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『うたかた』発売記念イベント ミニライヴ&握手会
■8/21(土)15:00
神奈川:海老名ビナウォーク 5番館1Fビナステップ
■8/28(土)13:00
大阪:千里セルシー セルシー広場
■8/29(日)14:00
福岡:キャナルシティ福岡 B1Fサンプラザステージ
■9/01(水)18:30
愛知:アスナル金山 明日なる!広場
(FM AICHI“奥華子のアスナルトレジャー”公開録音)
■9/04(土)18:30
宮城:ヒルサイドショップス&アウトレット 中庭ステージ
■9/05(日)14:00
東京:サンストリート亀戸 マーケット広場
[入場無料] アルバム『うたかた』に“全国リリースイベント参加券”封入
[info] ポニーキャニオン 音楽マーケティング部
TEL:03-5521-8068(平日13:00〜17:00) |
赤いメガネがトレードマーク。デビュー5周年を経て、5thアルバム『うたかた』をリリースする奥華子。
思うように曲作りが進まず、苦悩の末に完成した今作。何のためにアルバムを作るのか、何のために歌っているのかと深く自問。一時期は、音楽を投げ出す事まで考えたと言う。が、辿りついた結論は、“やっぱり、ライヴでみんなで会いたい!”だった。
“物事をすべて裏側から見たり言ったりしている気がする”と自身の曲を分析。“すごく単純で、わかりやすい言葉しか使っていないのに深い意味がある。そういう歌を書きたい”とも語る。そんな奥華子の歌世界は、人の心の真理を突く。“声だけで泣ける”と称される魔法の声も大きな魅力だ。リリース直前のロング・インタビュー。1曲1曲の詞世界を深く掘り下げ、奥華子の“いま”に迫ります!
──今年7月でデビュー5周年。振り返ってみて、いかがですか?5年と言うのは長かった?それとも、あっと言う間?
長いですね。まだ5年?という感じです。こんなに色々いっぱいあって、それでもまだ5年しか経っていないのかって。ずっと走り続けている感じなんですよね。曲を作ったり、ライヴをやったり、常に毎日やる事があるし、毎日考える事がある。プライベートの時間はほとんどないんですけど、でも、これまで、やりたくないと思う事は1つもなかったし、ずっと自然体でやらせて貰っているので、すごく恵まれていると思います。ただ、今回のアルバムに関しては、疲れ果てました(笑)。もうムリかも、できないかもと言う所まで行っちゃって。
──制作が思うように進まなかったという事ですか?
制作スケジュールや締切に自分のペースがついて行けなくなっちゃって。曲ができないのに、アルバムを作らなくちゃいけないの?私、何のためにやってるんだっけ?みたいな所まで行きついちゃったんですよね。何より感動してもらえるような歌が録音出来なかったんですね。アルバム制作もやめて、ツアーもキャンセルして、ここでやめたら楽だなって、そんな事まで思ったり。でも、そこまでみんなに迷惑かけて、自分が求めているものって何だろうって突き詰めてみたら、何もなくって。
──スランプの原因は、何だったのでしょう?ご自身ではどんな風に?
自分でもわからないんですけどね。年頃って言う事ですかねぇ(笑)。毎年1枚アルバムを出して来て、自分も変わるし、周りも変わっていく。そういう積み重ねがあっての事だとは思うんですけど。
──5周年という事は特に意識の中にありましたか?
それは全く意識になかったんですよね。結果的には、自分が5年間やってきた集大成的なアルバムになったと思うんですけど。
──5年間の集大成と言う事ですが、ご自身では“奥華子ワールド”をどんな風に捉えていますか?
私は、物事をすべて裏側から見たり言ったりしている気がするんです。例えば、孤独だからこそ人を求めるとか、失ったからこそ、その大切さがわかるとか。そこが、すごく奥華子っぽいのかなと思うんですよね。
──“裏側から見たり言ったり〜”と言うのは、意外な感じもしますが?
