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結成は1999年。hozzy(Vo)、藤森真一(Ba)、田中ユウイチ(Gt)、渡辺拓郎(Dr)、全員が小田原出身の4人組。インディーズでの活動を経て、2004年5月、アルバム『ヒロシゲブルー』でメジャーデビュー。リリース毎に、着実にステップアップ。今年2月に発表した通算5作目のアルバム『ミズカネ』では、自己最高となるチャートTOP10入りも果たした。
アルバムの大ヒットを経てのニュー・シングル「あさやけのうた/すべては僕の中、すべては心の中に」は、バンド初の両A面。デビュー当初から、その散文詩的な歌詞が注目を集めてきた藍坊主だが、今作でも、文学性の高い独特な歌世界を築いている。
歌い手が、その日常や心情をありのままに綴った日記のような歌詞が増えている中、1つのテーマを深く掘り下げ、聴き手を喚起する藍坊主の歌詞は、異彩を放っている。
「あさやけのうた」は、ヴォーカルのhozzyこと佐々木健太が作詞、ベースの藤森真一が作曲したナンバー。テーマは“矛盾”。人は誰でも死にたくはないはずだ。でも、何万年、何十万年も生き続けたいと思う人もいないだろう。人が抱える様々な矛盾を、巧みな比喩で描いていく。観念的な言葉とは対象的に、サウンドは極めて直情的なギターロック。その両者が重なる事で、藍坊主ならではの歌世界が生まれる。
メンバーの演奏シーンだけで構成されたプロモーション・ビデオも必見。
一方の「すべては僕の中、すべては心の中に」は、藤森真一が作詞・作曲。“○○は、△△かもしれない”と、目に見えるものを目に見えない別のものに、次々と置き換えていく歌詞が印象的。目に見える事実は、変える事はできないが、それをどう受け止めるかで、どんな風にも見えてくる。すべては自分次第なんだというメッセージが、繰り返される比喩の中から聴こえてくるようだ。シンプルなメロディーが、遊び心のあるサウンドに乗った、スケール感のあるミディアム・チューンに仕上がった。
3〜5曲目には、「ラストソング」「ポルツ」「Esto」のライヴ・テイクを収録。音源は、今年の全国ツアー“aobozu TOUR 2010 こぼれるシルバー”の最終日、7月4日の日比谷野外大音楽堂でのライヴ。
満員の日比谷野音、ドシャ降りの雨の中で行われたライヴの模様は、DVD『aobozu TOUR 2010 こぼれるシルバー 日比谷野外大音楽堂』として、ニュー・シングルと同時発売に。hozzy弾き語りの新曲「忘れないで」、雨が上がったアンコールで初めて実現できたストリングスを交えてのナンバー、ファンとの大合唱となった初期の名曲「僕らしさ、君らしさ」も収録。ファンとの絆を更に強める作品となりそうだ。
10〜11月の学園祭ツアーを経て、12月11日(土)には、新木場・STUDIO COAST(既にSOLD OUT)にて、今年最後のワンマンライヴが予定されている。