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UTAMAP review
THEイナズマ戦隊 レーベルを移籍して心機一転、ニュー・アルバム『未来の地図』リリース!初期の代表曲「応援歌」に通じる、原点回帰の歌世界。 心の筋肉→心筋(こころきん)、ロマンのド真ん中→ロマン中(ろまんなか)など、 Vo.上中丈弥が生み出す“丈弥語”にも注目!
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NEW
『未来の地図』
『未来の地図』 amazonから購入
アルバム
発売:2010.09.22
SMALLER RECORDINGS
SLRL-10001
\2,800(税込)
収 録 曲
01. 未来の地図
02. 生命パワー
03. ジョニー!!
04. バライロック
05.
06. 手を打ち鳴らせ!!
07. プライド
08. それでも友よ
09. Mr.ハングリーマン
10. 勇気の花
11. 月の道しるべ
12. ダイヤモンド
13. 旅立ち
14. 擦り傷
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Official Web Site
2003年のメジャー・デビュー以来、コンスタントにリリースを重ねて来たTHEイナズマ戦隊がレーベルを移籍しつつも、宣伝&流通で盟友・日本クラウンと引き続きタッグを組んだ、通算7作目となるアルバム『未来の地図』をリリース。
デビュー当初から、歌詞に定評のあるTHEイナズマ戦隊。歌詞を手掛けるヴォーカル上中丈弥は、今回も、心の筋肉→心筋(こころきん)、ロマンのド真ん中→ロマン中(ろまんなか)など、新たな“丈弥語”を生み出した。全曲が、初期の代表曲「応援歌」に通じる、原点回帰の歌世界。1997年の結成から13年を経て、30代を迎えた今、なぜ原点回帰を試みたのか?その心情が投影された歌詞の話を中心に、濃厚ロングインタビュー!

よく聞かれるんですけど、“THEイナズマ戦隊”というバンド名には、特に由来はないんです(笑)。

──まずは、THE イナズマ戦隊というバンド名。その由来が気になっている方がたくさんいると思うのですが。
上中丈弥(以下、上中):よく聞かれるんですけね、特に由来はないんです。僕とギターの山田が、高校時代に地元の大阪でウルフルズのコピーバンドをやっていた時につけた名前で、そのバンドのドラム担当だった女の子の単なるひらめき。絶対、THEイナズマ戦隊がいいと思うと言うから、ほな、それでって(笑)。
──上中さん、山田さん、中田さんは、大阪出身で同じ高校の同級生。3人揃って、北海道の酪農大学に進学されたんですよね?
山田武郎(以下、山田):僕ら農芸高校だったので、進学先は殆どが北海道なんですよ。だから、北海道に行くというのは、けっこう自然な流れで。ほな、3人で行こか、と。
上中:そこで、久保さんと出会って、4人でバンド結成。その時から、THEイナズマ戦隊を名乗ってます。

バンド結成から13年。お客さんが一人もいてへん頃から一緒にやって来て、今、30代になって、改めて、その頃の事を忘れたらアカンと思うようになってます。

──結成は1997年。それから13年が経ち、当時、大学1年生だった皆さんも30代に。30歳のTHEイナズマ戦隊、想像できましたか?
上中:僕は、バンド結成時から、プロになると思ってましたから、大人になっても、この4人で普通にやってるやろなと思ってましたけど、ベースの中田は、学校の先生になるつもりだったらしいです。
中田俊哉(以下、中田):僕は、農業の専門科目を教える教師になって、大阪の母校で教えたいという志を持って北海道に行ったんですよ。
上中:ギターの山田は、牛乳配達員を目指してて…。
山田:それで、わざわざ北海道の大学まで行く必要あるかい!(笑) 僕は、動物が好きやったから、将来は動物に関わる仕事をしたいと思ってたんです。
上中:久保さんとは、大学で初めて会ったんですけど、久保さんは、B'zに入りたかったんですよ。一緒にバンドやらへんと誘った時、B'zに入りたいから、イナズマ戦隊はできへんと言われましたから。
久保裕行(以下、久保):そんなん言ってないでしょ。確かに高校時代は、B'zのカヴァーバンドはやってましたけど(笑)。
上中:こんな4人で始めたんですけど、僕は、この4人やったら、絶対面白い事ができると思ってました。山あり谷ありの13年間でしたけど、この4人やったから、やって来れたと思いますね。ほんまにお客さんが一人もいてへん頃から一緒にやって来て、今、30代になって、改めて、その頃の事を忘れたらアカン、そこに戻らなアカンと思うようになってます。

