前作から約4年ぶりに、ベストアルバム『EXILE BEST HITS -LOVE SIDE / SOUL SIDE-』をリリースするEXILE。『LOVE SIDE』『SOUL SIDE』の2枚組で構成された今作は、ヒットソングばかりが名を連ね、EXILEの11年の歴史が詰まった、まさに“ベスト”という言葉がぴったりの究極の作品になっている。ヴォーカルのATSUSHI、TAKAHIROに、今作に収録されている新曲「Sun is rising again」(SOUL SIDE)、「Bloom」(LOVE SIDE)について、今作に込めた想い、そしてEXILEのこれまでの活動を振り返ってみて感じることなどを直撃。
──12月5日に、2枚組のベストアルバム『EXILE BEST HITS -LOVE SIDE / SOUL SIDE-』が発売となります。リリースするにあたり、現在の率直な感想をお願いいたします。
ATSUSHI:僕らにとって約4年ぶりのベストアルバム。14人のEXILEの集大成的なアルバムになったと思います。こうして1曲1曲を改めて見ていくと、すごくテーマ性が強い楽曲ばかりで、しっかりと意味を持って活動して来られたという実感が湧いてきます。やっぱり僕らは、つねに進化することを目指していますし、だからこそ前作よりもさらに“ベスト”な内容になっていると思います。EXILEの歴史を感じながら、皆さんに笑顔が溢れること、元気になっていただけることを願っています。
TAKAHIRO:08年に発売した『EXILE BALLAD BEST』から約4年の歳月を経た、久しぶりのベストアルバムなので、収録されている楽曲をとおし、改めていろいろな思い出があるな、と感じています。これまでのEXILEの代表曲たちが集まったアルバムになっていて、まるで写真のアルバムを1枚1枚めくっているような感覚に近いですね。こうして一度振り返ることで、EXILEとしてまた新たな可能性を切り開いていけるようなベストアルバムに仕上がっていると思います。
──今作は2枚組。しかも新曲が2曲収録されていますね。アップナンバーを中心に構成された『SOUL SIDE』に収録されている、新曲「Sun is rising again」はどのような楽曲なのでしょうか?
TAKAHIRO:東日本大震災復興支援チャリティソングとして昨年リリースした「Rising Sun」は、“日本を元気に”というテーマをもとに活動している僕らを象徴している、中心にある曲。“EXILE魂”というテレビ番組をとおし、被災地で唄わせていただいたりと、僕らにとってすごく大きな意味をなしています。「Sun is rising again」は、そんな「Rising Sun」に想いがつながっていくような曲であり、"日本を元気に"というテーマで活動しているEXILEがこのアルバムを世のなかに発信することで、日本中の皆さんがもっともっと笑顔に、元気になってほしいという大テーマを掲げたような作品になっています。この楽曲が「Rising Sun」の序章として1曲目にあることで、より『SOUL SIDE』の持つ意味合いがギュッと引き締まったような気がしていますし、レコーディングの際は、心に大和魂をきちんと持って唄わせていただきました。
ATSUSHI:ベストアルバムを出すにあたり、アルバムのタイトルを「Rising Sun」にしようかという話もあったくらい、「Rising Sun」が自分たちにとってすごく大きな意味を持つ曲になっています。そのなかで、「Rising Sun」にもっともっと気持ちが入るように……、日はまた昇るんだっていう想いを込めて、「Sun is rising again」を「Rising Sun」の序章として収録しました。きっと「Rising Sun」が持つ意味がより濃いものになると思いますし、『SOUL SIDE』のスタートとして、気持ちを盛り上げて聴いていただけたらうれしいです。「Sun is rising again」「Rising Sun」と想いをつなげて、そこからEXILEの歴史を感じていただければと思います。
──「Rising Sun」には、本当にEXILEメンバー皆さんの強い想いが込められているんですね。
ATSUSHI:ここ近年のなかで、「Rising Sun」が“EXILE”というものをすごく表現している曲だと思っています。東日本大震災が起こって、改めて自分たちの在り方を見つめ直しました。 “日本を元気に”というテーマを掲げ活動していくにあたり、社会貢献って言えるほど大それたことをできているのかわからないですけれど、少しでも日本のために、皆さんのためになれたら……という一心で、改めてEXILE14人がひとつになった曲。東日本大震災がきっかけとなり、14人がひとつになったなんていう言い方は決してしてはいけないことだと思うんですけれど、あの出来事で改めて自分たちの使命ややるべきことを考え直し、自分たちを奮い立たせました。本気で自分たちの人生を懸けて活動していこうと決心した、今の自分たちを支えている曲でもあるのかなぁ、と思います。
──愛をテーマにしたバラード曲を中心に構成された『LOVE SIDE』に収録されている、「Bloom」はどのような楽曲になっていますか?
