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UTAMAP review
10年来の夢を叶えた想いを胸に2年ぶりに放つオリジナル・フルアルバム!『思い続ければ』1月10日リリース!!
NEW
『思い続ければ』
『思い続ければ』 [初回限定盤 CD+DVD]
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アルバム
Victor Records
発売:2018.01.10
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¥5,200(税抜)
『思い続ければ』 [通常盤CD]
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Victor Records
発売:2018.01.10
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¥3,000(税抜)
【封入特典 (初回&通常共通)】
◆メジャー3rd アルバム発売記念フリーライブツアー 〜思い続ければ〜 サイン会参加券 封入
◆『藤田麻衣子 LIVE TOUR 2018 〜素敵なことがあなたを待っている〜』連動 来場者プレゼント引換券封入
収 録 曲
〈CD〉
01.素敵なことがあなたを待っている
歌詞 試聴 PV視聴
02.オクリモノ
歌詞 試聴 PV視聴
03.きっと感じてた
歌詞 試聴 PV視聴
04.思い続ければ
歌詞 試聴 PV視聴
05.恋ってどうやってするものだっけ?
歌詞 試聴 PV視聴
06.嫉妬
歌詞 試聴 PV視聴
07.秋風鈴
歌詞 試聴 PV視聴
08.一緒に暮らそう
歌詞 試聴 PV視聴
09.さよならありがとう
歌詞 試聴 PV視聴
10.やるしかない
歌詞 試聴 PV視聴
11.どこまで行けば
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12.あなたがいるから[album Ver.]
歌詞 試聴 PV視聴
〈初回限定盤 DVD〉
藤田麻衣子 Live 2017 〜緋色の欠片 10th Anniversary〜 @EXシアター六本木 -2017年11月7日(火)-
01.横顔 〜わたしの知らない桜〜
02.ねぇ
03.蛍
04.金魚すくい
05.水風船
06.秋風鈴
07.運命の人
08.高鳴る
09.きっと
10.それでも私は
11.二人なら
12.瞬間
13.君が手を伸ばす先に
14.今でもあなたが
15.この白い雪と
16.卒業
En-1.恋に落ちて
En-2.宝物
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<Profile>
2006年9月、シングル「恋に落ちて」でCDデビュー。すべての楽曲で本人が作詞作曲を手掛け、タイアップで起用されることの多い恋愛ソング・応援ソングには定評がある。アーティストへの楽曲提供も数々行っている。
透き通った歌声、歌詞への共感、ドラマティックなメロディーで、ライブ会場では涙する人も多い。ライブに訪れる約7 割が女性ファンと、特に同性から高い支持を得ている。
フリーライブを大切にしながらファンを増やし、2012年には渋谷公会堂をソールドアウト、2013年7月にはNHKホールでワンマンライブを成功させ2013年10月にはフリーライブの集大成として前代未聞の日本武道館弾き語り無料ワンマンライブを行い8,000人を集客し大成功を収めた。 そして2014年3月にビクターエンタテインメントよりシングル「涙が止まらないのは」でメジャーデビュー。
同年10月29日にはメジャー1stアルバム『one way』がリリースされ、11月より全国ツアー(全13公演)を開催。
ツアーファイナルとなった2015年1月の中野サンプラザ2DAYS公演も大盛況のうちに幕を閉じた。
2015年5月27日にはメジャー3枚目となるシングル「おぼろ月」が発売。
7月より全国4会場で開催された「弦楽四重奏 Live Tour 2015」も全会場ソールドアウト。
12月2日にはメジャー2ndアルバム『恋愛小説』を発売し、2016年1月に開催された有楽町よみうりホールワンマンライブのチケットも即日ソールドアウト。
2016年はCDデビュー10周年を迎え、47都道府県での弾き語りワンマンライブを開催した。11月23日にはベストアルバムの発売、
そして2017年1月にはバンド編成での全国ツアー、さらには2017年4月1日に、すみだトリフォニーホールにてオーケストラコンサートを開催、チケットは即日ソールドアウトとなった。最近ではインディーズ時代にリリースした楽曲「手紙〜愛するあなたへ〜」の人気が結婚式の楽曲として再燃し、メジャー流通で再リリースを行うなど、幅広い層にその名が浸透してきている。
藤田麻衣子 メジャー3rdアルバム『思い続ければ』オフィシャルトレーラー

