2009年10月、ダウンロードシングル「白朝夢」でデビュー。杉本雄治(ピアノ&ヴォーカル)、奥野翔太(ベース)、河邉 徹(ドラム)というギターレスの編成で、独自の音世界を築いてきたWEAVER。
昨年は、3月から5月にかけて、全国31箇所33公演に及ぶライヴハウスツアー“WEAVER Live House TOUR 2012「Piano Trio Philosophy 〜do YOU ride on No.66?〜”を敢行。既に渋谷公会堂を始め大ホールでのライヴも経験している彼らが、敢えて臨んだライヴハウスツアー。楽器の搬入・セッティングも自分達で行い、3人だけでステージに立ち、3ピース・ピアノバンドWEAVERの原点を再認識したと言う彼らが、デビューアルバム『Tapestry』(2010年2月)以来となるセルフ・プロデュース・アルバム『Handmade』をリリース。
メンバー自身が“WEAVERの代名詞になるような自信作”と言い切る、渾身の1枚。いったいどんな想いが込められているのか。メンバー3人からのビデオメッセージ&インタビューをお届け!!
──ニューアルバム『Handmade』がいよいよリリースに。まずは、どんな手応えを?
杉本雄治(以下、杉本):2012年は“3人だけで作る音楽をもう一度見つめ直し、新たな可能性を探っていく”ということをコンセプトにやって来たのですが、この1年間に挑戦してきたことをアルバムとしてカタチにすることができ、3人で音楽を作っていく自信がより強く持てました。
奥野翔太(以下、奥野):WEAVERの代名詞になるような、自信のある作品が出来たと思います。
河邉徹(以下、河邉):今やりたいことを形にできたアルバムになりました。3人の音とアイデアが詰まったアルバムです。
──昨年は3月から5月にかけて、ライヴハウスツアー“WEAVER Live House TOUR 2012「Piano Trio Philosophy 〜do YOU ride on No.66?〜”を敢行。ライブハウスツアーを経てのアルバム制作となったわけですが?
河邉:3人だけで回ったライブハウスツアーは『Handmade』の制作に大きく影響したと思います。このツアーではライブ中にセッションのように楽器だけでお客さんに楽しんでもらうシーンを作ったのですが、そういった経験がすごく大きかったです。
杉本:グルーヴ感が磨かれたのはもちろんですし、毎回のセッションは、アルバム1曲目の「Performance」のようなインスト曲を作るきっかけにもなりました。
奥野:ツアーでのあらゆる挑戦を経て、3つの楽器が持つ可能性はまだまだあるんだということに気づいたのが大きかったですね。
──アルバム制作に当っては、その都度、事前に全体のコンセプトやテーマをお決めになるのでしょうか?今作に関しては、テーマやキーワードなどはありましたか?
河邉:アルバムを作る前に、コンセプトを決めるということはあまりしませんが、曲が集まってくると、1つの共通点が見えてくるように感じます。『Handmade』に関しては、“3人だけの力で仕上げる”というのがテーマになっていました。そこさえブレなければ自由に制作できるという気持ちでした。
──アルバムタイトル『Handmade』には、どんな意味・想いが?
杉本:2012年にイメージしてきたものを自分たち3人の手でカタチにしていくという想いですね。
奥野:まさしく手作りの、想いがこもったアルバムです。
河邉:同じくセルフプロデュースである僕達のデビューアルバム『Tapestry』にどこか繋がるような言葉で、それでいて“想いを込めて3人で作り上げた”と言うニュアンスが感じられる言葉はないかなと考えて、『Handmade』というタイトルになりました。
──これまでは、亀田誠治さんプロデュースでしたが、セルフプロデュースとなって一番の違いは?
奥野:制作における道のりで、壁にぶつかったり迷うことがあっても、全てを自分たちの意思で選択し、突き進んで行くしかないというのが大きな違いですね。
河邉:どんな答えを出しても、まだもっと良いものがあるのではないかと迷ったり…。
杉本:第三者として客観的にジャッジしてくれる方がいないので、時間はかかりましたが、ひとつひとつをより話し合って、良いと思うものを追求して行きました。
──楽曲作りについて伺います。杉本さん・奥野さんが作曲をして、歌詞は河邊さんが書くというスタイルは最初から?
杉本:高校時代のバンド結成当初は、3人とも歌詞を書いていたのですが、自然と言葉で表現するのが得意な河邉が書くようになっていきました。
奥野:バンドが本格的に始動した頃には、杉本が作曲、河邉が作詞というスタイルが定着していました。僕が作曲を始めたのはここ数年です。
──作曲は、どんな時にどんな風に?楽器は何をお使いになりますか?
杉本:僕の場合は、まずは頭の中でメインリフや核となるメロディを作って、そこからPC上で色々な楽器を鳴らして構築していきます。僕自身はピアニストですが、ピアノは最後にアレンジしていく事が多いです。
奥野:僕は、音楽や映画などにインスパイアされて、曲を作りたい!というテンションになっている時に、まずは頭の中で3人が演奏してるシーンを思い浮かべて、そこに流れているメロディーやリフをピアノを使って形にしていきます。行き詰まった時は、曲のテンポやキーを変えてみたり、違う楽器で演奏してみることで新しいインスピレーションが浮かんでくることがあります。
──作詞は、どんな時にどんな風に?手書きですか?
