──2ndシングル「恋想曲」は、アニメ“ヤッターマン”のエンディング・テーマでしたね。
黒瀬:この曲は、最初に聴いた瞬間から“ヤッターマン”にピッタリだ!と思いました。ポップで明るくて聴きやすいし。アイちゃんの気持ちを代弁する歌詞にしようと思って書いたんですけど。
──恋をしている時の幸福感と切なさがとっても伝わってくる歌詞ですね。
黒瀬:いまとっても幸せで満ち足りているのに、たまに会えない時はすごく淋しくなっちゃう…そういう気持ちを表せたかなと思います。“会いたいんよ”“言いたいんよ”という方言を入れて、私らしさを出す工夫もしたんですけど、遠距離恋愛のイメージも出せたかなと思います。
──「初恋」は「恋想曲」のc/w曲でしたね。想いが通じなくても、叶わなくてもいいという切ないナンバーですが、黒瀬さんご自身の初恋はどんなでしたか?
黒瀬:え〜っ初恋ですかぁ。中学生の時ですね。同じ学校の男の子だったんですけど、初めて彼を待っている時は、もうドキドキで…。
──初デート?
黒瀬:デートというか、話し合いなんですけど(笑)。
──話し合い〜?
黒瀬:それまで、まだちゃんと話した事もなくて、まずは、二人きりで会って話をしてくれませんか、みたいな(笑)。
──待ち合わせはどこで?
黒瀬:近所の公園です(笑)。約束の時間の30分前には着いちゃって、話題作りのために近くのコンビニにメントスを買いに行って…。
──メントスで話題作り〜?
黒瀬:とりあえず、話し出すキッカケとして“メントスってさ〜”とか、“お菓子で何が好き〜?”とか(笑)。
──なるほど(笑)。それで結果は?成就した?
黒瀬:付き合うとかそういう発展はなくて、その時、話をしただけで終わっちゃったんですけど、でも、男子とメアド交換したのは、あの時が初めてですね。うーん、どうだったんだろ、あれは。成就した事になるんですかねぇ(笑)。
──今回、初披露となるアルバム曲の中にも、恋するドキドキ感を歌った曲がありますね。例えば「恋音」なんかは、「初恋」に通じる歌世界ですよね?
黒瀬:そうですね。メントス買って、彼を待っている時のあのドキドキ感は、まさに“恋音”だったと思います(笑)。
──“恋の音”って、素敵な言葉ですね。
黒瀬:やっぱり、恋をしてる時は、胸の中で恋の音がしてると思うんです。
──サウンドはギターポップで、この曲だけ、とても印象が異なりますね。
黒瀬:サスケの北清水さんに書いていただいた曲なんです。やっぱり、ギターっぽい曲ですよね。
──「JUMP」は黒瀬さんの作詞・作曲ですね。作曲は初めて?
黒瀬:これまでにも何曲かは作っているんですけど、CDで発表するのは初めてです。ぜひ聴いてほしい曲です。
──作曲する時はどんな風に?
黒瀬:歌詞もメロディーも同時に出てきます。それを自分で歌って録音するんですけど。
──希望に満ち溢れた前向きなメッセージ・ソングですね。
黒瀬:いちばん最初は、全然違う雰囲気だったんですよ。もうちょっとオシャレな感じというか、背伸びした大人っぽい詞を書いていたんです。でも、シンプルなメロディだし、もっと素直な等身大の言葉で書いた方がいいんじゃないかというアドバイスをいただいて、サウンドが出来ていくうちに、詞のイメージが固まってきて、新たに書き直したんです。
──“僕”という一人称を使っていますが?
黒瀬:特に、男の子の視点で書いているわけではないんですけど、その時に感じたイメージが“僕”だったんです。
──“ためらわず さあ あの空へジャンプしよう”というメッセージは、卒業ソングとしてもピッタリですね。
黒瀬:そうですね。私は卒業までにあと1年あるんですけど、私の周りには、未来を信じて、しっかりした目標を持っている友人が多いんですね。そういう同級生を見ると、私ももっと頑張らなくちゃと思うし、みんな一緒にジャンプしたいって思うんです。友達はもちろんですけど、この曲を聴いてくれた同世代のみんなで頑張ろうよって、そういうメッセージをこめた歌です。
──「サクラ」も卒業ソングっぽいですね。
黒瀬:この曲も、一昨年、レコーディングを始めたばかりの頃の曲なんですが、最初に聴かせてもらった時は、もっと明るいポップな感じだったんです。でも、私がそれまでに書いてきた詩を読んでもらって、そこから私の想いや考えを汲み取ってもらって、こういう切ない歌詞になっていったんです。
──「Peice Of My Wish」のカヴァーにも挑戦されましたが…。
黒瀬:大好きな曲なので、今回歌う事ができて、とってもうれしかったです。
──とても強い愛を歌った曲ですが…。
黒瀬:そうですね。私なりに感じたイメージを最大限に出して歌ったつもりなんですけど、完成した曲を聴いてみると、やっぱり、メッセージ性とか弱いなぁと自分の力不足を感じました。もっと、力強さを出すべきだったんじゃないかとか、力の出し方にももっと工夫ができたんじゃないかとか色々反省すべき点はあります。
レコーディングのあとも、ずっと練習しているので、今歌うとまた違う表現ができると思うんです。また新たに歌ってみたい曲ですね。
──初のDVD作品『First!〜short movie and video clips〜』もアルバムと同時リリースになりますね。
黒瀬:台湾に行ったのは初めてだったんですけど、そこで一人でストリート・ライヴに挑戦してきました。そのドキュメンタリーがショート・ムービーになっているんですけど。曼青(マンチン)というストリート・ミュージシャンと出会った事が大きかったですね。
──どんな事を感じましたか?
黒瀬:曼青は、台北市内の路上で一人で演奏している20歳の女の子なんですけど、ピアノ、ドラム、バイオリンと何でも演奏できて、作詞・作曲もこなして、歌も抜群に上手い。なのに、まだプロ・デビューできずにいる。こんな風に才能を持った人が、世界中にホントにたくさんいるんだろうなって実感しました。それで、私ももっともっと頑張らなきゃダメだなって身にしみて感じました。
──ストリート・ライヴを経験して得たものは?
黒瀬:音楽活動に対する意識が大きく変わりました。歌いたいという欲求がものすごく強くなりました。帰国してからは、もうほとんど毎日カラオケに行って自主トレしてます。
──では、2009年のテーマは“歌”ですか?
黒瀬:歌です!更に一歩進んだ所で歌をやりたいです。これまでは、作品づくりに重点を置いた活動をしてきたんですけど、台湾での経験を通して、まだまだ新たに挑戦できる事はたくさんあるんだなって実感しました。ライヴはまだ未知の世界ですけど、是非とも挑戦したいです。今は、歌いたい気持ちがすっごく強くなっています。今年は、歌手・黒瀬真奈美に期待してください!
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