恋愛にまつわる心模様を絶妙に描き、恋する女子たちの絶大な支持を得ている注目のシンガーソングライター、藤田麻衣子がメジャーデビュー以来初となるアルバム『one way』を発売する。
今作にはメジャーで発表したシングル2作品「涙が止まらないのは」と「この恋のストーリー」を始め、クリス・ハートがカバーし話題となった「手紙 〜愛するあなたへ〜」や、配信限定でリリースされている人気ゲーム「白華の檻 〜緋色の欠片4〜 四季の詩」のオープニングテーマ「サクラ」とエンディングテーマ「胸が熱い」など、全12曲を収録。因みにタイトルの「one way」は“一方通行”の意で、片思いの恋から始まり、出会いや別れ、結婚まで、誰もが日常で感じる様々な感情や恋心を詰め込んだという。
改めて聴いてみて思うのは、藤田麻衣子は心を貫くように気持ちよく伸びる高音と、耳に親しみやすいメロディ、そしてありふれた分かりやすい言葉で胸を打つ物語を綴る、という彼女独自のスタンダードを確立しているということだ。その意味でこのアルバムはハズレ曲なしの、どこから聴いても藤田ワールドが広がる仕上がりになっている。女性ファンが多いとされる彼女だが、ここに歌われているのは恋する女心だけではなく、時には男目線の物語があるなど、手を変え品を変えて若者のリアルを描いており、男女を問わず共感できる曲ぞろいだ。
その中でもアルバムのラスト3曲、「名古屋まつり」のために書き下ろしたという合唱曲「STEP」と、男女の別れを絶妙なシチュエーションから描く「二回目のさよなら」、そしてライブのアンケートではいつも聴きたい曲ナンバーワンで、今回ボーナストラックに初めてCD収録された「あなたは幸せになる」の怒涛のラスト3連発が、胸をキュンとしめつける(そういう意味ではボーナストラック収録盤がお薦め)。
そんな彼女から今回のアルバムに寄せて書面でのインタビューと動画コメントが届いた。さらに本人の動画コメントも近日公開!こちらも合わせてお楽しみ下さい。
──今日はよろしくお願い致します。実は、今年6月に六本木EXシアターで開催された「GO LIVE VOL.2」で、藤田麻衣子さんのライブを初めて拝見しました。そのライブのMCで「歌詞から曲を作る」とおっしゃっていました。そのことが強く印象に残ったので、最初にお聞きしたいのですが、歌詞から曲を作るようになったキッカケをお聞かせいただけますか?
初めて歌を書いたのは20歳の時でした。いつも友達に恋愛の話などをしていて、何回も同じ話をすると呆れられていたのですが、ある時紙に書き出してメロディをつけたら歌ができ、それを友達に聴いてもらったら、何回も聴いていてくれたので、「これだ!はけ口を見つけた!」と思いました(笑)。
それから、伝えたいことは歌にするようになりました。今でもずっと、言いたいこと・伝えたいことである歌詞がないと、メロディがつきません。
──それでは、いよいよ10月29日(水)にリリースされる『one way』についてお聞きします。まず、アルバムタイトルは、どのように決められたのですか?
アルバムのタイトルも1曲目も、「one way」にする!とずっと言い続けていました(笑)。
理由はシンプルで、「one way」の歌で勝負したかったからです。自分が歌いたい歌詞、曲、世界観、らしさが全部出せた1曲になりました。
同時に思ったのは、メジャー1st ALBUMなので、“one”がついているのもいいなぁと。
──『one way』の制作にあたって、ご自身が特に意識した、こだわったのは、どのようなところでしょうか? また、インディーズ時代と今回のメジャー1stアルバムの制作を比べて、今までと違ったことや、また、ご自身が意識して変えたことなどもありましたら、お聞かせいただけますか?
今回は、インディーズの最後にリリースしたフルアルバムから2年3ヶ月ぶりの作品で、この期間のインディーズでリリースしたシングルや配信シングル曲も、メジャーのシングルも入れることにしました。
シングル曲がとても多く、新曲の枠が限られていて、さらに新曲もタイアップのお話をいただいて書き下ろしたりと、半分ベストアルバムのような気持ちです。
制作では、新しい人や環境でできることがいくつもあり、特にエンジニアさんへの要望が昔より色々と増えて、「わからなかったことがわかるようになってきたな」と、実感がありました。
──続いて、収録曲についてお聞きします。藤田さんが1曲目にする!とずっと言い続けていたという(笑)、そのタイトルナンバー「one way」は、どのような楽曲に仕上がりましたか?
