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バンド史上初の2週連続リリースとなった「HAPPY」「魔法の料理〜君から君へ〜」に続くニュー・シングル「宇宙飛行士への手紙/モーターサイクル」をリリースしたばかりのBUMP OF CHICKEN。
1曲目「宇宙飛行士への手紙」は、想像と現実が交錯する、ファンタスティックで力強い楽曲。
空が明けていくような静かなイントロから、4つ打ちのリズムを基調としたポップで軽快なバンドサウンドへと展開。過去と未来の連続性、時空を超えた空想、宇宙の不思議、生と死・・・様々な思考を幻想的な言葉で描写し、その中に、愛する人を理解したい、全てを知りたい、ずっと一緒にいたいと言う現実の想いを織り込んだストーリー。藤原基央にしか描けない、唯一無二の歌世界。これぞBUMP OF CHICKENと言うべき名曲。
宇宙服を着た主人公が、夢中になって“何か”を作り続けるプロモーション・ビデオも秀逸。宇宙服の青年が、過去の記憶と未来への想いを胸に、喜々としながら、作り続けていたものは?
♪笑い合った過去がずっと未来まで守ってくれるから〜というフレーズが、プロモーション・ビデオのラスト・シーンと重なる。是非とも、プロモーション・ビデオを観ながら曲を聴き、そして、その後で、改めて歌詞をじっくり読んでほしい。観れば観るほど、聴けば聴くほど、読めば読むほど、たくさんの事が見えてくる奥深い1曲だ。
──「宇宙飛行士への手紙」の発想は、どんな所から?
藤原基央(以下、藤原):プロデューサーから“4つ打ちの曲”というお題を与えられた事から始まっていて。そのお題を受けて、まずBPMを決めて、ギターを持ってコードを弾きながら唄っていたら、メロディと一緒に歌詞もスラスラ出てきたんです。最近はそうやって曲と歌詞がほぼ同時にできることが多くて。ギターを弾きながらコードを引っ張っていくと、♪ふふふ?んって鼻歌と一緒に言葉も出てくる感じで。
──楽曲の原型は既に昨年の6月頃にできていたそうですね。その頃、それまでのソングライティングの環境に変化があったとか?
藤原:それまでは、デモテープ作りのためにスタジオが押さえられていて、その日までに家で曲を書くという流れがあって。そのやり方を変えてみたんですね。スタッフさんが僕の曲作りのためにスタジオを押さえくれて、スタジオで曲を書くようになったんです。その新しいやり方が自分に合っていたのか、これまでよりスムーズに曲が生まれるようになって。そのやり方をはじめて、最初にできた曲は未発表のものですけど、今回の「宇宙飛行士への手紙」は2曲目か3曲目にできた曲ですね。
──歌詞には、BUMP OF CHICKEN自身も投影されている?
藤原:誰もが必ず過去と対峙しなきゃいけないときがあると思うんですけど、僕らの場合はこの4人でホントに濃密な時間を過ごしてきたので。だから、4人でずっとやってきたバンドで、音楽で、そういう所に目を向けられるのはすごくうれしい事なんです。ただ、僕らは僕らでこういう話をしますけど、みなさんは是非、ひそれぞれの日常のBGMとして聴いてもらえたら、聴いたその人自身の歌になると思うので。僕らは僕らの歌だと思っているし、そういうものだと思うんですよね、僕らの音楽って。
直井由文(以下、直井):バンド4人で過去と向き合っていける事の喜びはメンバーそれぞれが同じように感じていて、そんな時にこの曲が上がってきたので、色々な記憶が鮮明に蘇りましたよね。リスナーのみなさんにも、自分の曲のように聴いてもらえれば最高ですね。
一転して、2曲目の「モーターサイクル」は、踏切の警報機のような音から始まるる、変則リズムのシニカルなナンバー。
♪友達のバイクがぺっちゃんこ〜という話題を織り込みながら、日常の中に潜在するネガティヴな感情を、藤原基央にしか見出せない独特の切り口で過激に描写。人生観や道徳観を問う問題作。
──この曲は、いつ頃、どんな風に?
藤原:この曲は去年の4月に「魔法の料理〜君から君へ〜」を書いて、それから1週間もしないうちに書けた曲なんです。ずっと「魔法の料理〜」の濃厚な匂いの中にいた時期だったんですけど、一気に切り替わって、その時に思っていた事がポロポロと出てきて曲になったんだと思います。この曲の歌詞に関しては、特にあれこれ言えないなぁという気持ちが大きいですね。
──メンバーのみなさんは、どんな第一印象を?
直井:デモを聴いてすぐに、もうカッコよすぎるだろう、と。ドラムを聴いてもリズムの頭がどこにあるかよくわからないし、和音もよくわからないし、それでいてメロがしっかりしている点もよくわからない(笑)。そういう意味でも衝撃を受けたし、早く鳴らしたいと思いました。
升秀夫:僕も初めて聴いた時は“カッコいいな〜!”の一言でしたね。しばらくしてから“あ、このドラム、俺が叩くのか!”と(笑)。でも、これを生で叩けたら絶対カッコいい曲になるなってデモの段階で確信しましたね。
増川弘明:みんが言うように、とにかくカッコいい曲だし、早く鳴らしたいと思いましたね。かなり難しい曲ですけど、それだけにやりがいのある曲です。
更に、3曲目には、たたみかけるタテノリのリズムに、味わい深いブルースハープを乗せた「good friends」。友情ソングをイメージさせるタイトルに反して、描かれているのは、突きつけるようなメッセージ。ここでも、藤原基央ならではの鋭い視点を感じる。
──ダブルAサイド全3曲入りの超強力シングル。来る6thアルバムへの期待が高まるばかりですが。
藤原:今まで書き続けてきた曲を、順調にレコーディングしています。その合間に新しい曲も書いています。僕らも、早くみなさんに届けたい気持ちでいっぱいです。