藤田麻衣子「恋ってどうやってするものだっけ?」MV Short & 3rd AL『思い続ければ』初回盤DVDダイジェスト

メジャー3rdアルバム『思い続ければ』をリリースする藤田麻衣子に直撃インタビュー。オリジナル・フルアルバムのリリースは、前作『恋愛小説』から約2年ぶりとなる。この間彼女は2016年にCDデビュー10周年を迎え、47都道府県ツアーを開催。昨年は10年来の夢だったというオーケストラコンサートを実現させた。そして、その長年の夢が叶った時に「思い続ければ夢は叶う」という想いと、夢を追い続けている中で得ていた大切な物を強く実感し、自身の気持ちに大きな変化があったという。その想いを胸に制作されたアルバムは、藤田麻衣子のある意味集大成であり、新たな幕開けを告げる作品となったようだ。今作の制作の経緯から、収録曲の歌詞にまつわるエピソードや言葉選びで意識している事、さらに次なる夢までタップリと話を聞いた。

思い続ければ夢は叶う

──2016年にCDデビュー10周年を迎えられ、ベストアルバムをリリース。昨年は10年来の夢というオーケストラコンサートを実現されました。そして、今回のオリジナル・フルアルバム『思い続ければ』がリリースとなります。アルバム制作は、いつ頃からスタートされていたのでしょうか?
タイアップの関係もあって、3曲目の「きっと感じてた」は昨年の初めぐらいにレコーディングしていたように思います。その頃から既に「2017年の終わりぐらいには、きっとアルバムでしょう」という話はしていて。だから、アルバムに何を入れようかなというのは常に頭の中にありました。それで、いよいよどの曲を収録するのかという話が出来たのは秋ぐらいですかね。常に曲は作り続けていて、収録したい曲も変わって行くから、その時に一番熱い、どうしても収録したい曲が決まっていく感じでした。

──資料のコメントに「本当に迷いに迷って選曲しました」とありました。
オリジナルアルバムは大体1〜1年半に1枚のペースでリリースしてきました。しかし、2016年はベストアルバムを出したので2年も空いたんですが、その間に書いた曲も溜まっているので収録曲は悩みましたね。それにやっぱり、昨年4月にデビュー当時からの夢だったオーケストラコンサートが実現して、考え方とか視界とか、心の感じが大きく変わったんですよね。それで、あらためて新しいスタートだと考えた時に、どういうアルバムにしようかなというのはすごく考えました。

──今おっしゃっていたご自身の変化について、具体的にお聞かせいただけますか?
一番大きかったのは、「本当に夢は叶うんだ」という実感が持てた事です。例えば日本武道館コンサートや47都道府県ツアーはチームで決めて、決めたからには立ち向かっていく目標だったんですよね。もちろん、それをやり遂げた達成感はあります。でも、オーケストラコンサートは憧れから始まっているから、私が決めたからといって絶対に出来るものでも無くて。夢を言葉にしていながら、このままカタチに出来ずにいるのかなという悔しい想いはずっと胸にありました。その夢をようやくカタチに出来て、コンサートに来て下さった皆さんから頂いた手紙やアンケートを読んでいると、「麻衣子さんが夢だと言っていたオーケストラコンサートを観る事が、私自身の夢にもなっていました。だから、その夢を観る事が出来て本当に嬉しいです」と書いてくれた方が沢山いました。私はずっと一人で戦ってきたように思っていたけど、いつの間にか一緒に願ってくれる人たちにまで出会えていたんだなって痛感して。夢を叶えられたのも大きい事ですけど、それだけでは無くて、デビューしてから10年の間に夢のおかげで出会えた人とか、ファンの皆さんと出来た絆とか、そういう全部が私の得たモノだったと強く感じたんですね。それが今後の活動の自信になるし、私を支えてくれる柱になるなって実感しました。今までは悔しさをバネに頑張ってきて、負の感情はものすごくパワーが出るから、そういう気持ちも必要だったと思います。それが今は切り替わって、皆さんから頂いた温かい想いをこれからのエネルギーにして行けると思います。それがすごく大きかったですね。

