edda 「ループ」Music Video(short ver.)
儚く美しい歌声と独創的な歌詞とメロディで唯一無二の歌世界を紡ぎ出すシンガーソングライター、edda(エッダ)。5月にリリースしたEP「ねごとの森のキマイラ」ではCoccoを始め才能溢れるミュージシャンとのコラボで音楽性の幅を広げ、続く8月のシングル「フラワーステップ」は滝藤賢一&広瀬アリス主演のドラマ『探偵が早すぎる』の主題歌となり話題を呼んだ。1作毎に音楽的成長を遂げ着実に人気を集める彼女が、記念すべき1stアルバム『からくり時計とタングの街』をリリースということで直撃インタビュー。今作は「ねごとの森」を抜けて辿り着いた「タングの街」でeddaが出会った物語を描き出した1枚。「からくり時計」とはその街のシンボルだという。不思議な世界へと誘う石壁の門を潜り抜けると、個性的な住人たちが次々と顔をのぞかせる。いつの間にか「導きの詩」まで街中をひと回りし再び「からくり時計」に戻った時、リスナーはきっとこの街から抜け出せなくなっている自分に気付く事だろう。そんな『からくり時計とタングの街』を驚きの事実を交えながらeddaに案内して貰った。
──1stアルバム『からくり時計とタングの街』は、5月に発表したEP「ねごとの森のキマイラ」、8月リリースのシングル「フラワーステップ」の参加ミュージシャン、アレンジャーとご一緒されています。なので、「ねごとの森のキマイラ」の時点からアルバムの制作は始まっていたのかなと思いました。
そうでは無いんです。「フラワーステップ」のリリース後ぐらいから制作が始まりました。なので、キャンペーンやイベントと被ってしまって、その合間を縫ってレコーディングしたり歌詞を書いたりという感じでした。
──本当ですか?という事は短期間集中制作だったんですね。
そうですね。タイトなスケジュールの中で皆すごくピリピリしていました(笑)。ストック曲が多くあったので良かったです。
──今作も『からくり時計とタングの街』という独特なタイトルです。制作のどんなタイミングで、どのように決められたのでしょうか?
アルバム全体が1つの街というイメージで考えていたので「~の街」としたかったんです。1曲目のタイトルでもあり、いくつかの収録曲の歌詞にも「時計台」とあったりするので、まず街のシンボルとして「からくり時計」をタイトルに入れる事にしました。また、「タング」というのは私物のテディベアの名前です。その「タング」が居る街という事で『からくり時計とタングの街』になりました。
──eddaさんがお好きな小説『ロボット・イン・ザ・ガーデン』とその続編『ロボット・イン・ザ・ハウス』に出てくる主人公のロボットの名前も「タング」です。
そうですね。テディベアは小説を読む前から私の元に居たんですけど、そのロボットがすごく可愛いので、「この子の名前もタングにしよう」と名付けたんです。
──今作は、今お話にあった街のシンボル「からくり時計」で幕を開けます。インストナンバーですが、この幕開けは最初から構想されていたのでしょうか?
アルバムの1曲目はインストにしたいとずっと思っていました。というのも、私の大好きなdetune.さんがリリースしている3枚のアルバムが、いずれもインストで始まるんですね。私も同じようにオープニングがあって歌に入るカタチにしたくて。それで、なんとdetune.さん本人に編曲をお願いして実現する事が出来ました。
──「この後どうなるんだろう?」と興味を喚起されるオープニングです。そこからラストナンバーの「導きの詩」まで聴き終えて、そのままリピートして「からくり時計」に戻ると、音の印象から2曲が繋がっているように感じました。だから、エンドレスに聴いてしまうというか、「タングの街」に1度入ったら抜け出せなくなりそうです(笑)。
そもそも「導きの詩」があって、そのパーツを切り取って「からくり時計」を制作したんです。ただ、そんな風に考えてはいなかったので、今そういう事にしようかなと思ってしまいました(笑)。
──何故「導きの詩」から「からくり時計」を作られたんでしょうか?
