今年の2月10日にユウ(G&Vo)の脱退を受けての解散が発表されたGO!GO!7188。2000年のデビューから12年の活動に、惜しまれながら幕を下ろすこととなった。特に解散ライヴと銘打ったステージを観ることはできなかったが、3月28日に、彼らの事実上のラストライヴとなった「Go!!GO!GO!Go!!Tour」ファイナル、渋谷AX公演の音源を収録したライヴ盤『ラストライブオブゴー!ゴー!〜“Go!!GO!GO!Go!!Tour”Live8.7.2010 Tokyo』がリリースされる。
今作は3人で鍛え抜いてきたバンド・サウンドと、シンプルに削ぎ落とされたタフで絶妙なグルーヴ、そしてライヴ・バンドとしての誇りまでもが、ギュッと詰まった内容になっている。特に「リフレイン リフレイン」や「まやかしの世界」といった、最後のオリジナル・アルバムである『Go!!GO!GO!Go!!』に収録されている楽曲たちが、バンドを更なる高みへと進化させたGO!GO!7188ならではの輝きを放っている。
〈カフェインのせいで冴えた頭/疲れた体を眠らせてくれない〉と、ひとりきりで眠れないまま迎えてしまった朝の静けさと孤独を鮮やかに描いたアッコの歌詞を、ユウがクールな切なさで歌い上げる「リフレイン リフレイン」。そして自由に跳ねるようなメロディで〈ボクはどこにいてもボクだ/今もこの心削って生きているのさ〉と唄われるサビが印象的な「まやかしの世界」。更にアッコとユウがハモることを前提としたメロディが、唯一無二の世界観を生み出していた。まだ世に放たれたばかりだったこの楽曲たちを、もっともっとライヴで聴いていたかったな、としみじみ思うような素晴らしいテイクである。
そして、そんな最新アルバムのナンバーばかりでなく、ライヴで人気の「サンダーガール」や「浮舟」、彼らのデビュー曲でもある「太陽」が収録されているところも今作の聴きどころ。ライヴを重ねていくうちに個々のスキルがアップしても、3人の1曲1曲との向き合い方は変わらずに真摯かつピュアであり続けたし、そして年月が経っても色褪せることなくファンに愛され続けてきた名曲たちの佇まいが、このライヴ盤にもきっちりと刻まれている。
更に、ここ数年でシリーズ化(!?)していたコミカル・ヘヴィメタ的なナンバー「on the まゆ毛〜切りすぎて〜」から「あしのけ」の流れも、このバンドのライヴの醍醐味のひとつ。女の子ならではの、ちょっと笑える日常を身も蓋もなく描き出しながら、それをカッコ良く鳴らしてしまう様もさすが。そんな曲たちの間に挟まれたアッコやターキーの、お客さんへのパワフルな煽りMCも、それに応えるオーディエンスの熱気もばっちり収録された、今作はまさに“最後のプレゼント”的なライヴ・アルバムだと言えよう。
更にボーナストラックには未発表楽曲である「数え唄」も収録。〈ただ強くなりたかった あの日に背中押されてるんだ〉と唄われるこの曲は、GO!GO!7188のラスト・ナンバーとして感慨深く、ちょっと切なく心に響いた。まだ地元の鹿児島にいた高校時代、アッコとユウが放課後にカラオケでハモって遊んでいたことがきっかけで始まった、バンド・ストーリー。いつでも唄い出したくなるようなメロディとハーモニーを軸に、転がり続け、走り続けてきた彼らのサウンドは、ライヴでの多くのハイライトと共に、胸の奥でこれからも鳴り続けるだろう。デビューから12年、戦い続けてきたライヴ・バンドだけが残せる、素晴らしきライヴ・アルバムだ。
「ジェットにんぢん 2010」ラストライブ映像
「まやかしの世界」Music Video