──そういう想いを持って生まれたオリジナル・フルアルバム『思い続ければ』ですが、アルバムタイトルは制作のどんなタイミングで決められたのでしょうか?
「思い続ければ」という歌が出来て、レコーディングしたぐらいですかね。その時はまだ収録全曲が出揃っていなくて、後から収録が決まった曲がタイトルになる可能性もあるから余白は残していたんです。でも、いつもアルバムのタイトルは、その時の私自身やアルバム全体を代表する言葉を選んできたから、やっぱり『思い続ければ』かなと最終的にタイトルを決める日までずっと言い続けていましたね (笑)。やっぱりオーケストラコンサートが1つ大きかったので。自分にとって新しい始まりの年でもあるなと感じた2017年に1番思った事、「思い続ければ夢は叶うんだ」という想いはアルバムのタイトルにして残しておきたかったというのがあります。

──収録12曲は様々なストーリーが描かれていますが、藤田さんが歩んで来た33年間の道のり、その経験から紡いだ言葉が詰まっているような印象を受けました。「思い続ければ」はもちろん、「素敵なことがあなたを待っている」、「やるしかない」、「どこまで行けば」、「あなたがいるから」などの歌詞からそう感じたのですが。
今言っていただいた曲たちは、心に思っている事をそのまま歌詞にしたような歌ですし、そういう歌が多いかもしれないですね。前作の『恋愛小説』はタイトル通り恋愛の歌が中心でしたけど、今回はディレクターさんが制作の最後のほうになって「どうしよう恋愛の曲が少ないよ」とか「もう少し増やしたほうがいいかな」とか言っていたぐらいですし、今までよりはヒューマンな歌が増えているかもしれませんね。

──そういう曲を意図して選んだ訳では無い?
そういう歌が増えたのはタイアップの関係もありますけど、自分自身が感じる事も多かったのかもしれません。デビュー10周年を迎えた2016年は本当に1年中ライブをしていました。47都道府県を周ったり中国に行ったり、中国から帰って来たら今度はバンドツアーがあってとカタチを変えて1年中ライブをしていたんですよね(笑)。各地の皆さんに会いに行って、初めましての人にも沢山出会えたんですけど、逆にファンの皆さんと触れ合う握手会が出来るようなフリーライブは少なくて、常にステージ上のパフォーマンスを観て頂く1年を過ごしていました。スケジュールもギュウギュウ詰めで、10数年活動している中で1番忙しかったと思います。ノドも使えないから人とお喋りもしなくなって、友達にもほとんど会わずにひたすらライブをしているだけみたいな(笑)。キャリアの中でそういう1年も大事ですし、今はそういう1年があって良かったなと思います。ただ、もう少し人と触れ合う機会とか余裕が欲しいなと思って。やっぱり人と話して心を動かす時間、何でもない時間ですよね、そういう今まで普通にあった時間がどんなに大事だったのかを思い知るキッカケになりましたね。だから、オーケストラコンサートは、2016年を頑張って駆け抜けたご褒美だと思っていましたから(笑)。

リアルな恋ってどうやってするんだっけ?