「導きの詩」の曲の雰囲気や色味がeddaの世界観に合っているなと思ったからです。まず、eddaの世界観を印象付ける曲からアルバムが始まり、からくり時計とタングの街を通り抜けて、ラストナンバーの「導きの詩」で同じ色味を与えたいな思ったから、この2曲で全体をサンドしています。
──「からくり時計」に続き、歌の始まりは「フラワーステップ」です。インスト明けに持ってきたのは何故ですか?
このアルバムは、漫画やアニメや映画のように1枚を通して物語が展開して行くイメージがあります。eddaさんが薄暗い「ねごとの森」を抜けてザクザク歩いて行くとやがて重そうな石の壁があって、「あーぁ奇妙な街に来てしまったな」と思っているところがオープニングの「からくり時計」です。その壁にある門をくぐって「こういう街か…」と思ったところに、脇から「フラワーステップ」の主人公が物凄い勢いで走ってきて、「うわっ!危ない!」とぶつかりそうになるという(笑)。
「フラワーステップ」は、体に花が生えてしまう病にかかった主人公が、全身が花になってしまう前に“君”の元に会いに行こうとする物語です。その主人公はひょうきんというか少し抜けているイメージがあって、『からくり時計とタングの街』のおどろおどろしい雰囲気の中も走り抜けて行くような気がします。それで曲順を考えた時に、「からくり時計」の少し不気味な雰囲気からガラッと変わる「フラワーステップ」で幕が開いて、そして「ループ」「エメラルド」と楽しい子だったり、ひょうきんな子だったりがズルズルズルと出てくるような流れを考えて、ここに置きました。
──つまり曲順は物語性を考えている?
そうですね。聴きやすさと物語性を意識しながら曲順を考えて1曲1曲置いて行きました。
──「ループ」はテレビ東京系ドラマ24『忘却のサチコ』のエンディングテーマとして放送中です。新春に放送されたドラマスペシャル『忘却のサチコ』の主題歌「リピート」と同様に今回も書き下ろしですか?
今回も書き下ろしです。
──「リピート」では、ドラマの制作スタッフさんから「忘れる事をポジティブに捉えられる楽曲」という要望があったそうですが、今回はいかがでしたか?
今回は「『リピート』みたいな感じで」としか要望を頂いていなくて(笑)。「イントロは絶対入れて欲しい」「Aメロ、Bメロ、サビという構成」「サビは2回まわし」など曲の構成に関する細かいお話はありましたけど、「ここだけ守って頂ければ自由です」みたいな感じで任せて頂いて(笑)。ドラマスペシャルに続いて同じドラマのエンディングだったので、せっかくだから「リピート」に関連している曲を作りたいなと思って書き進めて行きました。「リピート」はロボットが小説の世界に没頭するというお話ですが、「ループ」はそのロボットが読んでいた小説の主人公の物語です。小説の主人公は、物語の始まりから終わるまでの間しか生涯がありません。自ら記憶をゼロにして1ページ目に戻ろうと思った時に、その主人公は何度も人生を繰り返す事が出来ますけど、あらすじには絶対に抗えないし、好きなように話す事も出来ません。自分の思い通りには何も出来ないからとそのまま生涯を終えるのか、思い通りに出来なくても進むのか。そういう葛藤を描けたらなと思って作りました。
──歌詞はサビ終わりの「なんて」という一言が印象的です。
この主人公らしい言葉だなと思っています。「忘れよう、また笑えるように。」と普通に言ったら少し恥ずかしいから、「なんてね」と照れ隠しで言ってしまう保険のようなイメージです(笑)。この子の人間性を表せる言葉だなと思って書きました。
──また、アルバムリリースに先駆けて「ループ」のミュージックビデオが公開されています。ドールスーツ・アーティストの橋本ルルさんが出演されていますが、最初それを知らずに観て、まるで人間のように動く操り人形だなと思いました(笑)。
でも、人形に見えますよね。
──橋本ルルさんに出演をお願いした経緯は?