初期の代表曲「応援歌」では、♪オイ!!オマエ!!がんばれや!!〜と歌ってた。それが、いつの間にか“みんなで一緒に頑張りましょう”に変わっていた。上中丈弥(Vo)山田武郎(G)中田俊哉(B)久保裕行(Dr)

──今回の『未来の地図』は、通算7作目のアルバムとなるわけですが、デビュー当初の代表曲「応援歌」に通じる雰囲気で、原点回帰という事を強く感じましたが。
上中:バンドってかっこええなぁと思ってバンドを始めたんですよね。だけど、知らん間に、少しずつそこから離れていってた。僕らも音楽をやっていく中で、武道館や紅白歌合戦を目標として来たし、いずれはお茶の間進出もと考えた時に、世に溢れてるヒット曲って、こんな風に書かれてるんじゃない?と考えるようになって、無意識のうちに、世の中と迎合するような歌を書こうとしてたんですよね。
山田:3rdあたりから、そうだったかもしれないですね。
上中:「応援歌」では、♪オイ!!オマエ!!がんばれや!!〜と歌ってた。目の前の“お前”に歌ってたんですよね。それがいつの間にか、“みんな頑張りましょうよ。みんな色々あるんでしょうけど、一緒に頑張りましょうよ”という所まで広げていた。
──そこから、原点へ立ち返ろうと思ったのは?
上中:今回、レコード会社も移籍して心機一転、ここが正念場と言う時に、ロックバンドってかっこええと思ってバンド始めた頃って、どんな風に歌を作ってたんやろかって思ったんです。例えば、小学生の頃とかって、好きな子ができたら、すぐに“俺、お前と結婚するわ〜、たぶん”とか言ってた。僕ら、ずっとそんな感覚のままで曲を作ってたんですけど、その頃の曲って勢いもあるし、言葉も鋭いんですよ。今、僕らがこうやってバンドを続けてられるのも、よくよく考えたら、その頃、まだ無名の僕らの歌をイイって言ってくれる人がいて、それが北海道で広まって、色んな人が観に来てくれるようになって、デビューの道が開けたんや。もう一度、そこに戻らなアカン、と。

昔、高田馬場のPHASEというライヴハウスで、お客さん2人という時があって。最後は、“頑張ろうぜ。なぁ、俺ら6人で頑張ろうぜ”って(笑)。そのライヴが忘れられない。

──それで何かが変わりましたか?
上中:メンバーみんなでミーティングして、原点回帰という事を意識するようになってから、ツアーを1回やったんですけど、これが、もう最高に楽しかったんですよ。こんなん出来たから届けたいんやという勢いだけで、誰も知らん新曲でもお構いナシにどんどん織り交ぜてやっちゃった。僕なんか、もう3曲目くらいで、顔、真っかっかになって、汗だくになって、観てる人は、あのヴォーカル死にそうやけど大丈夫かいなとか思ってたと思うんだけど。僕ら自身も、すっごく楽しかったし、お客さんの反応もすごく良くて、“今回のライヴ、ヤバかった”とか“イナズマ戦隊のメッセージが胸に響いた”とか言ってくれて。それまでのツアーの反応とは明らかに違った。それは、やっぱり原点回帰を念頭にツアーに出たからなんだろうなって。
──原点回帰という点では、忘れられない思い出深いライヴというのがありますか?
上中:昔、高田馬場のPHASEというライヴハウスで、お客さん2人という時があって(笑)。
中田:あったねぇ。ステージに4人おるのに、客席は2人だけ(笑)。
上中:その時は、絶対この2人を帰らせへんぞ、と。4対2の勝負みたいな感じで、負けへんゾ、絶対こっちに取り込んでやる、うりゃ〜って。最後は、“頑張ろうぜ。なぁ、俺ら6人で頑張ろうぜ”みたいなね(笑)。
中田:そうそう。“今日は6人で頑張ろう”って(笑)。
上中:その時のステージが、映像として僕の頭の中にまだ残ってるんです。ステージから身を乗り出して、その2人に向かって歌ってる自分が。やっぱ、それがカッコイイし、僕なんか、元々が体育会系の暑苦しいヤツなんで、それを抜いたらアカンやろって。