──今のお話しは、収録曲の「恋ってどうやってするものだっけ?」の歌詞とリンクするような(笑)。
超リアルですよね(笑)。この曲は絶対アルバムに入れたくて。ディレクターさんにも「この歌詞は今のうちに歌っておいたほうがいいよ」と言われましたね(笑)。

──「甘え方さえ思い出せない/いつからこんなに強くなったの?」など、藤田さんの同世代の女性、仕事を頑張っている女性の共感を呼びそうな歌詞です。
さっきのメチャメチャ忙しかった時に、本当にその歌詞のように思って私自身ビックリして(笑)。20代の頃はあんまり壁が無くて、自分の事を何でも喋っていたんですよね。弱音も吐くし、「もう少し気を付けたほうがいいよ」と言われるぐらいでした(笑)。そんな風に思った事を全部言ってしまうような私だったハズなのに、言う前に1回言葉を飲みこんだり、弱音を吐く相手も選ぶようになったら何て苦しいんだろうと思って(笑)。仕事が忙しいから唯でさえ人と喋っていなくて、多分私が心さえ開けば誰でも話を聞いてくれると思うんですけど、心の開き方も忘れてしまったような感じがすごくありました。友達からのお誘いも断ってばかりになるし、自由な時間が少ないからお金を使う機会も無いし(笑)。だからと言って、好きな服を買っても見せる人もいないし、着て行くような小洒落たパーティーも無いしと思って(笑)。「みんなオシャレしてどこに行くんだろう?」と街行く人たちを横目でみながら、でも仕事しなくちゃみたいなモードでした。

──歌詞にある恋人の理想像は、ご自身の願いですか?
これはメチャクチャ私の理想像です。

──結構注文が多いですよね(笑)。
こういう人はいないですよね(笑)。

──歌詞の通り「きっといるから運命の人って」と思います (笑)。そういう歌詞があるからすごく励まされる1曲です。
最初に1番の歌詞だけが出来ていたんですけど、未来への期待も希望も込めなきゃと思いました。やっぱり前向きに生きたいと思って後半は願いが詰まっています。でも、「自分 磨くか…。」は少し諦めも入っていて独り言っぽくしたいなとか、ナチュラルに心の成り行きを出せたらいいなと思って書いていましたね。
また、私は音楽サイトBARKSで「恋愛相談室」という月イチの連載をさせて頂いています。約3年続いていて毎回2件ぐらいの相談に答えているんですけど、「そもそも恋愛をした事がありません」とか「しばらく恋してないからどうやって恋ってするんですか?」とか、「恋の仕方を教えて欲しい」というような相談を頂く事が多いんですよね。この歌詞を書いている時に、そういうお便りも思い出したり、私自身も恋の仕方が全然わからないやと思ったりしました。そういうファンの人たちとのやり取りでリアルに感じたテーマではありましたね。
そして、この「恋ってどうやってするものだっけ?」はミュージックビデオを制作しています。初めて私が出演しない作品になります。撮影に当たっては、「リアルな恋ってどうやってするんだっけ?」と思っている女性をこういう風に撮って欲しいという要望や、私が思っているお一人様あるあるなどを沢山伝えました。「今これをカタチに残しておきたいの!」という想いをお願いした作品になっています。