主人公が小説の中の存在である事を映像で表現するのは難しいし、分かり難くなるかもしれないと思って、最初に思い付いたのはチェコの操り人形でした。「ループ」はその人形をイメージして音作りをしましたし、見た目の雰囲気も可愛いから良いかもしれないと思って監督さんに相談しました。冒頭でお話ししたようにスケジュールがバタバタだった中で、MVの制作も物凄く短期間で作って頂きました。だから、操り人形を取り寄せていると制作が間に合わないという事になって。それで「時間も無いしどうしよう?」と考えた末に、橋本ルルちゃんにチェコの操り人形を演じて貰い、操り人形が自分を操る糸を断ち切って好きなように動こうと足掻いてみるけど…という物語を作って貰いました。ルルちゃんに出演して貰うのは「不老不死」のMVに続いて2度目になります。「不老不死」では私が撮影にうかがえなくて、今回初めてお会いしました。ルルちゃんは本当にいろんな事をやっていて、その全てにおいて自分の思い描く可愛いを100%で表現して行く子ですね。
──タイアップで言うと、「merry」もウェディングドレスブランド「b.b.duo」のTVCMソングです。初めてコラボされるビッケブランカさんが作曲をされています。ニュースでコメントを拝見したところ、ビッケブランカさんはeddaさんを怖がっていたようですが。
あれウソですよ(笑)。あのコメントはふざけて書いているんです(笑)。だって最初の打ち合わせの時も、ビッケさんのほうがグイグイ来る感じでお話をされていたんです。だから、「もぉーっ!変な事を書いてる!」と思いながらコメントを読みました(笑)。
──そうなんですね(笑)。ビッケブランカさんとご一緒されたキッカケは?
スタッフさんからビッケブランカさんのCDを頂いたんです。聴いてみてカッコイイなと思っていたところに、「楽曲提供をお願いしようと思っている」という話がありました。それで打ち合わせをさせて頂いたのが始まりです。
──お会いになっていかがでしたか?
すごくハッキリ発言される方で、むしろ私が怖がっていたぐらいです(笑)。「こうですか?」「ああですか?」「こうだよね!」「ああだよね!」とグイグイ来る感じで、制作がお好きなのが分かりました。夢中になって楽しんでお話ししてくれたので、私も頑張って曲のイメージ、例えば映像ではこういう感じでとお伝えして、出来上がった曲が「merry」です。
──具体的にはどのような要望を?
当時ビッケブランカさんには、子供の頃に観ていた『ポンキッキーズ』のイメージがありました。その時代の『ポンキッキーズ』はディズニーランドみたいなファンタジーな音の作り方もしているし、80年代の洋楽のようなテイストもあったので、その感じでというお話をして。あとはコマ送り映像や粘土のアニメーションのイメージもあったので、『ポンキッキーズ』で放送していた『ポストマン・パット』というアニメの映像を見せて「このイメージで作って下さい!」とお願いしました(笑)。ビッケさんは「分かった!」と言って帰ったんですけど、出来上がってきた曲は私のイメージにピッタリでしたね。
それが1年ぐらい前の話です。だから、「もしかしたら『ねごとの森のキマイラ』に収録するのかも?」と思っていました。ただ、「ねごとの森のキマイラ」は、トゲがあるというかエッジの効いている曲を集めています。一方、ビッケさんに作って頂いた曲は耳馴染みの良い、幅広い世代に受け入れて貰えるような曲です。なので、タイアップ向きかもしれないという話になって「一旦作詞はストップして」と言われました。そうして寝かせた結果、ウェディングドレスブランド「b.b.duo」のTVCMソングに決まって歌詞を書き下ろしたんです。
──歌詞はどのように考えられたんですか?
