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イトヲカシ:https://twitter.com/itowokashi_jp 伊東歌詞太郎(Vo):https://twitter.com/kashitaro_ito 宮田“レフティ”リョウ(Bass/Guitar/Key): https://twitter.com/LeftyMonsterP |
<Profile> 伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Bass/Guitar/Key)による、2 人組音楽ユニット。日本語を大事にした歌詞・メロディセンス・力強い歌声が織りなす琴線に触れる楽曲を、他者とは一線を画す展開で発信する2010 年代型アーティスト。メディアでは顔出しを行っておらず、その素顔はライブ等でしか見ることが出来ない。 2人は中学時代からの同級生であり、初めて結成したバンドのメンバー。卒業後、別々の音楽活動を経て再会し、各々が培った音楽を一緒に発信すべく2012年にイトヲカシを結成。以降、インターネットの世界への音楽投稿・路上ライブ、様々なアーティストへの楽曲提供やプロデュースワーク、サポートミュージシャンなどの活動をユニット/ソロ並行して行い、投稿動画総再生数は2,500万回以上、twitterフォロワー数は併せて620万人を突破、路上ライブ総動員数3万人以上と異例な存在となる。 4年間の準備期間を経て「イトヲカシ無期限活動開始」を宣言し、2016年よりイトヲカシの活動を本格化。 2016年5月11日に初の全国流通盤ミニアルバム『捲土重来(けんどちょうらい)』をリリースしオリコンウィークリー5位を獲得、5月14日~6月11日には自身初の全国ライブハウスツアー「イトヲカシ first one-man tour『捲土重来』」を開催し、チケットは全会場即完売となった。 デビュー前からROCK IN JAPAN FES.2016 にも出演し、2016年9月21日に「スターダスト / 宿り星」で満を持してメジャーデビュー。オリコンウィークリー14位を記録し、年末にはCOUNTDOWN JAPAN 16/17へも出演した。 2016年冬、ネスレ“キットカット”2017年度受験生応援アーティストに任命され、応援歌「さいごまで」(2017年2月8日リリース「さいごまで / カナデアイ」収録) を書き下ろした。この楽曲が全国のラジオステーションから熱い支持を受け、全29局でパワープレイに決定。ビルボードJAPAN ラジオチャート1位を獲得した。6月21日には待望の1stフルアルバム「中央突破」を発売。未発表曲「アイスクリーム」がテレビ東京 木ドラ25「さぼリーマン甘太朗」エンディングテーマに決定したほか、最新曲「アイオライト」が11月公開の映画『氷菓』の主題歌にも続いて抜擢されるなど話題を呼んでいる。 |
イトヲカシ / 1st.アルバム「中央突破」全曲ダイジェストムービー
ネットを中心に人気に火がつき、Twitterフォロワー数は合算62万人を超え、路上ライブでは累計3万人以上の動員を誇る、伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Bass/Guitar/Key)による2人組音楽ユニット“イトヲカシ”。昨年9月に両A面シングル「スターダスト / 宿り星」でメジャーデビューを果たし、今年2月にリリースしたダブルタイアップの2nd両A面シングル「さいごまで / カナデアイ」も話題を呼ぶなど快進撃を続ける二人が、初のフルアルバム『中央突破』をリリースした。そこで、メジャーデビューから追い続けている当コーナーでは、イトヲカシに3度目となる直撃インタビューを敢行。「収録曲すべてが応援歌」であり、彼らが標榜する「王道の音楽を1つのカタチに出来たアルバム」という今作の制作の話から、前回の取材で語っていた「イトヲカシはポップスなんです」の意味にも迫った。幕開けを飾る「スタートライン」から力強い歌声と繊細なアレンジにグッと惹き込まれ、「スターダスト」の大団円まで耳が離せなくなる快作。今作を引っ提げ、彼らがメジャーのど真ん中に躍り出る日も、きっとそう遠くはないだろう。
──前回のシングル「さいごまで / カナデアイ」の取材はレコーディングスタジオで行いました。あの時はアルバムの制作をされていたんですか?
宮田“レフティ”リョウ(Bass/Guitar/Key | 以下、宮田):そうですね。プリプロダクションをしていたと思います。
伊東歌詞太郎(Vo | 以下、伊東):アルバム収録曲の元になる曲を作っていた時ですね。
──アルバム制作は、いつ頃からスタートしていたんですか?
