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1967年1月、19歳の時、シングル「この広い野原いっぱい」でレコード・デビュー。音楽の教科書にも載っているこの曲のオリジナル・シンガーであり、作曲者でもある。
多くのアーティストにカヴァーされている「涙そうそう」では作詞も手掛け(作曲はBEGIN)、1960年代から歌い継がれて来た反戦歌「さとうきび畑」を広く世に知らしめたシンガーとしても有名。2002年の日本レコード大賞では同曲で最優秀歌唱賞を受賞。2005年の紅白歌合戦では、同曲を、息子・森山直太朗とデュエット。より深い印象を残した。“金妻(きんつま)”の略称で知られる大ヒットドラマ“金曜日の妻たちへ”(1983年)をはじめ、女優としても長いキャリアを持つ。
歌手生活45周年を迎え、リリースされた今回のアルバムは、自作の新曲も含め、洋楽・邦楽を問わず、“歌いたい、伝えたいと強く思う歌”をテーマに制作した入魂の作品集。
全曲が鈴木慶一(ムーンライダーズ)と本人によるプロデュース。
その先進的な音楽性で知られる、キャリア35年余のムーンライダーズの個性豊かな高度な演奏を中心に、バンド・サウンドからピアノ・ギターのみのシンプルなアンサンブルまで、実に多彩で味わい深いアルバムに仕上がった。
キャリア45年の節目に相応しいタイトル曲「すべてが歌になっていった」、45周年記念シングル「6つの来し方行く末」をはじめ、“ポリチカ”(Politica、ポルトガル語で政治の意味)という単語をユニークに用い、♪しっかりポリチカ がんばれポリチカ 今こそポリチカ〜と唱える「いとしのポリチカ」など、奥深いラヴソングから風刺の効いたプロテスト・ソングまで、大人の目線で描かれた新曲に加え、多くのカヴァーも披露。
幅広いジャンルの歌をこなす森山良子ならではの選曲で、中学生の時から歌っていたというカントリー・ナンバー「Seven Lonely Days」や、シャンソンの代表曲「愛の讃歌」、1960年代のカレッジ・フォークの名曲、キャッスル&ゲイツの「おはなし」など、様々なジャンルの歌をカヴァー。
また、この夏の大ヒット・アニメ映画“コクリコ坂から”では、手嶌葵が歌った主題歌「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」が注目を集めたが、この曲のオリジナル・シンガーも森山良子。1976年のテレビドラマ“さよならの夏”の主題歌としてリリースされた楽曲で、今回のアルバムでは、同曲も35年ぶりに再レコーディングしている。
柔らかく伸びやで可憐なヴォーカルと、心地よいサウンド、ラヴソングを中心した奥深く美しい歌詞の数々。キャリア45年の中で、100作以上のアルバムを作ってきた森山良子自身が“一番のおすすめアルバム”と語る自信作。是非とも、若い世代にも聴いてほしいアルバムだ。