物語としては「すごく幸せなラブソングを書いて下さい」と言われたんですけど、不可能なので(笑)。
──今までの歌詞から思うと、頭を抱えてしまうようなテーマですね(笑)。
そうなんです(笑)。本当に頭を抱えてしまって。その時ふと目に入ったのがテディベアのタングでした。「私にはこの子がいるじゃないか」と思って、タングの物語を書く事にしました。他の収録曲は過去の事だったり今の事だったりするんですけど、「merry」だけは違って、私がお婆ちゃんになって死んでしまった後の「if」の物語で、未来の話になっています。私が死んだ時にタングは独りぼっちになってしまいます。て゛も、タンク゛の解釈としてはそうて゛はなくて、自分は死ぬことか゛て゛きないから死んて゛生まれ変わりをした eddaか゛独りほ゛っちになってしまうと思い、 自分も一緒に死んて゛生まれ変われるように「お月さまに心臓を貰いに行こう」と旅に出る物語です。「大丈夫だよ。独りぼっちにしないよ」と思いながらタングがお月さまを探すんです。ちなみにCDのブックレットには、私が描いた「merry」のイラストも載っているので、そちらも見て頂けたらなと思います。
──また、サビ終わりの歌詞は「merry ××× end?」と表記されています。でも、歌を聴くと「bad end」に聴こえます。
「bad end」と歌っています。「merry bad end?」という言葉は良い意味であって、ゲームや映画で受け手によってバッドエンドに見えたりハッピーエンドに見えたり、解釈の仕方で物語が変わるような結末をそう呼ぶみたいです。結婚においてもそういう事が言えると思います。周りがバッドエンドと思ったとしても、本人たちが幸せならハッピーエンドだよねと思って「merry bad end?」な物語を作りました。ただ、ウェディングドレスのタイアップだったので、怒られるかなと思って歌詞は「×××」と表記しました(笑)。
──「ねごとの森のキマイラ」に続き、ササノマリイさん、detune.さんがアレンジャーとして参加されています。まず、ササノさんがアレンジを担当しているのは「エメラルド」です。eddaさんの作詞作曲ですが、ササノさんにアレンジをお願いしたのは何故ですか?
元々アレンジまで仕上げていたデモ音源を、アルバム収録にあたってタングの街の雰囲気に合うようになったらなと思って。私としては曲の雰囲気や言葉選びがササノマリイさん風な感じがしたので、直観でササノさんにアレンジをお願いしました。ササノさんには物語と色のイメージを説明して、後はお好きなように仕上げて下さいとお伝えしました。曲自体にササノさんの匂いがしていたから、お任せすればきっと良い感じに仕上がると思ったんですよ。ササノさんもこの曲をすごく気に入って下さって、とても素敵な仕上がりになりました。
「エメラルド」は自分で作詞作曲しているのに、制作中に錯覚を起こしてササノさんが作った曲と思い込んでいたんです(笑)。レコーディングの時にスタッフさんから「ササノさんが来られないそうですけど大丈夫ですか?」と聞かれて、私は「私自身の解釈で歌ってもササノさんがOKという事でしたら大丈夫です」と答えたんですけど、そのスタッフさんがポカンとしていて。その表情を見て「あっ!私が作った曲だ」って(笑)。
──自分が作詞作曲した事を忘れていたんですね(笑)。
そうなんです。それぐらい私の中ではササノさん色が強いと思える曲だったんですよね。だから、やっぱりアレンジはササノさん以外あり得なかった曲なのかもしれないなと思います。
──一方、detune.さんは、くだんの「からくり時計」「導きの詩」ともう1曲「星のない空」のアレンジをされています。以前に、detune.さんには「月のうさぎ」というイメージを持っているというお話があり、それは宇宙や星のイメージのように思っていたので、「星のない空」のアレンジをお願いしているのが意外でした。どちらかというと、『かぐや姫』をモチーフにしている「宇宙ロケット」がそのイメージに合うように思ったもので。
「星のない空」は、4~5年前に出来たeddaとして初めてのオリジナル曲です。なので、デモ音源はメロディもアレンジも今のeddaとは少し違うイメージがありました。そのアレンジも大好きですけど、「エメラルド」と同様に、この子もタングの街に馴染めないんじゃないかと思ったんです。それで、detune.さんにお願いすれば百発百中なので、「すみませーん」と門を叩いてお願いしました。困った時のdetune.さんという感じでしたね(笑)。
──どのようなところに今のご自身の楽曲とのギャップを感じたんですか?