「one way」は一方通行という意味なのですが、一方通行の思いって、片思いだけじゃなく両想いでもあると思うのです。
歌詞にもありますが、バイバイした後、こちらは姿が見えなくなるまで見つめているのに、向こうは振り向かないで行ってしまう時、私は気持ちの大きさの差を実感したりします。
「ねぇ振り向いてよ・・・」っていう、切なさや悲しさや怒り(笑)をこの歌に込めました。
打ち込みとストリングスと無数のコーラスが混沌とする楽曲なのですが、子どもの頃からの趣味だった声の多重録音が活きました。
「カオス」を目指していろんな声を重ねたのですが、コーラスの部分を「ah」か「oh」かどちらで歌うか迷い、日をあらためてまた気になるから録り直して、1時間くらい「ah」か「oh」か悩み、とうとう制作スタッフから「どっちでもたいして変わらんから決めろ!」と怒られ(笑)、結局「ah」にしました。自分には大事なこだわりが・・・。
──物語の展開で印象的だった曲が、2曲目の「金曜日、君のいない初雪」です。この曲は、いつ頃、どのようなキッカケから制作されたのですか?
インディーズでリリースした5枚のフルアルバムに、それぞれ1曲ずつ「◯曜日◯◯」という歌があります。ミディアムテンポのナンバーの曜日シリーズをずっと続けてきたので、今回も作ろうと思っていました。
金曜日と火曜日の歌だけがまだなくて、アルバムは秋に出るので、主人公は男性、季節は冬の歌にしようと思いました。
自分が、マニキュアを3.4日に1度塗り替えているのですが、マグカップにマニキュアが付いてしまっている様子を見て、このドラマが一気に浮かび、歌詞にしました。
──8曲目の「オレンジ」では、歌を書き始めてからこれまで歌詞に意識して使わなかったという言葉「愛」が登場していますが、他の収録曲で、これまで歌詞に使わなかった言葉や表現を用いた楽曲や、また、音の面で新たな試みに挑戦した楽曲は、ありますでしょうか?
ボーナストラックの「あなたは幸せになる」で、初めてアレンジに挑戦しました。
曲では、アップテンポなナンバーが、どれも自分の中では新鮮です。
「金曜日、君のいない初雪」「この恋のストーリー」「オレンジ」は、今までの曲にはない感じのものが作れたと思います。
──9曲目の「手紙 〜愛するあなたへ〜」は、歌詞とメロディーがストレートに心に響いて、結婚式で新婦に歌われた日には、世の親御さんたちは号泣必至ではないでしょうか。作詞、作曲にあたって特に意識したところや、また、苦労したところなどはありましたか?
歌詞は、書きたいエピソードがありすぎて、納得いくものができずに、ver.12くらいまで書き直しました。最後は名古屋の実家に帰り、昔のアルバムをお父さんと見ながら思い出を聞かせてもらい、やっと歌詞が完成しました。
歌詞は、私の家だけじゃなく、どこかの屋根の下でも、あるかもしれないエピソードを選んでいきました。曲は、私じゃない誰かが歌っても歌いやすいようにと、心がけました。
自分にとっては、今までにない試みで苦しかったですが、書き上げられてよかったです。
──また、10曲目のタイトルが「サクラ」、「胸が熱い」の歌詞には“春のにおいがする”、“桜の木の下”、“桜咲く道歩く”、「涙が止まらないのは」には“桜が散るその前に”、「つぼみ」の歌い出しが“春風が木々を揺らす”、そして「STEP」には“毎朝学校まで通っていた桜通線”と、偶然かもしれませんが、収録曲に「桜」や「春」という言葉が多く見受けられるように思いました。藤田さんは、歌を作る上で、桜や春に何か特別な想いがありますでしょうか?
桜や春は大好きですね。花粉症だけ嫌ですが。景色が浮かびやすくて、桜の歌は他にも多いですね。
桜通線は、実際にいつも使っていた地下鉄がたまたま桜通線という名前で、きれいな名前なので昔から大好きです。
──11曲目の「STEP」は、藤田さんの地元・名古屋で開催される「名古屋まつり」のPRソングとして書き下ろしたそうですが、「名古屋まつり」のPRソングを担当されて、いかがでしたか?