伊東:僕たちは常に曲を作り続けてストックしています。収録曲で一番前に作ったのは「スタートライン」で2014年なんですよね。そのストックの中から収録曲を選んで、レコーディングを開始したのはこの前の冬からです。ただ、ストックというのは完成形が見えるワンコーラスの状態だったりします。それが大体40~50曲ぐらいありました。
宮田:そこから収録曲を選んで、ワンコーラスのモノはフルサイズにブラッシュアップして行くカタチで制作を進めました。
──収録曲は、どのように選んだんですか?
伊東:メジャーデビューしてからシングルでリリースさせて頂いた4曲の収録を決めて、そこに対してどういう曲を持って来たら非常に良いバランスのアルバムになるかなとチョイスしていきました。僕たちは王道の音楽をやりたいと公言しているから、まずそこに外れない曲である事。さらに、「テンポ帯」というものも二人で話し合いました
──テンポ帯?
伊東:バラード、アップテンポ、ミドルテンポというところですね。音楽界全体の傾向として、最近は曲のテンポが速くなっているように思います。昔だったら王道のミドルテンポと感じる曲でも、今の人たちはバラードと感じているのではないでしょうか。今回の収録曲で言うと、僕自身はアップテンポと思う1曲目の「スタートライン」でさえ、今の時代はミドルテンポと言われてしまう可能性はあると思います。そういうテンポ帯について二人で話し合ったところ、スタンダードナンバーは意外とテンポが速くないんだなという結論になって。それで、ミドルテンポの曲を中心にセレクトしようという話はしました。そこは1つの選考基準であったかなとは思います。
宮田:もちろんバランスを考えて、アップテンポの曲も収録しています。ただ、今の時代に合わせて作るのではなく、僕たちが考える王道の音楽から、オーソドックスと思えるテンポ帯の楽曲をセレクトするように意識はしました。
──『中央突破』というアルバムタイトルは、どんなタイミングで決められたんですか?
伊東:収録曲が全部出揃った時に考えました。
宮田:四字熟語にしようというのは決めていたんです。
伊東:日本語を大事にしたいという想いもあって、僕自身の作品もイトヲカシの以前の作品も、タイトルは全部四字熟語です。戦略性があって四字熟語にした訳では無くて、それが僕たちらしさの1つになったのかなと思います。それで、候補の中でも『中央突破』が一番相応しいと思ったんです。
宮田:このアルバムは、僕らの標榜している王道の音楽を1つのカタチに出来たと思います。だからこそ、「このアルバムを携えて音楽シーンのど真ん中に行きたい!」という気持ちを込めた言葉が一番相応しいのではないかと思って、『中央突破』というタイトルを付けました。
伊東:王道の音楽でシーンのど真ん中をぶち抜くぞみたいな(笑)。そんな決意のこもったタイトルです。
──『中央突破』は、イトヲカシさんらしい応援歌「スタートライン」で幕を開け、そのストリングスと特徴的なドラムのイントロからグッと惹き込まれ、ラストナンバーの「スターダスト」まで一気に聴き通しました。
宮田:飽きずに?(笑)
伊東:だといいな(笑)。
──「次はこういう曲か」「おっ!そう来たか」さらに「エッ!?」と驚いたりしながら最後まで惹き込まれました(笑)。そんな収録曲の中でも、特に制作にこだわった楽曲はありますか?
伊東:「あなたが好き」のレコーディングは多重録音をせず、歌も楽器も「せーの!」で一斉に録ってお終いという方法を取りました。途中でミスしたら最初から録り直すんです。
宮田:2人のギタリストにエレキギターとアコースティックギターを弾いて貰って、皆でアイコンタクトしながら「せーの!」で録る方法でレコーディングした思い出深い作品です。昨今はドラムとベースを先に録り、それをダビングしていって、各パートが入れ代わり立ち代わりレコーディングしていくオーバーダビングが一般的な方法ではあります。そういう中で、このレコーディング方法をやりたいなと思ったんです。
──何故そういうレコーディング方法にしようと?
伊東:「あなたが好き」のレコーディング前日に、二人で色んな曲を聴きながら、最終的なアレンジを詰めていたんです。その時に、絶対に多重録音をしていないであろう音源があったんです。それを聴いたらピンと来て、これをやったらカッコイイのではと思ったんですよね。確か前日だったよね。
宮田:急に思い付いて「ギタリストをもう1人呼びたいんですけど」とワガママを言ったのが前日かな。ギタリストの特性もあるから、曲の雰囲気にマッチすると思った仲間のギタリストにお願いしたんです。この曲の原型はピアノと歌だけのワンコーラスでした。楽曲の持っているメッセージ性や歌詞の世界がすごくストレートだったから、もちろんピアノと歌だけでも良い仕上がりになったと思います。でも、もっとストーリー性を持たせたかったし、自然な抑揚を大事にしたいなと思って。それで「せーの!」で一斉にレコーディングしたら、もっと歌が立つのではと考えたんです。
──伊東さんのブレスやギターの音など生演奏のようで、温もりを感じる仕上がりです。
宮田:まさにそういうところは意識しています。
伊東:そうですね。僕はブレスも含めて歌だと思っているので、すごく大切にしている音ではあります。音の質感の違いを感じて貰えたとしたら狙い通りです。
──また、歌詞が女性目線なのも驚きました。今まで女性目線で綴った曲は無かったのでは?