初めて作詞をしたのですごく臆病というか、いろんな事をすごく気にしながら作った曲だったので。元のデモ音源はその感じも見てとれて可愛いんですけどね。ただ、この街の中で浮いてしまうのは良くないなと思ったので、detune.さんに「少し不思議な感じにして下さい」とお願いしました(笑)。
──記念すべき初のオリジナル曲という事で、元のデモ音源も聴いてみたくなりました。
どこかで公開できたらいいかもしれないですね。
──「トントン」と「リンドン」は、絵本のような歌詞とメルヘンチックなサウンドが印象的です。特に「リンドン」はNHK「みんなのうた」に流れそうな雰囲気で、クリスマスソングにオススメしたい1曲です。
実は「トントン」のほうが「みんなのうた」を意識して作った曲なんです。というのも、子供の頃に「みんなのうた」で楽しんでいた歌を大人になってから聴くと、「あっ!こんな事を歌っていたんだ!」と思う事があって。「トントン」もそういう曲にしたくて、子供心をちょっぴりえぐるというか、トラウマ的な曲になったらなと思って書きました。
──歌詞の「トントン」という音は、正義の勇者が自分の刀を鍛冶で鍛えている様子なのかなと。
そうではなくて、死刑台を作る子の話です。物語の中でその子の葛藤を描けたらなと思って書きました。
──そうなんですか!?驚きですが、死刑台と聞いて歌詞に納得が行きました。ただ、その内容だと「みんなのうた」は厳しいのではないでしょうか(笑)。
ダメですかね(笑)。
──続く「リンドン」はハートウォーミングな物語ですが、「つぶせクリスマス」というフレーズにeddaさんらしさが伺えます。
「リンドン」の主人公のイメージは9~10歳ぐらいの男の子2人組です。最初は『鉄コン筋クリート』のクロとシロのような子供をイメージして作っていましたけど、その2人よりもっと柔らかく可愛らしい子たちになりましたね(笑)。1人はサンタさんの子供です。その子が毎年クリスマスになるとサンタさんの仕事で父親が出かけてしまいシュンとするから、その子の友達である主人公が「クリスマスを潰そうぜ」と言って2人で夜の街を冒険する物語です。なので「つぶせ」というのは「子供が何かやってらあ」というレベルの他愛のないイタズラですね。可愛い物語が出来ました。
──また、収録曲を見た時に「カイバノネイロ」というタイトルに目が留まりました。この「カイバ」は脳の記憶に関わる部分「海馬」ですか?
実は『忘却のサチコ』のエンディング用に、記憶を意識しながら書いた物語です。なので「海馬」のつもりもありますけど、アニメ『カイバ』のような歌になったら可愛いなと思って作りました。『カイバ』は私が「一番好きなアニメは?」と質問されると必ず答える作品で、記憶をデータ化できる世界の物語です。だから記憶があれば肉体を入れ替えて生き続けられます。その世界で記憶を失くした主人公のカイバは、自分が誰なのか分からないまま進み始めてやがて記憶を取り戻し、強く成長して行きます。『忘却のサチコ』のサチコは結婚式当日に旦那さんに逃げられ、愛を蹴られた記憶を投げ捨てます。でも、そうする事で少しずつ立ち上がって行く姿はカイバのようだなと思ったので、そのイメージから出来た曲です。
──そしてリリース後の12月11日には、phatmans after schoolさん、Kacoさんを迎え、初の自主企画ライブ「くものくろーる」の開催が決定しています。まず、タイトルにはどのような想いがあるのですか?
