いったい何度、私たちは彼女に驚かされてしまうのか。約2年ぶりに発表された安室奈美恵のオリジナルアルバム『_genic』。それは収録された13曲すべてが未発表の新曲という、確固たるスタンスとスタイルを作り上げてきた彼女だからこそ突きつけることが出来た、2015年の音楽シーンへの華麗なる挑戦状だ。
EDMにアプローチした前作『FEEL』を経て今回彼女がフォーカスしたのは、80'Sのハイエナジーなダンスビートやニューウェーヴな音、自らの音楽的原点ともいえる90'SのヒップホップやR&B、ハウスへの<リバイバル>。ファレル・ウィリアムス、アリアナ・グランデ、イギー・アゼリア、アジーリア・バンクスなど、海外でも90'S感のあるサウンドを打ち出すアーティストが近年続出しているように、<リバイバル>は2015年の音楽を語る上で外せないキーワードのひとつである。
そんな80'S+90'Sリバイバルな『_genic』サウンドを作り上げたのは、アレクサンドラ・スタンの作品などで知られるエリック・リボム、クリスティーナ・アギレラやナズへ楽曲提供でも知られる女性シンガー・ソングライターのニッキー・フローズ、ビヨンセやショーン・ポール、オマリオンらの作品も手がける若き奇才、ジェームス・キーズ・フォイエ、EDM界最高峰DJの一人であるティエストの大ヒット曲「エコーズ」も手がけたハイテン・バーラディア、レディ・ガガやセレーナ・ゴメス、カイリー・ミノーグらに楽曲を提供しているヨーキム・ ピアーソン。そして、ケルリやロリーンらダンス歌姫の作品を手がけるセブンエイティープロダクション、ディプロとともにマドンナの新曲にたずさわったUKアンダーグラウンド界最注目の新鋭、ソフィーなど。ゼッドを始め、これまでも世界の最先端をいく国内外のクリエイター陣といち早くタッグを組んできた安室奈美恵ならではのエッジィな面々が、今回もズラリと名を連ねている。
さらに今作にはスペシャルトラックとして、なんと、ダンスミュージック/ハウス界の頂点に君臨する世界的スターDJ/プロデューサー、デヴィッド・ゲッタのヒット曲「What I Did For Love」も収録。実はかねてから水面下で両者のコラボ企画が進んでいたが、今回はゲッタ側からのオファーで、彼の最新アルバム『リスン』でゲッタにとって最も思い入れある1曲であり、安室にとってもお気に入りのナンバーである「What I Did For Love」のヴォーカルを安室の歌唱で再レコーディング。ゴスペルばりのソウルフルな安室の歌声とピアノのリフとが美しくも力強いイメージを描く、2大スターの奇跡の共演がついに実現したのだ。
ところで。『_genic』というアルバム・タイトルにつけられたアンダーバーには、ポップシーンの最先端を切り開き続けてきた彼女の軌跡を称するPopgenic、数々のファッション誌のカバーを飾り続けるその美貌を形容するにふさわしいPhotogenic、歌い踊る天賦の才能を集約したLivegenicなど、安室奈美恵を意味するさまざまな言葉があてはまる。もちろんそれは、彼女の音楽的DNAに刻まれた90'Sグルーヴへのオマージュであり、時代を魅了し続ける運命の女としての彼女の生きざまを象徴する言葉でもあるだろう。今作も大半を占めるのは英語詞だが、今回は意味をしっかり伝えたいという意向から、対訳詞もつけられている。アンダーバーと同様、ドキッとするほど扇情的なフレーズの数々を自由に深読みしてみるのも、今作の密かな楽しみと言える。
繊細で華奢なレースのベールの向こう側。そこに隠された安室奈美恵の真実と秘密。上昇しながらロールするビートを優雅に手なづけ、知りたくてたまらない聞き手の欲望を極限までかき立てながら、彼女はその美しい唇で挑発する。
<この服を脱いだ私を手に入れたいっていう/あなたの欲望が/でも簡単にはそうさせない/わかって/見たまま全て/これが私よ>
(「Fashionista」訳詞より抜粋)
世界の最先端をゆく音とビートを手に入れ、時代を突き抜けるポップ遺伝子。安室奈美恵はいつだって私たちの予想をはるかに上回る。
text:Kanako Hayakawa
【LIVE情報】
namie amuro LIVEGENIC 2015-2016
■2015年 | ||||||
公演日 | 都道府県 | 会場 | 開場/開演 | お問い合わせ | ||
1 | 09.05 (土) | 埼玉 | さいたまスーパーアリーナ | 17:00/18:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
2 | 09.06 (日) | 埼玉 | さいたまスーパーアリーナ | 16:00/17:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
3 | 09.12 (土) | 福井 | サンドーム福井 | 17:00/18:00 | キョードー北陸チケットセンター | 025-245-5100 |
4 | 09.13 (日) | 福井 | サンドーム福井 | 16:00/17:00 | キョードー北陸チケットセンター | 025-245-5100 |
5 | 09.18 (金) | 福岡 | マリンメッセ福岡 | 18:00/19:00 | キョードー西日本 | 092-714-0159 |
6 | 09.19 (土) | 福岡 | マリンメッセ福岡 | 16:00/17:00 | キョードー西日本 | 092-714-0159 |
7 | 09.26 (土) | 北海道 | 北海道立総合体育センター 北海きたえーる | 17:00/18:00 | WESS | 011-614-9999 |
8 | 09.27 (日) | 北海道 | 北海道立総合体育センター 北海きたえーる | 16:00/17:00 | WESS | 011-614-9999 |
9 | 10.03 (土) | 大阪 | 大阪城ホール | 17:00/18:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
10 | 10.04 (日) | 大阪 | 大阪城ホール | 16:00/17:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
11 | 10.10 (土) | 広島 | 広島グリーンアリーナ | 17:00/18:00 | キャンディープロモーション広島 | 082-249-8334 |
12 | 10.11 (日) | 広島 | 広島グリーンアリーナ | 16:00/17:00 | キャンディープロモーション広島 | 082-249-8334 |
13 | 10.17 (土) | 長野 | 長野ビッグハット | 17:00/18:00 | キョードー北陸チケットセンター | 025-245-5100 |
14 | 10.18 (日) | 長野 | 長野ビッグハット | 16:00/17:00 | キョードー北陸チケットセンター | 025-245-5100 |