──ところで、メジャー1stアルバム『one way』の収録曲「オレンジ」では初めて歌詞に「愛」という言葉を使ったとおっしゃっていました。ちなみに、今回のアルバムで初めてチャレンジした事などはありますか?
私は昔からミュージカルが好きで、よく観に行くんですね。ミュージカル音楽も好きなので、私の歌に取り入れたいなとずっと思っていました。ミュージカルの歌は自由に早くなったり遅くなったり、ドンドン転調して行ったり、感情のままに進んで行く事が多くて。そういう自由な、本当に感情のままに流れる歌を作ってみようと、今回のアルバムには未収録ですが「スポットライト」という曲を書きました。「スポットライト」は私の中でオーケストラが鳴っているイメージの曲だったので、昨年のオーケストラコンサートの最後に歌わせて頂いたんですけど、お客さんもスタッフの皆さんも私らしい曲だと言ってくれたんです。シンガーソングライターになって、J-POPの世界で生きて行くからにはポップスを勉強しなくては、そういう曲を書けるようにならなくてはと思って活動してきました。けれど私の原点に戻って、本来好きなミュージカル音楽のように感情のままに自由な歌を書いてみた時に、皆さんが「いい曲ですね」と言ってくれた事がすごく嬉しくて。それで、あらためて「どこまで行けば」という歌を書いたんですね。今の自分の迷いを心のままに書けた曲だったから、「これはミュージカルナンバーだから弦楽器を沢山入れたい」と贅沢なお願いをして、11人の弦楽器奏者に演奏をして頂きました。アレンジャーのIkomanさんにも「ミュージカルナンバーのようなアレンジにして欲しい」とお願いした曲です。
さらに、「嫉妬」も少し変わった曲になっています。ずっと長調で進んで行くんですが、最後に曲調が変化します。だから、私の中ではミュージカルナンバーのイメージなんですよね。レコーディングでは弦楽器の最後の音まで皆で話し合って、「もっとクレイジーに、鳥肌が立つような感じにしたい」と言ったりして(笑)。弦楽器奏者の皆さんも「それならこうやってみる?」と考えてくれたり、プロデューサーも「いいねーそれ、マジで鳥肌が立つ」と言ってくれたり、クレイジーと鳥肌の追求みたいになっていましたね(笑)。

──レコーディング風景が藤田さんのインスタに載っていて、最後にレコーディングしたのが「嫉妬」のようでした。
そうですね。「嫉妬」、「どこまで行けば」、「一緒に暮らそう」の3曲を最後にレコーディングしましたね。最後までアレンジにこだわったりしていたので、ギリギリになってようやくこれで行こうみたいに決めてレコーディングしました。

デビュー10周年とオーケストラコンサートがあったからこそ

──曲順では「あなたがいるから」がラストナンバーである事に大きな意味があるような気がしました。
その1曲前にある「どこまで行けば」は私がすごく苦しい時に書いた歌なんですね。心が戦いモードに入る時が、1年の中で何度もあるんですよね。この仕事をしている限りずっと続く日常だと思うんですけど、やっぱりしんどくなる時もあります。でも、その想いは人と分かち合えないんですよね。もちろん友達もいるし親もいるし、それこそ心を開けばいつでも向き合ってくれる人たちは沢山いますけど、多分話したところで「そうなんだね」とか「大変だね」という言葉しか返って来ないから。「分かるよ」という言葉を貰えたらすごく救われるんですけどね。でも欲しい答えを求めて喋る訳でも無いし。そうなった時の私の気持ちを「心が帰る場所は/いつも孤独」と歌詞に書いています。それに続くラストナンバーの「あなたがいるから」のほうが先に書いた曲ですけど、「この世界で/たった一人きりに思えた/あの日の私に伝えたい」、「孤独だった日も/涙に濡れた日も/本当は一人じゃなかったんだよ」という歌詞が、まるで「どこまで行けば」のアンサーソングのようだなと思って。それで、この2曲は絶対に前後にしたいという想いがあったんですよね。「どこまで行けば」は私自身の心情を吐露したような歌ですけど、その想いに心を重ねる人がいるかもしれなくて。今孤独だからこの歌が一番心に刺さると思った人に、それでもやっぱり、気付いたら近くにきっと支えてくれる人はいるよというメッセージを最後にシッカリと残したくて。だから、「あなたがいるから」をラストナンバーにしています。

──冒頭に、出会えた人やファンの皆さんとの絆のお話しがありましたが、今作は人との出会い、出会いの感謝がキーワードのように思いました。
ホントですか?それならアルバムタイトルも『出会い』にすればよかった(笑)。