私にとって名古屋は、20歳まで過ごした場所で、「名古屋=友達や家族」が一番に浮かびます。なので、名古屋の歌を書こうと思って、地元の友達に電話をしました。懐かしい話をたくさんして、「あの頃は楽しかったね」とついつい言ってしまうけど、「“私たちこれからだ”って思わなきゃ!」とも思いました。
名古屋を思い出しながら、今、いろんな人に伝えたいメッセージを書きました。
──12曲目の「二回目のさよなら」は、別れた恋人の家に荷物を取りに行くという設定から場面場面の描写、「寝癖も残ってる」などキャラクターがパッと浮かぶ人物描写も見事で、とてもリアルな印象を受けました。この歌詞は実体験ですか?(笑)
別れた恋人の家に荷物を取りに行ったことは、確かなかったような気がするので、そのまま全て経験談の歌ではありませんが、部分部分がいろいろと実体験です。
こういう思いは、本当に感じたことがあります。実際に歌を書いたのは数年前なのですが、今の方がよりこういう気持ちがわかるようになって、レコーディングの時は気持ちが入って大変でした。
この歌は初め、タイトルが「エピローグ」だったのです。恋の物語のその後の出来事という意味で。結局タイトルは「二回目のさよなら」の方にしましたが、存在としてはやっぱりエピローグの役割になってほしいなと思いました。
──初回完全限定盤には、2013年10月に行われた日本武道館の弾き語りワンマンLIVE映像が80分を超えるフルサイズで完全収録されたDVDが付いていますが、日本武道館ライブを振り返って、いかがですか?
「つぼみ」を武道館で8000人のみなさんとコーラスをレコーディングしたのですが、この武道館を見に来ていただいてメジャーデビューが決まったので、本来は「つぼみ」をインディーズで次に出すシングル曲にするつもりでした。
他にも数曲書いて、何度も書き直して、前日の23時にやっとできあがったばかりで、初お披露目の一か八かレコーディングでした(笑)。この日来てくださったみなさんの団結力に救われました。
──そして、メジャー1stアルバム『one way』のリリース後は、10月31日(金)よりアルバム発売記念の東名阪フリーライブツアーを開催し、11月15日(土)からは年明け1月まで続く全国ツアーがスタートしますが、最後に、フリーライブ、全国ツアーに向けての抱負をお聞かせいただけますか?
各地にいるみなさんに会いに行けるので、やっぱり全国ツアーは楽しみですね。年間でいろんな日がありますが、「アルバム」と「ツアー」にいつも向かって進んでいるというか、私の核はその2つだと思っているので、どんなものをお見せできるか、がんばろう!と思っています。
いつもツアーは、みなさんと一緒にライブをして、やっと出来上がるというか、みなさんと一体になったり通じ合ったりする喜びがすごくあります。
年齢性別に関係なく、みんなでリラックスして楽しめるようなライブにしたいと思っているで、ぜひ、初めての方やお一人で来られる方にも、安心して参加してほしいですね。
〈Live〉
【フリーライブ】
■藤田麻衣子メジャー1st アルバム「one way」発売記念
東名阪フリーライブツアー〜フジタマのワンウェイ!!〜
2014年10月31日(金)【東京】神田明神 18:00〜
2014年11月1日(土)【大阪】あべのキューズモール3Fスカイコート 17:00〜
2014年11月2日(日)【名古屋】アスナル金山アスナル広場 @13:00〜 A16:00〜
【全国ツアー】
■藤田麻衣子「LIVE TOUR 2014-2015 〜one way〜」
2014年11月15日(土)【横浜】横浜ランドマークホール(弾き語り)
2014年11月23日(日)【札幌】CLUB DUCE(弾き語り)
2014年11月24日(月・祝)【札幌】CLUB DUCE(弾き語り)
2014年12月6日(土)【神戸】Kobe SLOPE(弾き語り)
2014年12月7日(日)【神戸】Kobe SLOPE(弾き語り)
2014年12月20日(土)【福岡】イムズホール(弾き語り)
2014年12月21日(日)【広島】広島 CLUB QUATTRO(弾き語り)
2014年12月23日(火・祝)【徳島】徳島市シビックセンター(弾き語り)
2015年1月8日(木)【大阪】なんば Hatch(バンド編成)
2015年1月9日(金)【名古屋】Zepp Nagoya(バンド編成)
2015年1月12日(月・祝)【仙台】仙台市民会館小ホール(バンド編成)
2015年1月17日(土)【東京】中野サンプラザホール(バンド編成)
2015年1月18日(日)【東京】中野サンプラザホール(バンド編成)