──シンガーソングライターを志して、初めてオリジナル曲を作ったのが小学校5年生の時との事ですが、そんな小さい頃に歌を作ってみようと思ったのは、どんなキッカケが?
うちは、両親は元々バンドをやっていて、結婚して私が生まれてからも、バンド活動を続けていたんです。生まれた頃から、バンドの練習について行ったりしてたけど、はじめは歌手になりたいとは全く思っていなかったです。でも、自然と歌を歌いたいと思うようになっていました。ハッキリと歌手になりたいと意識したのは小学校4年生の時で、その頃からヴォーカル・レッスンを始めました。作詞・作曲を始めたのは5年生の時だったんですけど、コンテストに出場した事がキッカケとなりました。出場者のほとんどが大学生で、もちろん小学生なんて私一人だけだったんですけど、その時に、皆さんがオリジナル曲で出場していて、それで私も自分の曲を作りたいって思うようになったんです。
──その翌年も、同じコンテストに出て、グランプリを受賞されていますね。その時はオリジナル曲で?
ピアノの弾き語りで、オリジナル曲を歌いました。好きな男の子への想いを、自分なりの言葉で書いた歌だったんですけど(笑)。
──ええっ、小6でラヴソング?
今振り返れば、幼い想いなんですけど、その時は真剣だったんですよね(笑)。私は、自分から告白したりできないタイプで、今思うと、口にできない想いを歌に託したんだと思います。いつも仲の良い友達のふりをしてたけど、ホントは好きだったって。「忘れないでね」というタイトルだったんですけど、もうすく小学校卒業という時期だったので、その気持ちを書きました。結局、最後まで、その子には想いは伝えないままでしたけど(笑)。
──歌詞を書く時は手書きですか?
ノートにシャーペンで書きます。歌詞を書き始めたのが小学校5年生だったので、未だにその時のままで、シャーペンなんです。一度、ボールペンで試してみた事があったんですけど、全然ダメで。シャーペンじゃないと書けないんです(笑)。
──小学校5年生からと言うと、ノートもかなりの数に?
“作詞ノート”というのを小学校の頃から作っていて、今、20冊目になりました。
──歌詞は、一行目から書いていきますか?
作詞を始めたばかりの頃は、きちんと一行目から“詩”の形式で書いていたのですが、最近は、気持ちを日記みたいに書いたり、誰かへ宛てた手紙のように書いたり、思いついたフレーズだけを書く時もあるし、色々ですね。
──うたまっぷには投稿歌詞コーナーもあるのですが…。
私、小学生の頃から“うたまっぷ”を見ていました。投稿歌詞コーナーがあるのも、よく知ってますよ(笑)。
──もしかして、初音さんも投稿経験が?
いえいえ、投稿まではした事はなかったですけど、投稿歌詞はたまに覗いてました(笑)。
──今も毎日たくさんの方が歌詞を投稿されているのですが、初音さんが詞を発想する時は、どんな風に?
書こうと思う時は、何かを感じた時なんですけど、それは、楽しい事、うれしい事の時よりも、辛い事、苦しい事の時の方が多いですね。
──昨年の春に高校を卒業して上京。初めての一人暮らしはいかがですか?
実家では、自分の部屋を持った事がなかったので、一人でテレビを観るという事も少なかったし、初めて自分一人の空間で過ごすようになって、考え事をする時間も増えたし、そういう変化が曲作りに反映されてきているように思います。
──自分一人のお城ができたという感じ?
そうですね。一人暮らしを満喫しています。炊事、洗濯も自分でやってます、ぼちぼちな感じで(笑)。
──特に戸惑う事もなく?
大阪も人が多いですけど、やっぱり、初めて上京した時は、あまりの人の多さにビックリしましたね。それから、満員電車!もう大阪とは比較にならないスシ詰めで、あれにはビックリしました(笑)。それとやっぱり、東京では、みんなホームに並んで電車に乗るので、それが一番驚きました(笑)。大阪の人は、ほんとに並ばないんです。電車が着いて、ドアが開いたら、あらゆる方向から勝手にドカドカ入るんですよ。私も大阪時代は、隙があったらフツウに乗りこむものだと思ってましたけど(笑)。だから、上京当初は、どうしていいのかわからなかったんですけど、とりあえず並んでみました(笑)。今はもう慣れましたけどね。
──東京での一人暮らしにも慣れて、充実した毎日を過ごされているようですね。
上京を機に、奥村初音から初音に、アーティスト・ネームを変えまして、心機一転、また新たな気持ちで頑張ろうという気持ちでいっぱいです。
──これから、どんな事を歌いたい、どんな事を言葉にしていきいたいですか?
デビューする前とデビューした後とでは書く内容がすごく変わってきているなと自分でも思うんです。デビューする前は、自分だけの歌と言うか、自分のための歌と言うか、本当に日記みたいな歌が多かったんですけど、デビューを経て、今は、ひとに聴いていただける場所にいるのだから、聴く人に伝わる歌というのをすごく意識するようになりました。わかり易い言葉選びとか、意識して心がけるようになりましたね。
頑張ってる人を応援したいという気持ちが強いので、これからも、自分自身への励みも含めて、そういう人の背中を後押しする歌をたくさん書いていきたいと思います。
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