──前作「PERFECT FIT」に続き、今作もジョー・リノイエさんのプロデュースですが、ジョーさんとの出会いは、どんなキッカケだったのですか?
私は父とすごく仲が良くて、父とよく飲みに行くんですけど、3年ほど前に、父と出かけた店で、カラオケを歌ったんです。そしたら、私の歌を聴いてすごく気にってくださったお客さんがいて、ライヴにまで来てくだるようになったんですけど、その方が偶然にジョーさんのお知り合いで。そんなご縁で、ジョーさんをご紹介いただいて。そんな事ってあるんだなって、自分でもビックリなんですけど。07年に『DOCUMENT』というアルバムをインディーズからリリースしたのですが、その時に、ジョーさんにサウンド・プロデュースをお願いしたのが最初ですね。
──それ以前は、ハードロック路線でしたよね?
自分で作詞・作曲して、ギターを弾きながら歌うスタイルでした。ヘヴィーな音楽が好きで、そのスタイルを変えてしまったら、音楽をやる意味がない。そんな風に思っていたんですよね。でも、ジョーさんとのレコーディングを経験してから、大きく考えが変わりました。
──どんな風に?
以前は、自分のやりたい音楽はコレだ!というのがあって、そこから一歩も譲らなかった。でも、ジョーさんと出会って、色々お話しするうちに、音楽活動を続けるには、自分の狭い考えでは無理だという事に気づいて。自分だけがいいと思っていても、全然広がらない。聴いてくれる人があってこその音楽なんだって、素直に思えるようになったんですよね。それまでは、誰に助言されようと聞く耳持たずで、絶対に自分のスタイルは変えない!って言い張っていたんですけど(笑)。
──その変化は、どうして生じたんでしょうね。
年齢的な事もあったと思うんですけど、やはり、ジョーさんが音楽的にとても尊敬できる方だったからだと思います。
──それまでの制作方法とは全然違った?
ジョーさん自身もシンガーだから、その場で、実際に歌って違いを示してくれたり、指示を出してくれたりするんですね。その説得力は大きくて、1曲録るだけで勉強になって、レコーディングの1曲ごとに自分の歌が良くなっていく実感がありました。
──例えば、スポーツの場合は、世界のトップ・アスリートにもコーチがいて、0.01秒を縮めるためにフォームを変えたりしてるわけですものね。そういう関係に近いような・・・。
そうなんです!
──例えば、“このフォームで走らないと俺の走りの意味がない”とか、陸上選手は言いませんものね。最初は半信半疑だったかもしれないけど、コーチの指示通りにやってみて、実際に記録が伸びて、そうやって選手とコーチの信頼が築かれていくんだと思いますけど。
まさに、そんな感じでしたね。ほんとにその通りだと思います。昨年のシングル「PERFECT FIT」からジョーさんと制作するようになって、本格的なデビューとなったわけですが、それ以前からの長いファンの方からも、歌が変わってきた、すごく良くなったと言われます。
──「SLAVE」の歌詞のイメージは、ドライヴ中に浮かんできたというお話でしたが、歌詞のイメージ作りは、いつも車の中で?
そうですね。私は、毎日、車に乗るんですけど、詞のイメージや世界観は、車の中で浮かぶ事が多いですね。
──運転中に、言葉やフレーズが浮かんできた時は?
信号待ちの間にササっとメモします(笑)。特に作詞ノートとか作っているわけではないので、その辺にあるものに書きますね。あとは、ケータイにメモしたり。
──歌詞をして仕上げていく時は、手書きですか?
パソコンです。最初からパソコンで書いていきます。
──パソコンで、書いたり消したり?
と言うよりは、パズルに近いですね。貯めておいた単語やフレーズを並べておいて、ハメていく。この言葉は、Aメロじゃなくて、Bメロの方がいいなって、移したり。
──言葉のインスピレーションはどんな所から?
すごく良く辞書を引きます。言葉が大好きなんですよ。辞書はもう、言葉で溢れてるわけですから、国語辞典も、英和も和英も大好きですね。机の上には、いつも辞書が乗っていますし、暇さえあれば、辞書を見てますね。
──作詞の際に信条としていること、こだわっていることなどありますか?
心がけているのは、一曲の中に自分ならではの面白いフレーズを入れるっていうことですね。全部が個性的である必要なはいと思いますけど、歌を聴いたり、詞を読んだりしてくれた人が、“この表現は面白い!”と思ってくれるようなフレーズを必ず入れたいと思っています。
──「SLAVE」の中で、こだわりのフレーズと言ったら?
やっぱり、“心臓のリズム”かな。心拍の事ですよね。♪心臓のリズムも委ねたい・・・というのは、要するに、命そのものをあなたに委ねますっていう事なんですけど。
──“詩”ではなくて“歌詞”という点ではどうですか?
前に出てくる言葉を選ぶという事ですね。
──前に出てくる言葉?
聴きとりにくい単語ってあるでしょう。例えば、ウ段が多いと聞こえづらいとか。だから、サビではあまりウ段の言葉を使わずに、広がって聴こえるア段の言葉を選ぶようにしています。そういう事には気を遣いますね。
──それで、単語を差し替えたり?
します、します!言葉の響きがメロディーに合わなかったり、聴こえにくかったりした場合は、同義語で違う単語を探しますね。この言葉、すごく気に入ってるんだけど、響きが悪いから変えなくちゃとか。そういう時に辞書が大活躍します(笑)。
──と言う事は、実際に歌いながら、作詞をしていく?
そうなんです。一語一語、メロディーとの調和や響きを大声で歌いながら確認して書いていくので、作詞をしてると、声が枯れちゃうんですよ(笑)。
──「SLAVE」リリース後のスケジュールは?
10月下旬に、ニュー・シングルを予定しているのですが、いま、その新曲のプロモーション・ビデオに出演できる権利がゲットできるキャンペーンを行っているんです。
──プロモーション・ビデオに出演というと、ライヴ・シーンの観客エキストラとか?
と思うでしょう?それが、出演権は、たった1人なんです。
──と言うことは、夏菜さんの共演相手ということ?
そうなんです!男性だったら私の恋人役とか、女性だったら私の友人役とか、そういう事もあり得ますね。
──タイトル公募に続いて、またまた、楽しみな企画ですね。
新曲「SLAVE」と前作「deep forest」の2曲をダウンロードしていただいた方の中から、抽選で1名にプロモーション・ビデオ出演権が当たります。みなさん、どんどんトライしてくださいね!
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