伊東:女性目線の歌詞を書く事はありますが、イトヲカシの楽曲としては初めてかもしれないですね。人を好きになった時に相手も好きだったなんて事は、物凄く低い確率だと思うんですよ。それこそ運命というものを信じないと説明が付かない。それでも惹かれ合う男女はやっぱり多く居て、好きな人と愛し合う事が出来たら、相手にとって自分の存在が少なくともプラスで有って欲しいと思うのが人間ではないかと思うんです。ただ、大切に想っていても「君が居るから生きて行けるんだよ」とか素直に口に出して言える男性はなかなか居ないように思うし、それで女性も不安になってしまうのではないでしょうか。その不安も分かるのですが、相手に対する純粋な好意、「ただ好きな人のそばにいたい」という想いを僕は美しいと感じるんですね。それは、川端康成の描く愛のようにすごく無垢で綺麗事に思えるような愛ですが、川端康成は描きたくて描いているように思います。僕は、男性は100%男ではないし、女性も100%女ではないと思っているのですが、「あなたが好き」の歌詞は僕自身の中に何十パーセントかはある女性の部分を伝えたいという想いがスルスルと出てきたカタチです。それを川端康成のような気持ちで描いた結果、女性目線の歌詞になったというのが正直なところです。
──純粋な想いを綴った歌詞は、告白ソングとして歌われそうです。
伊東:僕はアーティストである一方、好きなアーティストのライブを観に行くファンでもある訳です。好きなアーティストのCDも買うし心から応援しているけど、その根本にあるのは「あなたの音楽を自分の人生のそばに置かせて欲しい」という気持ちです。ツアー中に気付いた事なんですけど、「あなたが好き」の歌詞は、アーティストに対するファンの気持ちに近いのかなって。
宮田:逆もしかりですよね。アーティストがファンの皆さんに対して思う気持ちも同じです。やっぱり自分たちの音楽をそばに置いておいて貰えたらすごく嬉しいです。もちろんライブも、応援してくれているファンの皆さんを目の当たりにすると気持ちの入り方も違ってくるし。「愛」ですよね。すべて「愛」が共通していると思います。
──初めてお会いした時に「星が大好きで放っておいたら星の曲ばかり出来てしまう」とおっしゃっていたので、聴く前は星の歌が多いのかなと予想していました(笑)。
宮田:収録曲全部が星の歌みたいな(笑)。
伊東:「はちみつ色の月」がそうですね。あとは「スターダスト」も。
宮田:この2曲の他は無いかな。
伊東:油断すると本当に星の曲を作ってしまうんですよね(笑)。
──その「はちみつ色の月」は、資料に「サビ前等に登場するロータリーサウンドのギターはシミュレートではない本物のレズリースピーカーを使用したのも良い思い出です」とありました。
宮田:冷蔵庫のように巨大なスピーカーで、内部が回って音が近づいたり遠のいたりするんです。その音も注目して聴いて頂けると嬉しいです。
──レズリースピーカーを使ったキッカケは?
宮田:僕がこのスピーカーに持っている印象は、すごくノスタルジックな音なんですよね。僕は東京出身ですが、東京を舞台にしたこの歌詞からノスタルジックな気持ちを感じました。それで、レズリースピーカーを回したり、メロトロンという楽器を使って音で望郷感を表現できたらなと思って。パソコンのシミュレーターでは情景や温かみを伝える方法が沢山あるんですけど、楽器を使う事でより僕が思い描く音に近づくんじゃないかなという思惑がありました。幸いな事にスタジオにレズリースピーカーがあったので回させて貰ったんです。
──偶然スタジオにあって運命的に生まれたサウンドは必聴ですね。また、イントロが特徴的な「ドンマイ!!」は、人より多く失敗を重ねたとおっしゃっていた二人が歌うからこそ説得力を持つ歌詞のように思います。コーラスが英語で驚きました(笑)。
伊東:あれっ!?今まで英語詞は無かったっけ?