15 | 10.27 (火) | 大阪 | 大阪城ホール | 18:00/19:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
16 | 10.28 (水) | 大阪 | 大阪城ホール | 18:00/19:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
17 | 10.30 (金) | 大阪 | 大阪城ホール | 18:00/19:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
18 | 11.03 (火・祝) | 大阪 | 大阪城ホール | 16:00/17:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
19 | 11.14 (土) | 宮城 | セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21) | 17:00/18:00 | GIP | 022-222-9999 |
20 | 11.15 (日) | 宮城 | セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21) | 16:00/17:00 | GIP | 022-222-9999 |
21 | 11.20 (金) | 兵庫 | 神戸ワールド記念ホール | 18:00/19:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
22 | 11.21 (土) | 兵庫 | 神戸ワールド記念ホール | 17:00/18:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
23 | 11.23 (月・祝) | 兵庫 | 神戸ワールド記念ホール | 16:00/17:00 | サウンドクリエーター | 06-6357-4400 |
24 | 12.02 (水) | 東京 | 国立代々木競技場第一体育館 | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
25 | 12.03 (木) | 東京 | 国立代々木競技場第一体育館 | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
26 | 12.08 (火) | 東京 | 国立代々木競技場第一体育館 | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
27 | 12.09 (水) | 東京 | 国立代々木競技場第一体育館 | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
28 | 12.11 (金) | 東京 | 国立代々木競技場第一体育館 | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
29 | 12.15 (火) | 東京 | 国立代々木競技場第一体育館 | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
30 | 12.16 (水) | 東京 | 国立代々木競技場第一体育館 | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
31 | 12.19 (土) | 愛知 | 日本ガイシホール | 17:00/18:00 | サンデーフォークプロモーション | 052-320-9100 |
32 | 12.20 (日) | 愛知 | 日本ガイシホール | 16:00/17:00 | サンデーフォークプロモーション | 052-320-9100 |
33 | 12.26 (土) | 福岡 | マリンメッセ福岡 | 17:00/18:00 | キョードー西日本 | 092-714-0159 |
34 | 12.27 (日) | 福岡 | マリンメッセ福岡 | 16:00/17:00 | キョードー西日本 | 092-714-0159 |
■2016年 | ||||||
公演日 | 都道府県 | 会場 | 開場/開演 | お問い合わせ | ||
35 | 01.16 (土) | 新潟 | 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター | 17:00/18:00 | キョードー北陸チケットセンター | 025-245-5100 |
36 | 01.17 (日) | 新潟 | 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター | 16:00/17:00 | キョードー北陸チケットセンター | 025-245-5100 |
37 | 01.23 (土) | 群馬 | ヤマダグリーンドーム前橋 | 17:00/18:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
38 | 01.24 (日) | 群馬 | ヤマダグリーンドーム前橋 | 16:00/17:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
39 | 01.30 (土) | 静岡 | 静岡エコパアリーナ | 17:00/18:00 | サンデーフォークプロモーション静岡 | 054-284-9999 |
40 | 01.31 (日) | 静岡 | 静岡エコパアリーナ | 16:00/17:00 | サンデーフォークプロモーション静岡 | 054-284-9999 |
41 | 02.03 (水) | 愛知 | 日本ガイシホール | 17:30/18:30 | サンデーフォークプロモーション | 052-320-9100 |
42 | 02.04 (木) | 愛知 | 日本ガイシホール | 17:30/18:30 | サンデーフォークプロモーション | 052-320-9100 |
43 | 02.09 (火) | 千葉 | 幕張イベントホール | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
44 | 02.10 (水) | 千葉 | 幕張イベントホール | 18:00/19:00 | キョードー東京 | 0570-550-799 |
■チケット代金 : 全席指定 8,800円(税込)
【コンサート総合インフォメーション】
オン・ザ・ライン TEL:0180-993-995(24時間音声案内) / URL: http://namieamurolivetour-ontheline.jp/