──言葉、歌詞に関する考え方は、音楽を志し自分の歌を作りたいと思った時から変わらないですか?
そうですね。そういうやり方でずっとやって来ているし、これからも、それは変わらないと思いますね。ただ、自分の価値観みたいなものは良い意味で変わってきていると感じています。自分の感覚の中で、時間と共に変わってきている部分と、常に変わらない普遍的な部分とがあって、それぞれを時間の経過と共に感じると、自分が歌詞を書く時に、今何が見えているのか、何を言おうとしているのかが、ハッキリしてくる。それはすごく良い事だと思うんです、自分にとって。
──確かに、変化を感じる事で、より普遍的なものが見えて来たり、自分の核となる部分がより強固なものになる、と言う事はありますね。
本当にそうですね。やっぱり、昔から本当に変わらない部分があって、同時に変わってきている部分もあって、歌詞を書く度にそれがすごくよくわかるんですよね。詞を書く度にそういう発見があるので面白いですよ。日々の暮らしの中では、そんな風に自分とトコトン向き合う事ってないですからね。しんどい部分もあるんだけど、それが面白さでもあるんですよね、歌詞を書く事の。
──ここは変わっていないと、強く自覚している部分とは?
前に進んで行く上でどうあるべきか・・・前に進んで行く上での攻撃性って言うんですかね、そういう部分は全く変わっていないですね、音楽を作り始めた時から。
──攻撃性?
直線的な物の考え方と言い換えてもいいかもしれないけど。例えば、目の前に壁があったとして、避けて上手くやっていくという考えは最初からなくて。もう、これは昔からなくて、今もそこは笑っちゃうくらい変わってなくて。まっすぐ進むべき、壁は壊して行くべき、壊して行く力を自分が持っているべき、と思ってる。
──避けないということ?
そうですね。逃げたくないと言うか。回避するというのが嫌いですね。回避すると言うのは角度を変えるという事だから、違う方向に行っちゃう気がするんですよね。そこが自分の不器用なところかもしれないですけど、常に直線的なので、角度を変えると戻って来れなくなっちゃうんじゃないかって。だから、進む角度を変えたくないんですよね。
──角度って、たった1°のズレでも、ものすごく先に行ったら、とんでもなく違う所に行ってしまいますものね。
そうなんですよ。起用な人だったら、クネクネ弧を描きながらやっていけるのかもしれないけど、僕はそれができない。生きていれば障害物というのはあるから、時に精神的に弱い時なんかは逃げたいなと思う事もついあるんですけど、逃げると癖になるという意識もあって、なるべく逃げないようにしようって。苦しい時は苦しいまま、それでも直線的に生きようって思っちゃいますね。
──それで停滞する事もありますか?
ありますよ。でも、止まりたい時は止まればいいじゃないかという考え方なんですよね。一時停滞する事になるかもしれないけど、迂回はしたくない。ここで時間がかかっても、苦しんでもいいから、いつか進める時がそのうち来るだろうって。
──戻る、と言うのもアリですか?
戻る?うーん、戻るっていう考えは全くないですね。止まる事はあっても、気持ちの上では、やっぱり前に進んでいきたい。だから、後ろに下がるというのは絶対にないですね。
──そういうご自身の核となる部分があって、一方で変化を感じてきている部分とは?
やっぱり若い時は、破滅的な部分が過剰だったような気がしますね。壊す必要のない物まで壊したりとか。今は、攻撃してなんぼって事じゃなくて、壁に当たった時、壊すだけじゃなくて、押せばズレるかもしれないとか、ちょっと待ったら行けるようになるかもしれないとか、その辺が少し柔軟になっている気はするんですけど。
──それは、やっぱり、若さ故だったんでしょうか?いわゆる、若気の至り?
そうですね。昔が極端過ぎたんですよね。少し、足元が見れるようになってきた気がします。
──キリトさんの歌世界について、とても深い所までお話をお聞きしてきたのですが、いよいよ「光の記憶」がリリースとなり、アニメ主題歌という事で、これまでAngeloと接点がなかった方にも聴かれる事が多くなるかと思うのですが、そういうリスナー層の変化という事は意識されます?
今までのファンと新たに聴いてくれる方を区別して考えたりはしないですよ。一人でも多くの方に聴いていただければと思いますけど。
──ミュージッククリップも多くの方が目にすると思うのですが、映像はどんなイメージで?
雪と光・・・そういうイメージが僕の中にあって、監督さんと色々話しながら作っていきました。
──うっすらと積もった雪景色がとても印象的ですが、あの雪は?
本物の雪ですよ。雪が降っている所でロケをしました。12月くらいでしたね、軽井沢です。
──リリースの直前から、全国ツアーもスタートとなりましたが。
やっぱり、ライヴで育ってきたバンドだし、ライヴこそが僕らの本来の居場所という感覚なんですよね。だから、長い創作期間を経た後は、ツアーが始まるとホッとします。帰ってきたぞ〜という気持ちになりますね。まだまだツアーは続くので、ますます楽しみです。
Angelo Tour 2010“SEARCH THE LIGHTWAVE”
■1/30(土) 浦安市文化会館
■2/06(土) NHK大阪ホール
■2/14(日) 八王子市民会館
■2/20(土) 川越市市民会館
■2/26(金) 中京大学文化市民会館 プルニエホール
■3/05(金) 渋谷C.C.Lemonホール
■3/06(土) 渋谷C.C.Lemonホール
Angelo 2010 NEW SINGLE RELEASE PARTY“UNTIED RADIAL LIGHT”
■4/11(日) 日比谷野外大音楽堂
詳細は公式サイトまで。
http://angeloweb.jp/
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