──この間の藤田さんのブログにも、ファンの皆さんやスタッフさん、ご一緒されたミュージシャンとの出会いの感謝が書かれていました。それで、「あなたがいるから」がラストナンバーだったから、出会いの感謝がキーワードのように思えて。さらに、「さよならありがとう」の歌詞には「会えてよかったんだね」、「きっと感じてた」には「感謝したい/出会えたこと」とありますし、「素敵なことがあなたを待っている」の歌詞にも「大事な人たちが/あなたを見守ってる」とか、「思い続ければ」も「笑った日も泣いてた日も/一人じゃなかった」など、そういう出会いの感謝がこのアルバムには詰まっているように思います。
なるほど。言われて初めて気付きました(笑)。今までみたいに1年に1作品、時期が来たからアルバムを出すという感じよりも、いろいろ経験した2年を経てやっとのアルバムという想いがすごくあります。だから多分ありがたみも、出会いの感謝も今まで以上に感じているのではないかなと思います。それもきっとデビュー10周年とオーケストラコンサートがあったからこそなんだろうなって。シンガーソングライターとして10周年を迎えられたのは、ファンの皆さん、私のスタッフはもちろん、私が今まで出会ってきた人たちのおかげです。デビュー当時はまだ歯科衛生士もやっていて、まさか365日音楽の事だけを考えて生きていられるなんて思いもしませんでした。本当に周りの人たちに恵まれて、今こういう人生を送っているんだなって思います。だからこそ、もっともっと期待に応えたいし腕も磨きたいなという気持ちでいて、これからももっといろんな曲を書けるようになりたいし、作詞作曲ももっと勉強しなければいけないなと強く思うんですよね。

キッカケは丁寧なロングメール

──「素敵なことがあなたを待っている」と「やるしかない」は日本テレビの人気番組「はじめてのおつかい」のオリジナル挿入歌です。
キッカケは昨年1月に放送された「はじめてのおつかい」でした。そのVTRを制作中のディレクターさんから事務所のほうに、「君よ進め」という私の歌を番組で使いたいという連絡があったんですよね。物凄く丁寧なロングメールが届いて、おつかいの内容から、どういうシーンで「君よ進め」のどの部分を使いたいのかまで詳細に書いてありました。普通は「使っていいですか?」という連絡だけなので、「こんな丁寧なメールある!?」と驚きました。それで、スタッフさんから是非使って下さいと返事をして貰い、番組ではメールに書いてあった通り、これから勇気を出しておつかいに行くシーンで「君よ進め」が使われていました。そうしたら、友達はもちろん多くの人から「麻衣ちゃんの歌が流れているよ」って物凄い数のLINEが流れてきて、私の歌を使って貰ってすごくありがたいなと思いましたね。その放送後に私のスタッフさんが、番組のディレクターさんにご挨拶する機会を作ってくれたんですね。それでお会いした時に、ディレクターさんから「はじめてのおつかい」の過去のVTRを頂いて。さらに、「藤田さんのCDを全部聴きました。藤田さんは生真面目でしょ。その感じが番組に合うと思ったんですよね。だから、あなたが感じた事を歌に書いて是非聴かせて下さい」と言って下さって。
それで、頂いた過去のVTRを観て新たに曲を書き下ろして、また、溜まっていた曲の中にも「はじめてのおつかい」に合いそうな曲もあって。実は「素敵なことがあなたを待っている」は、友達が落ち込んだ時に励ましたくて書いた曲だったんですけど、番組に合いそうだなと思ったんですよね。一方の「やるしかない」は番組のロケの話などを聞いて、お父さんも、お母さんも、お子さんも、みんなやるしかないんだなと思って(笑)。私も締切に追われた時に「やるしかない」って言っているし(笑)。「やるしかない」だなと思って書きました。この曲を聴いて頂いた番組ディレクターさんも「やるしかないですよ!」と言っていました(笑)。早速7月の放送で「やるしかない」を使って頂いて、その後8月の24時間テレビで放送された「はじめてのおつかい」に「『素敵なことがあなたを待っている』がピッタリだから使っていいですか?」と言われて、是非是非と決まって行きました。

──「はじめてのおつかい」と見事にマッチしている2曲です。それにアルバムは新年早々のリリースですから、1年の初めに「やるしかない」を聴くと気合いが入りそうです。
「やるしかない」を連呼するから、曲順を前のほうにしたら疲れちゃうかなと思って、そっと後半に入れました(笑)。

