今回のシングル、タイトルと同名の「幸せな日々を君と」は、そもそも2011年の「CHRISTMAS CONCERT 2011 LOVE SONGS FOR WOMEN」で初披露された楽曲で、ライブのリハーサルで初めて耳にした瞬間からスタッフ間でシングル発売化が検討されたという。従って、2012年3月に発売された「CHRISTMASCONCERT 2011 LOVE SONGS FOR WOMEN」LIVE DVDには未収録となり、ファンの間で秘蔵の1曲として語り継がれていく楽曲となった。
もともと「幸せな日々を君と」は清木場の親友であり、共作者でもある川根来音の結婚式のために清木場自身が作詞、作曲を手掛けた作品だ。因みに川根来音は、清木場が地元の路上で弾き語りをしている頃からの音楽仲間で、清木場がソロ活動を始めると、右腕として、後輩として、共作者として、盟友として、清木場を支えている存在だ。
この曲について清木場は「新郎新婦に贈る唄は、ただ愛している、ただ幸せなだけでは、大切なものが足りないと思いました。「結婚は人生の墓場」という言葉みたいな、否定的な気持ちではないけど、愛の意味をしっかり捉えていないと、暮らしていけないってことを伝えたいと思いました。音楽的には、式のBGMになっても心地良く響く曲にしたかったので、あえて大きく展開しないサビにして、唄い上げる系のメロディにもしませんでした。」と語る。
また、今回のアレンジとサウンド・プロデュースを手掛けたのは武部聡志。武部の荘厳かつクラシカルな仕上がりと清木場の強靭かつシルキーな唄声がストリングスに支えられ、美しく響く一曲に仕上がっている。さらにドラムは村石雅行で、村石もまた、清木場がリスペクトするアーティストの一人。武部のピアノ、そしてアレンジしたストリングスが壮大なサウンドの広がりを生み出し、村石の叩くドラムがこの曲のクライマックスとなっている。
一方c/wの「名も無き花」は清木場の作詞、川根来音が作曲を手がけたこちらもバラード。この曲について清木場は「彼が書いて、まだ世に出していない曲を聴き直しているときに見つけました。彼の話だと、アルバム『ROCK & SOUL』(2010年)に向け、曲作り合宿と称して、二人で行った沖縄で書いたメロディのようです。当時は、同じ傾向のメロディが他にもあって、そっちを「なつかしい夢」という唄にして発表しました。でも、今はこの手のメロディが何曲かあってもいいと思うくらい、今の僕の好みに合っています。朝、起きたとき、夜、寝るとき、まったりできる曲です。ラストのハープは、2テイクくらいしか録っていませんが、自分ではうまくはまったと思っています」と語った。
ソロ活動10年目という節目の年に、時を経てほどよく熟成した清木場の魅力がつまっている1枚となった。