宮田:Thank you so much!!(笑)。前作の『捲土重来』は英語詞があったね。
伊東:メジャーデビューシングルから考えると初めてかもしれませんね。
宮田:コーラスは「Don’t forget,stand by you」、「Hang in there,It’s allright,ドンマイ!!」と歌っています。「Hang in there」は「頑張れ!」という意味です。
──英語のコーラスはアレンジの時に考えられたんですか?
伊東:そうでは無いです。ライブでお客さんも一緒に歌って貰えるシンガロングが好きなんですよね。今回のアルバムにもライブらしい曲が欲しいよねという話になって「ドンマイ!!」を選びました。まず、ライブでお客さんと一緒に「ドンマイ!!」と歌ったら楽しいだろうな考えて、それからコーラスを入れる事にしました。メロディが大体決まって、どういうフレーズがカッコイイかなと考えたんですけど、日本語は上手くハマらなくて。それで、英語の「頑張れ!」というフレーズをとにかく沢山集めてみて、それを組み合わせて考えた結果、語感も良い「Hang in there,It’s allright,ドンマイ!!」になりました。
──さらに驚いたのは「ヒトリノセカイ」です。「誰のために生きているの」という歌い出しから、心の叫びのようなサビの「あぁ」も今までに無い印象を受けました。「二人の身に何かあったのか!?」と(笑)。
伊東:僕たち二人は何も変わっていません(笑)。確かにこういう曲は今まであまり無かったですよね。今回のアルバムは10曲すべてが応援歌だと思うんですよ。「ドンマイ!!」はすごく分かり易い応援歌だし、恋愛で傷ついた人には「はちみつ色の月」とか「あなたが好き」を聴いて貰えたら前を向くことが出来ると思います。「ヒトリノセカイ」はまさに内なる想いを吐き出しているような歌ですが、その数ある“応援”の中の1つのベクトルだと思っています。
今は全国ツアーを展開中で、『中央突破』の収録曲も披露しています。中でも「ヒトリノセカイ」は思っていた以上に評判がいいですね。ファンの皆さんから頂く手紙に気になる曲が書かれていると、「ヒトリノセカイ」は必ず入っていてシッカリと伝わっている実感があります。それは今後の活動においてすごくヒントになるというか、1つの大きな事実ではないかなと受け止めています。
──そして、ラストナンバーはメジャーデビュー曲の「スターダスト」です。
伊東:この10曲をライブのセットリストとして、どういう曲順で並べたら魅力的に聴いて貰えるかなと考えた時に、「スターダスト」がラストに来るとフィナーレ感が出ると思って。
宮田:大団円感があるんです。
伊東:素敵なライブの終わり方になると思ってラストナンバーは「スターダスト」に決めました。
──前回の取材で言われた「イトヲカシはポップスなんです」の意味をずっと考えていましたが、今作の「あなたが好き」にその答えがあるのかなと思いました。それは、音と言葉、つまり「歌を伝える事」なのかなと。
伊東:それは正解のように僕も思います。音楽は想いをメロディに乗せて伝える事が出来るから素晴らしいし、それが出来るからミュージシャンをやっている意味があるんだなと考えています。心の中にある想いは言葉が一番伝えられると思うし、だから、ボーカルは言葉を音楽にできる特別な楽器だと思っています。しかし、言葉も意味が伝わらなければ、ただの音になってしまいます。
また、バンド時代を振り返ると、当時は僕がメロディを作って、それにメンバーとジャムって各パートを作っていました。完成した曲はカッコイイけど何かモヤつくんです。このモヤモヤを言葉で表すと何だろうとずっと考えていましたが、最近やっと当てはまる言葉が見つかって、それは「伝えたい事をぼやけさせてはいけない」という事なのではないかなと。
だからこそ、「あなたが好き」は非常にシンプルな曲になりました。歌詞もそうだし、アレンジも多分イトヲカシ史上一番シンプルかもしれないです。リスナーに気持ちを、すなわち心を伝える事が一番大事に作ったから、ぼやけたところが一切ない。そういう意味ではこの曲から感じて貰った「イトヲカシのポップスは歌を伝える事」は正解のように思います。
──以前に宮田さんも、どうすれば言葉を伝えられるのかとアレンジを考えて行くとおっしゃっていました。
宮田:人の心は普遍的なものですよね。王道であるという事は普遍的であるという事だと思いますし、そういう意味では、僕たちの歌の中核にある心の部分がシッカリ伝わる手法を取るようになっていますね。『中央突破』は、そこをより突き詰めて行く方向になっている作品だと思います。
──今回の10曲を聴いて、言葉を乗せる音への繊細なこだわりが感じられました。
