──バンド結成から2年で、“Hジェネ祭り 07”のグランプリ。結成4年でCDデビュー。ものすごく早いスピードですけど、プロ・デビューというのを意識し始めたのはいつ頃から?
山口:僕は、ジョン・レノンのようになりたいとずっと思ってきたし、一生、音楽をやっていくって決めていました。
向尾:僕の場合は、音楽を聴くのが大好きだったから、その延長戦上で、自分でも演奏してみたいと思っただけで。プロ・デビューなんて全然考えてなかったです。でも、その気持ちが変わったのは、“Hジェネ祭り 07”でグランプリを取った時ですね。そこから、上昇志向になりました。
畑中:僕も、すっごく楽観的に考えていて、ずっと続けていれば、なんかチャンスはあるかなって。
上松:僕は、ずっと、他のバンドに負けたくないって、そればっかり考えてました。とにかく周りのバンド全部に勝ってやろうって。ずっと勝ち続けて行ったらトップになれる、そういう気持ちはずっとありました。だから、“Hジェネ祭り”の全国大会でグランプリをとった事で、すごく自信になりましたね。
──デビュー曲「Sometimes」は、映画“重力ピエロ”の主題歌でしたね。
山口:CDリリースができるなんて、もっともっと先と思っていたから、最初は全く実感がわかなかったです。しかも、僕らのような無名のバンドの曲が映画主題歌に起用してもらえるなんて、ホントに信じられなかったですね。
──デビューしたのを実感したのはどんな時?
上松:CDショップで、名だたるアーティストさんの作品と同列で僕達のCDが新譜コーナーにあるのを見た時ですね。うわっホントにデビューしたんだって。
山口:僕自身は写真は撮らなかったけど、オカンが撮りまくってました(笑)。
──学校の皆さんの反応は?
山口:普段の生活は何も変わってないですけど、友達だけでなく先生までが“S.R.Sの曲がコンビニで流れとったよ”とか言いに来てくれたり。みんな、応援してくれてて、もう、すっごくうれしいですね。
──デビューしてから、ご自身の中に何か変化を感じますか?
山口:ものすごく強欲になってきました。誰よりもいいメロディーを書きたい、いい詞を書きたい、いい歌を歌いたいっていう欲が日々強くなってるんですよね。誰にも負けたくないんです。いっぱいバンドがある中で、絶対に負けたくないって、ものすごく強く思うようになりました。
上松:山口がそうやって欲が強くなって行けば行くほど、僕も、こいつが持ってくる楽曲に対して負けたくない、もっといい返事をしたいって思うんです。それは、1年前、2年前とは全然違います。元々、めちゃくちゃ負けず嫌いなので、こいつが強くなったら、自分もそれ以上に強く返していく。この関係は永遠に続くと思います。
向尾:この夏休みに、山中湖で9日間の合宿があったんですけど、その中で、メンバーがどんどん上のレベルに行っているのがわかって。それで、すっごく焦りました。バンドとして成長して行くためには、全員のレベルが上がらないとダメで、とにかく、もっともっと努力しなくちゃって、本当に強く感じるようになりました。
畑中:S.R.Sというバンドの存在感が強く出せるリズム、そういう事をすっごく考えるようになりましたね。その曲に無理なく合っていて且つ、ちゃんとオリジナリティーがあるなっていうドラム・フレーズをどんどん考えたい。でも、現状では、まだまだ力不足なのはわかっているので、もっともっと力をつけていきたいです。
──1人が1歩リードすると、誰かがその先に行こうとする。抜かれるとまた追い抜こうとする。そうやって、どんどん前へ進んで行く。そんな感じですね。
山口:ほんとにその通りだと思います。そうやって、この4人で、僕達にしか出せないモノを作っていきたいし、その自信も生まれてきました。
──S.R.Sにしか出せないもの、S.R.Sのこだわりとは?
山口:4人だけで出せる音。打ち込みを入れたり、パワー・コードをギンギンに鳴らすようなサウンドじゃなくて、僕ら4人だけで演奏するギター・サウンド。そのスタイルで僕達の色を確立していきたい。曲のイントロを聴いただけで、”これ、S.R.Sっぽいね”と言ってもらえるような、すぐにS.R.Sだとわかる音作りを確立していきたいです。
──楽曲作りの面ではどうですか?
山口:どこか聴いた事がありそうで、でも新しくて、すーっと心に入ってくる曲。一度聴いたら耳から離れないような良いメロディー。ビートルズのように、いつまで経っても、いつ聴いても、この曲いいなって思えるような曲を書いていきたいです。
──歌のテーマやメッセージなど、歌詞という面ではどうですか?
山口:ロックンロールが大好きなので、やっぱり、“Love”と“Life”というテーマがいつも根底にありますね。自分が日頃感じる異性への気持ちだったり、友達との友情だったり、生活の中での出来事を、これからもずっとロックに歌い続けていきたいです。これまでは、世の中に対する疑問だったり怒りだったり、そういうテーマには触れて来なかったんですけど、今後は、自分なりのメッセージも発信していきたいし、そういう事もできるようになってきたんじゃないかと感じています。
──これからのS.R.Sは?
山口:1stアルバムのレコーディングが終了して、今、リリースに向けて準備中です。僕達の中では、1stアルバムのレコーディングが終わって、S.R.Sの第1章終了という感じなんです。今の僕達にできる事は全て出し尽くしたので、次に向けて、第2章の目次を書き始めなくちゃと思っています。僕達の歌を聴いてくれて元気が出たとか、頑張る気持ちになったとか、何かしらポジティブなパワーを与えられる歌を書き続けていきたいと思います。
まだ、デビューしたばかりの僕達ですが、S.R.Sという名前を早く覚えてもらえるように頑張りたいと思います。「ワンダーソング」ぜひ聴いてくださいね。
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