TAKAHIRO:この楽曲はATSUSHIさん提案のもと、HIROさんのご結婚を祝い、プレゼントした楽曲なんです。LDH所属のいろんなアーティスト達が一堂に会し、コーラスを入れて、お二人の前で唄わせていただきました。こんなに大勢で集まる機会もなかなかないので、個人的にも新鮮でしたし、いい思い出になりました。お二人に喜んでいただけたことが、何よりもまずすごくうれしかったですね。まさにEXILE流のお祝いの形であり、それをファンの皆さんにも聴いていただくことで、僕らの心からの祝福の気持ちを共有することができればうれしいです。幸せがたくさん詰まった、まさに“LOVE SIDE”な曲だと思います。
ATSUSHI:当初は『LOVE SIDE』に収録する予定はまったくなかったんですけれど……。もともと、HIROさんの結婚への祝福の意を込め、個人的にプレゼントしようと思って作った曲。HIROさんの結婚が決まって、HIROさんと奥さまにいちばん喜んでもらえる方法は何だろう……といろいろ考えていたなかで、奥さまの気持ちをHIROさんにプレゼントすることが、HIROさんはいちばんうれしいのかもしれない……というアイデアにたどりつきました。共通の友人に、奥さまの気持ちをよく知る作詞家の方がいたので作詞をお願いして、その歌詞に僕がメロディをつけてレコーディングしました。それだけでもよかったのかもしれないけれど、入籍の日に何かできないかなぁということで、ささやかなパーティを開くことになり、所属のみんなで大合唱したら、みんなの祝福の気持ちが届いて、いっそう喜んでいただけるんじゃないかということになったんです。HIROさんには内緒で、急きょ皆さんにコーラスを練習していただいて、覚えていただきました。お二人ともすごく感動してくださって、サプライズは大成功でした。そういう経緯があり、個人的にもEXILEメンバー、LDH的にもすごく想い入れのある曲。スタッフの方の提案で、ファンの皆さんにもぜひ聴いていただこうということで、今回『LOVE SIDE』に収録されることになりました。
──12年目に突入したATSUSHIさんですが、振り返ってみていかがですか?
ATSUSHI:このベストを発売することで、また新たなEXILEの歴史が始まります。EXILEをもっともっと輝かせていくために、新たなスタートをきって、さらに進化したEXILEを観せていかなければいけない。来年から、よりいっそうパワーアップした自分たちを観せていけるよう、現実的にどのようなことをやっていくのかということも含めて、これから本気でメンバーと向き合って話していかなければいけないな、と12年目に突入した自分としては感じていますね。
──TAKAHIROさんは、EXILEに加入して7年目に突入しました。これまでの活動を振り返ってみていかがでしょうか?
TAKAHIRO:加入当時を振り返ると、たくさんのプレッシャーがあったり、世間の声をどうしても意識してしまったり、自分との闘いもあったりと、紆余曲折あるなか、こうしてATSUSHIさんの隣で唄わせていだくことで、大きなヒントをたくさんいただきました。だからこそ、今の自分があると思っています。EXILEに加入してから今日まで、本当に濃い時間を過ごさせていただきました。ファンの皆さんをはじめ、たくさんの方々に支えていただきながら、今も唄わせていただいていることを心から感謝しています。現状に甘んじることなく、いい意味で妥協せず、引き続き精進していきたいと思います。
──それでは、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
ATSUSHI:まず『SOUL SIDE』は、自分が聴いていてもパワーをもらえて、元気になる曲ばかりが収録されていますし、『LOVE SIDE』はその名のとおり、本当に心温まる曲ばかりが収録されています。1曲1曲に、しっかり想いと心を込めて作ってきたからこそ、自信を持って “ベスト”と呼べる作品に仕上がったと思います。そして、2枚組というスタイルもお気に入りですね。元気になりたいときに聴くのは『SOUL SIDE』、ゆったりしたいときに聴くのは『LOVE SIDE』のように、シチュエーションや気分によって使い分けられますし、すごく聴きやすいと思います。
TAKAHIRO:“ベストアルバム”という形になり、僕ら自身も改めてEXILEの歴史をたくさん感じることができました。僕らの思い出やファンの皆さんとの絆がたっぷりと詰まった、個人的にも欲しくなる、素晴らしいベストアルバムになっていますので、ぜひ楽しんでいただけるとうれしいです。
interview&edit_桜井麻美