──また、「秋風鈴」はPlayStationVita 専用ソフト「緋色の欠片 〜おもいいろの記憶〜」の主題歌です。2006年の「恋に落ちて」から数えて、藤田さんは『緋色の欠片』のタイアップソングを26曲も書いていると知って驚きました。
『緋色の欠片』は2012年にアニメ化されて、1期と2期のオープニング主題歌を担当させて頂きました。そこで作品が完結した感じだったんですよね。それが、私の10周年の時にPlayStationVitaに移植してリリースする事になり、主題歌のお話しを頂いたんです。もう関われないと思っていた作品なのに、また書き下ろせると思うとすごく嬉しくて。「秋風鈴」は悲しげな曲調ですけど、『緋色の欠片』のシリーズは和物で少し悲しげな曲調をすごく喜んで頂けるんですね。こういう曲調も私の好きな世界の1つだから、「またあの世界観を書いてもいいんですか!?」みたいな気持ちになりました(笑)。

──「秋風鈴」というタイトルが素敵です。
私は俳句や短歌の本を読んだりします。作るのが好きというよりは、綺麗な言葉が沢山出て来るから学ぶ事が多いんです。『緋色の欠片』シリーズのタイアップの場合は、いつもまず季節を言われます。その季節感をどう表現しようかと思って俳句の本を読んでいたら、秋の風鈴という言葉があって。秋の風鈴を想像していたら、夏に聞くと爽やかな音色なのに、秋に聞くと忘れられているようで寂しいなと思って。この寂しい感じを私は知っていると思いを巡らせていたら、待ちぼうけしている時の女心と一緒だと思ったんです。それで、最初にタイトルを「秋風鈴」と決めてから書き上げました。

──また、「一緒に暮らそう」は収録曲で唯一男性目線の曲です。二人で暮らした時のメリットをプレゼンテーションしているような歌詞ですね(笑)。
この曲も私の願望が詰まっています。47都道府県ツアーを周った時に、身体の事を考えてベッドを買い替えたんですね。メチャクチャ忙しいから寝る時間が最高に幸せで、その瞬間は本当に「独りって最高!」と思っていました(笑)。一方、私の周りには結婚して幸せそうな友達も多いんですね。羨ましいなと思いつつ、私が「誰かと一緒に住むのは無理だと思う」と言うと、友達は「それならどういう相手とだったら一緒に住めるの?」と聞いてきて、妄想大会みたいになって行くんですよね(笑)。それで、忙しい時はまず邪魔しない人がいいとか(笑)。でもデートはしたいとか(笑)。理想ばかりを並べてしまうんですけど、そういう私の願望がかなり入っていると思います(笑)。

また10年掛けて新たな夢に近づけたら

──収録全曲の歌詞を通して思ったのですが、スマートホン、メールなどに関する言葉を全く使われていないようです。藤田さんは様々なSNSをやっていますが、そういう描写も無いように思いました。それらのツールがコミュニケーションに必要不可欠になっている時代にそういう描写をせず、人物やその心情を描いて共感を得られる歌詞が書ける事はすごいなと思います。
嬉しいです。スマホは1回も出て来ないですよね。既読とかも書いた事が無いかな。今は時代の流れが早いから、例えば2年後に何が出て来るかも全く分からなくないですか?今はスマホという言葉が定着していますけど、何年先まで通用するのかは分からないから。それで使わないようにはしています。

──時代や流行に左右されない言葉を使うように意識されている?
やっぱり私は10年後、20年後も変わらずに歌っていたいという想いがあるから、ちょっと意識しているかもしれないですね。メールという言葉もこの10年ぐらいは普通にありますけど、もしかしたらこの先にその言葉が使われなくなるかもしれないし、それが少し怖くて。ただ、ひょっとしたら今後に、そういう事を匂わす表現は書くかもしれないです。例えば「文字を読んだら」とか「君から届いた文字が」とかは歌詞に出て来るかもしれないです。