河邉:最近は、カフェやファミリーレストランで作詞することが多いですね。行き詰まった時にその感覚を持って帰って来なくて済むので。携帯に書く事が多いんですけど、1つの曲について一番最初に集中して書くタイミングの時はノートに書きます。その方がイメージを書きやすいです。
──ご自身で感じている“独特な作詞法”というのはありますか?
河邉:独特かどうかはわかりませんが、自分の考えを人に話すことで、整理されたり新しい言葉や価値観を得ることができる時があります。
──『Handmade』は全曲がWEAVER編曲ですが、アレンジやサウンド作りはどんな風に?
杉本:全体的なアレンジは、作曲者がイメージするものに寄り添うように3人で話し合って進める事が多いですが、今回は、よりバンド感が出るアレンジにしたくて、スタジオでセッションしながら作る部分もたくさんありました。
河邉:3人の音を最大限に生かすアレンジを考え、ピアノトリオならでは音楽を目指したつもりです。
──特に“この曲のここにはこだわった”という思い入れの強い曲や、“この曲のココに苦労した”という印象深い曲があれば、それぞれお聞かせください。
杉本:普段は、まず3人一緒に演奏して曲の骨格を作って行くのですが、今回「Free will」はそれぞれバラバラに録音し、更にはドラムの音もタム、スネアと1つずつ録っていきPC上で組み合わせていくという手法をとりました。結果、生っぽさと機械的なグルーヴ感が混ざった、独特な空気感を出すことが出来たと思います。
河邉:この曲のドラムは、1つ1つ曲が求めている音を考えて録っていったので、是非聴いてもらいたいです。
奥野:僕は、「ふたりは雪のように」のベースのリフを是非聴いてほしいですね。多弦ベースならではのフレーズでお気に入りです。
──歌詞サイトという事で、特に歌詞に関してお聞きしたいのですが。歌詞に関しては、事前にみなさんで話し合ったりする?
河邉:多くは僕が自由に書きますが、曲によっては作曲者からこんなイメージ、というのを伝えられることもあります。今回のアルバムでは、「The sun and clouds」という曲は、杉本から“生命力”というキーワードをもらって歌詞を書きました。
──河邊さんは、作詞の際に、杉本さんが歌うという事を意識して書きますか?
河邉:もちろん意識して書きます。それがとても大切なことだと思います。
杉本:この歌詞の世界観なら、こういう事を言いたいなど、2人で話し合って、僕が歌う言葉に寄り添ってもらうこともあります。
──WEAVERが歌うべき言葉という事を意識しますか?みなさんが思っているWEAVERらしい歌詞とは?
杉本:WEAVERらしいというのは特にない気がしますが、やはり聴くことで希望が持てる世界観は意識しています。
奥野:杉本が歌って違和感のない言葉。でも、そこに囚われ過ぎないのも大事だと思っています。
河邉:歌うべき言葉というのは誰もわからないと思います。ですが、どんな歌も最終的にプラスの方向に向かうものでありたいと思っています。
──制作中、特に思い出深いエピソードなどあれば、お聞かせください。
杉本:初めて弦アレンジを全て1人で作り、カルテットのディレクションまで自分でやりました。すごく緊張しましたが、他のプレイヤーと音楽を作る勉強にもなりましたし、自信にも繋がりました。
奥野:今回は、こだわってコーラスをたくさん入れているんですが、メインの歌録りよりも時間がかかりました。コーラスの部分の歌詞が決まらない時は、とりあえずそこらへんにあるお菓子のパッケージに書いてあるフレーズなどを英語っぽく歌ってみる、などして楽しかったです。
河邉:レコーディング中の休憩の時の話しなのですが、みんなでピザやナンを机に広げて晩ご飯を食べました。それぞれで食べるのとは違い、レコーディングの合間にパーティーのような気持ちになりました。
──アルバム・リリース後のご予定は?
杉本:3月20日から全国ツアー“WEAVER Handmade TOUR 2013「Piano Trio Performance」”が始まります。さらに進化した3人で鳴らす音楽を届けたいと思います。
奥野:たくさん新曲が増えたので、これまでとは全然違うライヴになると思っています。
河邉:今回のツアーは、タイトルに“Performance”という言葉が入っているように、ライヴでしか感じることのできない要素をふんだんに組み込んだものにしていきたいと思っています。
──2013年は、アルバム『Handmade』と共に幕開けとなりましたが、今年の抱負をお聞かせください。2013年は、どんな年にしたいですか?
奥野:2012年にバンドが蓄えてきた力を爆発させることが出来る1年にしたいです。
河邉:新しいことにたくさん出会う年にしたいですね。
杉本:僕たちとお客さんが一番繋がれる場所は曲とライヴだと思うので、2013年中にもう1枚アルバムを出すぐらいの気持ちでたくさん繋がって行きたいです。
WEAVER Handmade TOUR 2013
「Piano Trio Performance」
■3月20日(水・祝)仙台 Rensa
■3月23日(土) 札幌 PENNY LANE24
■3月30日(土) 新潟 LOTS
■4月06日(土) 高松 MONSTER
■4月07日(日) 広島 クラブクアトロ
■4月13日(土) 福岡 DRUM LOGOS
■4月14日(日) 大阪 Zepp Namba
■4月20日(土) 名古屋 Zepp Nagoya
■4月21日(日) 東京 Zepp DiverCity