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ゆず   ニューシングル「翔」リリース! “これからの日本の道しるべ”になるべき、 愛と希望が詰まった心強い1曲!
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「翔」
「翔」 SNCC-89919(初回盤/DVD付)
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シングル
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収 録 曲
01.
02.ムラサキ色
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ツアーでのたくさんの出会いを通じて感じたこと、  今の日本に生きていて感じたことを曲で表現したくなっていました。

2011年を締めくくるニュー・シングル「翔」をリリースしたばかりのゆず。
今年は、2月にアルバム『2 -NI-』をリリース。その後、全国ツアー“YUZU ARENA TOUR 2011 2-NI-”を予定していたが、東日本大震災から間もない時期とあって、全35公演のうち、前半は、使用電力を削減、セットも簡素化。ツアー・タイトルも“YUZU ARENA TOUR 2011 2-NI-×FUTARI”とし、2人だけの弾き語りを中心とした構成に変更。そうした経験も経て、5ヶ月に渡るツアーを終えて、生まれた新曲が「翔」だ。
スローバラードでもなく、アップテンポでもなく、これまでのゆずにはなかった新しいテンポ感。爽やかさと温もりとを併せ持った心地よいメロディーに、心強いメッセージが乗った、“これからの日本の道しるべ”となるべき1曲。
作詞・作曲は北川悠仁。ツアー・ファイナルを迎えた時に“すでに自分の中で新たな始まりという感覚が芽生えていた”と言う。

北川悠仁(以下、北川):ツアーをやる中でのたくさんの出会いを通じて感じたこと、今の日本に生きていて感じたことを曲で表現したくなっていました。僕らとファンの方々とを繋ぐ強い絆のような曲、優しくて強い曲ができないかなって。ツアー中に肌で感じたことは大きかったですね。待ってくれている人の存在こそが、ゆずをやる原動力になってるんだって再確認できた。なので、特定の誰かに向けてではなくて、聴いてくれる人すべてに届けられるものを作りたいなって。
34歳の男2人が、思いを込めて歌える等身大のテンポ感はどこにあるんだろうかって、かなり悩んだ結果、僕らがあまりやったことのないテンポに落ち着いたんですよ。甘くもしたくないし、きつくもしたくない。ちょうどいい頃合いを探していって、この形になりました。

ジャケットのイラストは、自身が描いたイラスト動画に歌を乗せる独自の手法で注目を集め“歌う絵師”の異名をとるアーティスト秋 赤音(あき あかね)による書き下ろし。印象的な“翔”の墨文字は、来年の大河ドラマ“平清盛”の題字も手がける、女流書家・金澤翔子によるもの。ダウン症という先天性の障害を持ちながら、書家として開花した彼女との出会いも、詞世界に大きな影響を与えたようだ。

北川:歌詞に関しては、自分の中でもこんなに言い切って良いんだろうかって迷う部分もあったんですが、たくさんの出会いが僕の背中を押してくれました。色々なタイトルが付けられる曲だったんですが、曲名は毛筆で書いてもらいたいなと思っていて、漢字一文字で相応しい言葉がないかなって探している時に“翔”という言葉が浮かんできたんです。それで、金澤翔子ちゃんに書いてもらえないかなと思って、彼女が個展をやっている時に、会いに行ったんですよ。彼女は身体に障害をもっているためお母さんと二人三脚でずっとやっていて、その道のりの中では大変なこともたくさんあったと思うんですが、乗り越えた先には素晴らしい作品がある。親子の絆の素晴らしさも感じたし、親子の中に真実を見たという実感があって、これは自分達と多くのファンの皆さんとの絆にも繋がるんじゃないかなと思って、そこからは迷いなく書いていきました。

ツアーの前半戦を弾き語りで回ったことは大きいですね。  ゆずの持ち味を再認識できたし、改めて最小の強さを感じられたんですよ。

歌い出しは、2人だけのギターの弾き語り。静かに、力みすぎる事なく、すがすがしいギターが鳴り、真摯な歌が聴こえる。そして、次第に力強く高揚していくドラマチックなサウンド。久しぶりの岩沢のハーモニカも効果的だ。アレンジには、ツアーメンバーでもあったキーボーディストの斎藤有太も参加。レコーディングは、ツアーの延長のような、アットホーム感とライヴ感の中で進行していったと言う。

岩沢厚治(以下、岩沢):アコギって難しい楽器で、しゃかりきに力込めて弾いたからと言って、いい音が鳴るわけではないんですよ。実は弦の表面1ミリぐらいをピックでサッと、かするぐらいの音がとても良かったりする。ツアーを経たことで、奏で方の理想もより明確になっていたので、頭の中で鳴ってる理想の音と照らし合わせながら、納得いくまでやらせてもらいました。どこまで弱くできるかの追求。歌に関しては何度も試行錯誤して録り直していたので、本チャンの歌録りの時にはすでに歌い慣れてるという珍しいパターン。それぐらいプリプロを詰めてやってた印象があります。
ツアーの前半戦を弾き語りで回ったことは大きいですね。ゆずの持ち味を再認識できたし、改めて最小の強さを感じられたんですよ。最近、シングルでアコギだけで始まる曲って意外となかったんですが、これでいいんだって信念を持って作っていけました。
北川:コーラスも楽しかったです。ツアーのリハーサルでもみんなでコーラスの練習をする場面がたくさんあって、みんなで声を出しながら演奏するのっていいなと思っていたので、そのことが反映したんだと思います。Dメロはメチャ難しくて、結構変な和音にもなってるんですけど、合間をみつけて入っていって、重なったときに、“うわーっ、すごい!”って(笑)。あのコーラスワークは有太さんの今回のキモになってる気がします。
岩沢:ハーモニカも久々に吹きました。言葉を受けてというか、パスを受けての自分のプレイだと思うんで、歌の世界を生かして、次の歌に繋げていくという。イメージはタイトルどおり、飛翔する感じ。多分、デビュー当時は吹けなかったハーモニカだと思います。