──だから、藤田さんの歌は、幅広い世代が歌詞に共感できるのではないでしょうか。代表曲の1つ「手紙 〜愛するあなたへ〜」のように、藤田さんは歌い継がれる曲、人々の記憶に残る歌を書けるアーティストのように思います。
嬉しいです。今後に希望が持てます(笑)。

──そして、2月からは「藤田麻衣子 LIVE TOUR 2018 〜素敵なことがあなたを待っている〜」がスタートします。
昨年フリーライブを続けている中で、お客さんの年齢の幅がすごく広がったなって感じました。同世代の女性ファンの方が多いんですけど、年配のご夫婦や小さいお子さんも沢山増えました。デビュー当時から幅広くいろんな人たちに私の歌を聴いて欲しいと思って活動してきたから、10年経って私が理想にしていたアーティスト像に少しずつ向かって来られているんだなと感じられましたね。だから今回のツアーは年齢も性別も関係無く、いろんな人がスッと入って来られるようなライブにしたいです。「はじめてのおつかい」を観て藤田麻衣子を知って下さった人もいると思いますし、初めましての人にも楽しんで貰える、誰一人ひとりぼっちにならないようなライブに出来たらいいなと思います。

──2017年は10年来の夢であるオーケストラコンサートを実現されました。「アーティスト・藤田麻衣子」の次なる夢は?
1〜2年で叶えたい夢はあまり無くて。10年掛けて叶えた夢があったから、また10年ぐらい掛けて自分を磨いて、新たな夢に近づけて行けたらいいなと思っています。だから今は正直全然届きそうにないんですけど、「これだっ!」っていう曲が書けたら紅白歌合戦に出場したいですね。今年出場するために活動予定を考えるとかでは無くて、そういう時が巡って来たら行けるところだと思うんですよね。だから、紅白に呼んで貰えるような歌が書けるシンガーソングライターになれたらいいなって。でも、それだけが目標では無くて、人生経験ももっと積みたいし、プライベートももっと充実させて30代を謳歌したいです。そして、「いい歌が沢山入っているね」と言って貰えるようなアルバムを作り続けて行きたいですね。

取材・文:岡村直明


< LIVE / EVENT >

藤田麻衣子

■藤田麻衣子 LIVE TOUR 2018 〜素敵なことがあなたを待っている〜
・2月08日(木)【大阪】なんばHatch 開場18:00 / 開演19:00
・2月09日(金)【名古屋】ダイアモンドホール 開場18:30 / 開演19:00
・2月18日(日)【福岡】DRUM LOGOS 開場16:30 / 開演17:00
・2月22日(木)【仙台】Rensa 開場18:30 / 開演19:00
・2月24日(土)【札幌】cube garden 開場17:30 / 開演18:00
・4月10日(火)【東京】東京国際フォーラム ホールC 開場18:00 / 開演19:00

■メジャー3rdアルバム発売記念フリーライブツアー 〜思い続ければ〜
・1月13日(土)①13:00 ②16:00 【東京】池袋サンシャインシティ 噴水広場
・1月14日(日)①13:00 ②16:00 【大阪】EXPOCITY 空の広場
・1月21日(日)①13:00 ②16:00 【愛知】エアポートウォーク名古屋 3F イベントステージ

■藤田麻衣子メジャー3rdアルバム『思い続ければ』発売記念スペシャルライブ
・3月9日(金)【東京】アニメイト池袋本店 9F animate hall 開場19:00 / 開演19:30
【イベント参加方法】
メジャー3rdアルバム『思い続ければ』(初回限定盤または通常盤)を、アニメイト池袋本店/新宿店/秋葉原店/渋谷店/横浜店にて全額内金にてご予約もしくはご購入の方に、先着でイベント参加券を差し上げます。

※各公演の詳細、最新のライブ情報はオフィシャルサイトをチェック!
http://fujitamaiko.com/

January 12, 2018
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