イントロでギターがシャカシャーンってが鳴っただけで圧倒される。ロックって、理屈抜きにそういうもんやと思うんですよね。

──楽曲作りは、どんな風に?当初から変わってないですか?
上中:メロディーが先ですね。それはずっと変わってないです。
──作曲は、いずれも、THE イナズマ戦隊となっていますが。
久保:全員が曲を持ち寄って、それにみんなで肉付けをしていく。そんな感じですね。
山田:最初の段階では、ギターだけだったり、鼻歌だったり。
中田:その中から、これエエやんっていう曲を選んで、みんなで、もうちょい広げて行こう、みたいな。
──サウンド面では?近頃のJ-POPは、打ち込み系のトラックが主流となって来て、バンド・サウンドというのが少なくなってますけど。
山田:そうそう。リフに命かけてるバンドなんて、もういないですよね(笑)。
上中:でも、僕らは、ロックバンドをやっているという自負がありますから、ロックバンドとしてカッコイイと思われたいって常に思ってるんです。
──バンド・サウンドならではの醍醐味ってありますよね。計算された緻密なトラックとはまた違う、次にどんな事が起こるんだろうかっていうワクワク感。
中田:そうそう。それですよね。
──腰に来る感じ。腰を使ってギターを弾く、あの感じ(笑)。
山田:わかる、わかる(笑)。
上中:演奏が上手くなる事は大事やし、歌ももっとうまくなりたい。そやけども、その前に、ロックが持ってるパワーってあるやないですか。イントロでギターがシャカシャーンってが鳴っただけで圧倒される。ロックって、理屈抜きにそういうもんやと思うんですよね。

イナズマ戦隊にしかできへん歌になるかどうかは、言葉が鍵を握ってると思うんですよ。言葉の使い方。難しい表現をするわけではないけども、独特な言い方を心がけてます。

──歌詞は、ずっと上中さんが?
上中:歌詞については、もう完全に任せて貰ってますね。
──歌詞を書かれる時に、信条としている事はありますか?
上中:僕らみたいな歌を歌う人は、世の中にたくさんおると思うんですけど、それがイナズマ戦隊にしかできへん歌になるかどうかは、言葉が鍵を握ってると思うんですよ。言葉の使い方ですね。難しい表現をするわけではないけども、独特な言い方を心がけてます。
──メンバーのみなさんは、上中さんの歌詞については、どんな風に?
中田:言葉に関しては、天才的やと思いますね。
上中:僕、思うんですけど、決められたメロディーラインに言葉に当てはめるのは、才能あるかもわからないです。他の才能はなくても、メロディーにオイシイ言葉をハメるっていうのは、才能あるんちゃうんかなって疑ってますね(笑)。
山田:疑っとるんかい!?(笑)。
久保;いや、ほんと、冗談抜きに、丈弥の歌詞はスゴイと思います。
中田:丈弥ならではの独特な“丈弥語”というのもあるんですよ。

“俺はミュージシャンになれるんちゃうか”と思えた、あの瞬間の力。うまく言えないけど、その“何か”を歌にしたかった「唄」。心の筋肉→心筋(こころきん)という、丈弥語にも注目!

──今回のアルバム曲で、特に歌詞が印象的だった曲はありますか?
山田:5曲目に入っている「唄」。もう4年くらい前に作ってた曲で、今回それをリアレンジしたんですけど、決して明るい曲ではないんですよね。だから、きっと、悲しみとか悔しさとか、そういうテーマを持って来るんだろうと思っていたら、すごい前向きな歌になっていて。だけど、切なさもあって。この歌詞は、すごいと思いました。
上中:この歌で言ってるのは、大事な何かを忘れたままにしてないかいって事なんです。僕がミュージシャンになりたいと思った瞬間の、あの時の力。1億3千万人も日本人がおる中で“俺はミュージシャンになれるんちゃうか”と思えた、あの瞬間の力。みんなも、卒業文集に○○になりたいって書いたでしょう。その力はどこから来てたんや。ただ、その力って言うのは具体的に何ですかと問われると俺にもわからん。“何か”やねん。だから、歌詞にも“大事な何か”って書いてますけど。
──♪ナイター中継を録画してまで見てた〜というのがイイですね。子供の頃は、何かにこだわって、何かに命かけてる子って、いっぱいいましたよね。
上中:僕は阪神戦を観る事に命かけてましたからね(笑)。どんな事でもええんやけど、みんな、小さい頃は、そういう何かにこだわるパワーというか情熱を持ってたでしょう。その時の気持ちが、今のエネルギーにもなるんやないのかなって。
──♪心筋(こころきん)と言うのは、丈弥語?
上中:僕、最近、筋トレにハマってるんですけど、でも、心というのは、マシン・トレーニングのように鍛える事はできないでしょう。そんな事を考えた時に、心の筋肉・・・心筋(こころきん)という言葉が浮かんで来たんです。

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September 24, 2010
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