c/wの「ムラサキ色」は、岩沢厚治の作品。♪一国沿いをひた走る まるでいつかの旅人だな〜という歌い出し。“一国”とは、東京から大阪へ至る国道1号線のこと。東京−横浜間をつなぐ道路でもある。夕暮れの国道を車を走らせながら、ムラサキに染まった空の色に一瞬心を奪われる。そんな主人公像が浮かんでくる1曲だが、岩沢自身が実際に国道1号線を車を走らせながら、アイディアが浮かんだ曲だと言う。

岩沢:東京と横浜を行ったり来たりすることがあって、普段は高速道路を使って一瞬で帰るんですけど、レコーディング終わりに下道で帰ってみようかなって思う時があって、その日のできあがりの音を何度もループしながら聴いて信号で止まったりしている時に、アイディアが思い浮かぶこともあって。そういう時間つぶしは結構好きなので、そんな瞬間から生まれてきた曲ですね。僕と同じ光景じゃなくていいんですけど、絵を想像しながら聴いてくれたらいいなって。
北川:「翔」がまずあって、「翔」に似合う作品が「ムラサキ色」だなって思うんです。「翔」は羽ばたく歌なんですけど、時にはもがいたり、悩んだりして、それでも羽ばたこうとうするところを歌いたくて。見下ろす歌じゃなくて、見上げる歌という。今回のシングルはそこは合致しているんじゃないかと思います。

アコギと歌だけという構成。夕暮れの寂寥感が伝わってくる、静かな音世界。音を重ねずにアコギと歌だけにこだわったのは、その世界を壊したくなかったからだと言う。

岩沢:こだわったのはボーカルのリバーヴ感とアコギの音。これで大丈夫なのかっていうくらいの弱々しさを大切にしました。「翔」は弱さの中の強さみたいなものがあるんですけど、それとは逆に、力強く弾いているのに、弱々しいイメージが感じ取れる曲にしたかった。楽器がシンプルな分だけ、音のニュアンスにはかなりこだわりました。一見弾き語りのシンプルな曲なんですけど、変な転調をしていたりするんですよ。でもそういう作りになっていることを悟らせないように、テクニックを使っているという。気をつけたのは世界観と強弱。しゃかりきに歌っているというものにはしたくなかった。歌ってる人の顔の表情が見えるといいなと。

シングルと同日にライブDVD『LIVE FILMS 2-NI-』もリリース。  スタッフ、メンバーと一緒にやりきってきた軌跡の記録。みんなでやりとげたぞっていう卒業アルバムみたいな作品です。

シングル「翔」と同日に、ライブDVD『LIVE FILMS 2-NI-』もリリース。弾き語りを中心としたツアー前半の模様ではなく、後半から展開した当初の予定通りの“YUZU ARENA TOUR 2011 2-NI-”を収録。初めてシューティング・ライヴを敢行し、これまでのライヴDVDとはまた違った作品となっている。ディスク2には、仁(じん)さん・岩(がん)さんで話題を呼んだThe feversの演奏が入っていたり、東北ツアーのドキュメントが入っていたりと、盛りだくさん。

北川:ツアー前半の“2-NI- × FUTARI”を映像作品として残すというのもありだったんですが、ライヴって僕たちにとってはひとつの夢だと思っているので、最初に描いた夢である“YUZU ARENA TOUR 2011 2-NI-”を作品として収めたいと思い、この形にしました。シューティングライブは初めてだったんですけど、通常では撮れないアングル、カメラワーク、最新の技術も駆使して、今までのビデオとは違う映像作品としての良さを追求した部分もあるので、かなり見応えのある作品になったんじゃないかと思います。
岩沢:今回はドキュメント性が強い作品というか、スタッフ、メンバーと一緒にやりきってきた軌跡が記録された作品でもあるんですよ。みんなでやりとげたぞっていう卒業アルバムみたいな。なので、余すところなく、観ていただければ。
北川:東北ツアーに関しては、僕らがそういう活動してる時に、多くの方が見守ってくれていたので、東北での自分たちの活動の報告にもなるかなって。
岩沢:The feversはちょっと毛色が違うので、同じディスクに入れると浮くかなって(笑)。
北川:色々な意味で思い出深い作品になりました。

“2”というキーワードのもとに紡ぎ出されたアルバム『2-NI-』でスタートし、2人だけの弾き語りというスタイルでのツアーも敢行した2011年。一連の『2-NI-』の活動がそのまま繋がって「翔」が生まれた。デビュー15周年となる2012年に向けて、新たな一歩を感じさせる作品となったが・・・。

岩沢:立ち止まってない感じはありますよね。『2-NI-』というアルバムがあって、“2-NI- × FUTARI”があって、“YUZU ARENA TOUR 2011 2-NI-”があって、東北公演もあって、ずっと『2-NI-』の世界を追求してきたんですが、そこからまた一歩、新しいところへ向かって行く予感を感じさせるシングルになったんじゃないかと思います。今回、こういうシングルを作ることができて、また次が楽しみになっています。来年は15周年の節目の年でもあるし、いいスタートを切れたらと思ってます。
北川:皆さんに感謝の気持ちを込めて、15周年に何か楽しいことができないかなって、今色々考えているので、どうか楽しみにしていて下さいね。

December 5, 2011
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