相川七瀬と岡本真夜がコラボレーション。しかも二人の「ダブルネームシングル」という珍しい形態のシングル盤が発売となった。
その話題の曲は「桜舞い降りる頃、涙色 feat.mayo/ 相川七瀬」、同じシングル盤に相川七瀬と同じこの曲を歌った岡本真夜バージョンが同時収録されているのだ。1 枚のシングル盤に歌い手違いで、アレンジ違いの同一曲が収められるのは見たことがない。この珍しい形態はいかにして生まれたのだろうか?
そもそも楽曲「桜舞い降りる頃、涙色」は、作詞を相川七瀬、作曲を岡本真夜が担っている。ふたりのコラボは初めてだが、岡本は95年5月に「TOMORROW」で、相川は半年後の同年11月に「夢見る少女じゃいられない」でデビューを果たしたいわば同期で、当初から親交が続いており、現在はママ友としても親しい間柄であるという。そして同じ曲を各々が歌い1枚のシングルに収めてしまうというアイデアも、ママ友のランチから生まれたのだという。
楽曲そのものはもともと相川七瀬が自身のシングル曲用に岡本真夜に作曲を依頼していたもので、昨年11月頃に、二人がママ友とランチをとりながらデモバージョンを披露したところ、「岡本真夜バージョンも聴きたい」との声が上がり、早速、相川七瀬がレコード会社に打診、今回の「ダブルネームシングル」の実現に至ったそうだ。
肝心の楽曲はといえば、まず、相川七瀬バージョンは、ギターにマーティ・フリードマン、ドラムにLUNA SEAの真矢が参加し、96年に発売になった「恋心」を彷彿させるようなロッカ・バラード・ナンバーで、まさに20年後の「恋心」を感じさせる内容に仕上がっている。一方、岡本真夜バージョンは、桜の花びらが散りゆく様を想像させるイントロのピアノが印象的なしっとりとしたアレンジだ。こうして1枚のシングルの中に、見事に二人のアーティストの個性が、それぞれくっきりと描かれることとなっている。しかもお互いの曲に、それぞれがコーラスに参加するという粋な計らいも見せている。因みに同梱のDVD収録のミュージックビデオは岡本バージョンはなく、相川バージョンのみ。相川七瀬が幻想的な花吹雪の中で、ファンには嬉しいママ友どこ吹く風といった美貌ぶりをアピールしてくれる。
本邦初公回となった「ダブルネームシングル」の出来栄えについては「デモを聴いた瞬間に、本当に鳥肌が立ちました。この切ないメロディに合う言葉を見つけるまで、とても時間がかかりましたが、桜と涙色というのが、私のこの曲から受け取ったメッセージです。みなさんに気に入ってもらえたら嬉しいです」と語る相川に対して、岡本は「私なりの相川七瀬さんのイメージで作った曲です。相川さんのファンの皆様にも喜んで頂けたら嬉しいです」と語る。1枚のシングルで、是非ともその違いをゆっくりと味わって欲しい。