事で、勉強になった事は本当にたくさんあって、ちゃんと歌を学んで来なかった分、学びたいという想いが強くなっているのだと思います。「Love Never Dies」は、“オペラ座の怪人2”の日本語ヴァージョンとしてお話をいただいて、イギリスでワールド・プレミアも観させていただいたんですけど、本当に素晴らしい作品で、早く日本でも観たいと思うし、この曲を歌えたことは、本当に光栄だと思います。こうしたオペラ風の楽曲を歌うのは初めてで、とにかく自分らしく歌うしかないなと腹を括って歌った曲です。

クラシックをカヴァーする事によって、色んな経験値を広げて貰っている気がします。私にとって、クラシックが人生のバイブルになりつつあります。

──かけ足で、それぞれのカヴァー曲について伺って来ましたが、今回取り上げられた楽曲は、作者が20代で書いた曲も少なくないんですよね。そういう意味では、同世代のコラボレーションとも言えますね。
本当にそうなんですよね。「悲愴」はベートーヴェンが28歳の時に書いた曲ですし、『my Classic!』でカヴァーした「亡き王女のためのパヴァーヌ」などは、ラベルが24歳の時に書いた曲で、25歳だった私が歌詞を書いて、アレンジのejiさんは26歳だった。本当に同世代のコラレーションだったんですよね。クラシック曲も、作者の年齢を思い起こしてみると、もっともっと身近なものになると思います。
──最後に、改めて、『my Classics 2』を振り返ってみて、いかがですか?
曲を聴くだけで想いが伝わって来る、クラシックの素晴らしさというのを改めて感じましたし、それをキャッチするまでの道のりはとっても苦しいんですけども、キャッチできた時の喜びは一塩で、クラシックをカヴァーする事によって、色んな経験値を広げて貰っている気がします。今まで経験した事のない気持ちも教えてくれる。クラシックは、私にとって、人生のバイブルになりつつあります。これからも、歌い続けていきたいと思います。

BACK
June 9, 2010
(C) 2001-2010 utamap.com All Rights Reserved.