私はphatmans after schoolさんもKacoさんも大好きです。ただ、誤解を恐れずに言うと、お二方とも楽曲がひねくれているというか、真っすぐ進んで行かないイメージがあります。でも、本人たちの考える「真っすぐ」を目指して歩いている訳です。周りから見ると少し不思議に見える子たちですけど、それはその「真っすぐ」を目指して歩いて行った結果であって。「くろーる」というは泳ぎのクロールでもあるんですけど、「腹ばいで進む」とか「はうようにゆっくり進む」という意味もあります。だから、そんな私たちを表すのにピッタリな言葉だなと思って、最初に思い付いたのは「くろーる」というタイトルでした。そうしたらマネージャーさんから「『蜘蛛』というワードを入れるのはどうですか?」と聞かれました。蜘蛛は多種多様な環境下で生きられるそうです。つまり、蜘蛛のように多様な環境でも息づく音楽という意味合いになって良いんじゃないかなと言われて、私もそうだなと思いました。今回の3組は色が濃くて、聴く人を選びそうな楽曲を作っているように思います。でも聴くキッカケさえあれば、逆に幅広い年齢層、どの世代が聴いてもグッとくる音楽を作っているんじゃないかなって。それで、どんな環境下でも生き続ける音楽を作るけど、でも少しひねくれているというイメージで「くものくろーる」と名付けました。
──その初の自主企画ライブに向けて抱負をお聞かせ頂けますか?
Kacoちゃんは何度か対バンをさせて頂いて私自身が大ファンなんです。だから皆にも聴いて欲しくて「Kacoちゃんを見て!」という想いで出演をお願いしました。多分お客さんは全員Kacoちゃんを好きになると思います。phatmans after schoolさんとご一緒するのは今回が初めてです。eddaのコメントに「phatmans after schoolさんに似ている」とか「女版phatmans after school」とか書かれたりしていた事から、検索して辿り着いたんです。それで聴いてみたら音楽で通ずるものがあるというか、eddaのファンもphatmans after schoolさんのファンも、お互いの音楽を喜んで聴いて頂けるのではないかなと。なので、3組のどのファンの方も、来て頂ければライブ全編好きな音楽が聴けるイベントになると思っています。頑張りたいなと思いますし、とても楽しみです。
取材・文:岡村直明
< LIVE / EVENT >
1st Album『からくり時計とタングの街』発売記念インストアイベント
11月27日(火) 21:00~ 【東京】タワーレコード渋谷店 4Fイベントスペース
12月01日(土) 13:00~ 【大阪】タワーレコード梅田NU茶屋町店 6Fイベントスペース
12月02日(日) 15:30~ 【愛知】タワーレコード名古屋パルコ店 西館1Fイベントスペース
edda 自主企画イベント“くものくろーる”
12月11日(火) 【東京】SHIBUYA TAKE OFF 7
出演:edda / phatmans after school / Kaco
チケット:¥3,000(税込) ※別途ドリンク代 ¥600
※開場/開演時間、チケット一般発売日は後日発表
edda ワンマンライブ「からくり時計とタングの街の音楽会」
■2019年3月21日(木祝) 【大阪】ヒルズパン工場
OPEN 17:00 / START 17:30 全自由(整理番号付)
問い合わせ先:キョードーインフォメーション 0570-200-888 (10:00~18:00)
■2019年3月24日(日) 【東京】渋谷WWW
OPEN 16:00 / START 17:00 全自由(整理番号付)
問い合わせ先:ソーゴー東京 03-3405-9999 (月~土 12:00~13:00 / 16:00~19:00 ※日曜・祝日を除く)
※最新のライブ情報はオフィシャルサイトをチェック!
http://eddavilla.jp/