宮田:ドラマチックなアレンジは常に意識していますが、全てはメロディと歌詞から呼ばれています。今回のアルバムでは、曲によってのコントラストは付けられたかなとは思います。その上で、心を伝えるための最良の選択肢としては、やっぱり過多にならない事かなと思います。モノを増やすのは、ぼやかす事に繋がって行くと思うので。技術的な事で言うと、イトヲカシに関しては数年前からしたらトラック数はドンドン減らしている傾向にあります。それは逆に言うと誤魔化しが効かないということだし、1本1本の糸がシッカリないと粗も見えてきます。例えば、歌やギターのレコーディング手法の1つにダブリングというのがあって、同じフレーズを重ねて音に厚みを出すんです。
伊東:歌のダブルね。同じフレーズを歌って、それを重ねて聴こえが良くなるという。今回は歌のダブルがほぼ無いです。以前の僕たちはダブルを録る理由がよく分かっていなくて(笑)。
宮田:普通にマナーとしてやっているのかと思っていました(笑)。
伊東:当たり前にサビはダブルみたいに思っていましたね(笑)。だから、逆にダブルを録らないと不安になったりしました。聴き比べると、もちろんダブルにする意味はあります。ただ、楽曲によって、そのダブルにする必要性を感じなかったら、シングルでいいと思うようになりました。
宮田:だから、ぼやかさないという事は、すごく意識したところではあるのかもしれないです。
──そういう意味では、これからのイトヲカシさんの方向性が見えてくる1枚でもある訳ですね。
伊東:僕たち二人は本当に紆余曲折を経て、これからも蛇行しながら進むかもしれませんけど、現時点の二人の融合度は5年前から比べるとすごく高くなっていると思います。二人の持ち味が今までで一番融合出来たアルバムだと思います。
──二人の意思疎通がより深く、より良い状態になっているからではないでしょうか。
宮田:やっぱり言葉を交わしてコミュニケーションを取る事が大事ですよね。それはユニットやバンドに限らず、一般的な仕事の上でも同じに思います。長い時間を一緒に過ごしていると、言わなくても分かっているだろうと思って言葉で伝えないうちに、気付いたらお互いがあらぬ方向を向いていた事がバンド時代にあったんですよね。後になってお互いに「そんなところを向いてたの!?」みたいな(笑)。僕たち二人にそういう事は起こり得ないですね。
伊東:どちらか一方が我慢する事はやってはいけない事だと思うから、気になる事は聞き合うし、お互いにストレスが無い状態を作ろうと意識しています。意見が違っても結論をぶつけ合うのではなく、何故そう考えたかという筋を聞くところから話し合います。だから、お互いの考えを踏まえた上で、「確かにそういう考え方も出来るね」と納得出来たり、もう1本別の道が見つかったりもします。これからも、二人でよりよい道をドンドン探って行けるような気がしています。
──そして、現在展開中の全国ツアーは、『中央突破』のリリース後も、沖縄、新潟、東京の3公演と続きます。ツアー完走に向けて抱負をお聞かせいただけますか?
伊東:今回のツアーは4月29日からスタートしています。どの会場もライブは二度と戻って来ない瞬間だから、正直自分の中では全公演がファイナルなんです。スタートしたばかりの頃は新鮮さがあったり、公演を重ねて成熟していったりはあるかもしれませんが、僕は全公演が魅力的なライブになっていると思っています。1つ1つのライブに全力を注いでいるので、『中央突破』でイトヲカシを知ってくれた方々にも、僕たちのライブに来て貰えたら嬉しいです。
宮田:イトヲカシはこれからもライブを重ねて成長して行きます。常にファイナルの気持ちで全力で臨んでいるから、どの会場に来て貰っても絶対に後悔はさせない自信もあります。僕らの音楽をライブでダイレクトに受け止めに来てくれたら、この上ない幸せです。是非イトヲカシのライブに足を運んで頂きたいです。
< LIVE >
イトヲカシ“second one-man tour 2017”
7月02日(日)沖縄 桜坂セントラル
7月09日(日)新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
7月16日(日)東京ZEPP TOKYO
【チケット料金】スタンディング \4,000
※整理番号順の入場となります。
※別途ドリンク代(会場による)
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
7月15日(土)JOIN ALIVE 2017
8月11日(金・祝)ROCK IN JAPAN FES.2017
※各公演の詳細、最新のライブ情報はオフィシャルサイトをチェック!
http://itowokashi.jp/