言葉そのものはストレートに言っていると思います。歌詞というのは、詩とは異なり、歌として耳から入って来るものだから、聴いた瞬間に何を言っているのかわかるというのがすごく大事だと思います。だから、わかりにくい言葉は使わないように心がけています。でも、書かれた言葉がそのまま真意とは限らない。例えば、あなたなんか嫌い嫌い嫌い〜と書いてあったら、相当好きなんだなって感じるでしょう。そんな風に、見たまま聴いたままではない歌と言うのが、すっごくいいなぁと思うんですよね。すごく単純で、わかりやすい言葉しか使っていないのに、深い意味がある。そういう歌を書きたいといつも思っています。
──楽曲作りはどんな風に?詞先ですか?曲先ですか?
メロディーが先ですね。ピアノで作ります。
──メロディーの時点で、既に歌のイメージができている?
例えば、切ない曲を作りたいとか、失恋ソングを書こうとか、そういうイメージが先にあって、それをメロディーにしていきます。私は、サビから作っていくので、サビのメロディーに乗せる言葉をパズルのようにどんどん当てはめて行って、うまくハマったら、そこから、物語を膨らませていきます。
──ストーリーの発想はどんな所から?
自分が体験した事、自分が感じた事が土台にはなるんですけど、まず、映像をイメージします。色だったり、景色だったり、季節だったり、そのイメージを言葉に変換して行くんです。
──タイトルはどんな風に?
いちばん最後につけます。私は、歌詞の中に全く出て来ない言葉をタイトルに使う事も多いんですよね。その曲をどんな風に聴いて貰いたいか、そこから発想していきます。
──アルバム・タイトルに関しては?
いつもアルバムを作る時に、全体のコンセプトとかテーマとか決めない事が多いですね。楽曲が揃ってから、アルバムの全体像を捉える。そこからアルバム・タイトルを考えていきます。
──今回の『うたかた』というタイトルは、どんなイメージから?1曲目の「泡沫」は漢字ですが。
「泡沫」は、10年くらい前に作った曲で、ライヴではずっと歌っていたのですが、今回のアルバムに入れようと最初から決めていたんです。この「泡沫」も含めて全14曲が揃った時に、今回は、人間関係でも恋愛でも、表面に見えている事に対して、本当は違うんじゃないかと不安になったりする、そんな儚い感情を歌っている曲が多いなと感じたんです。「泡沫」というのは、“儚く消えそうな”という意味だから、このアルバムを表す言葉としてもピッタリだなと思って。ただ、アルバム・タイトルとしては、漢字のままだとわかりづらいので、ひらがなの『うたかた』にしました。
──『うたかた』では、実に様々な恋愛シーンが描かれていますよね。まずは、恋愛ソングに着目して、1曲ずつお聞きできますか。1曲目の「泡沫」は、10年くらい前に作られた曲との事ですが、♪愛してくれなければ愛せない〜というフレーズが印象的ですね。
不思議なんですけど、“私のこと好き?”って聞く時ほど、実はその人の事をあまり好きではなかったりする事が多いんです。自分がすっごく好きな時は、それでもう満たされているから、相手の気持ちを尋ねたりしないんですよね。この曲は、恋愛しながらも“これって本当は好きじゃないって事?”と思った時に書いたような記憶があります。
──その感覚は、女の厭らしさ、ズルさでもあるかと思うのですが、「フェイク」や「トランプ」にも共通する感情では?
「フェイク」は、もっと軽いですよね。ただ淋しいから付き合う、淋しさを埋めるために一緒にいる、みたいな。でも、本当はそれだけでもないし。そんな感覚ですよね。実は、この「フェイク」なんですけど、最初は「トランプ」というタイトルだったんですよ。
──と言うと、「トランプ」はいったい?
「フェイク」は、元々、シングル「ガラスの花」のカップリング曲として書いたのですが、アルバム曲にあったらアクセントになる曲だよね!という事になり、最終的に収録を取りやめたんです。でも、既に、ホームページ等で「ガラスの花」のカップリング曲は「トランプ」と発表済だった。それで、新たに「トランプ」というタイトルでもう1曲作る事になったんです。ややこしいでしょ(笑)。
──タイトル変更となった「フェイク」の方は、歌詞はそのまま?
全くそのままです。最初から歌詞の中には“トランプ”という言葉は入っていなかったんです。ここで描いた恋愛観をゲームというニュアンスで捉えて「トランプ」というタイトルにしていたんです。
──新たな「トランプ」の方は、どんな風に?
タイトルが先に決まっていて曲を作るというのは初めての経験だったので、とても新鮮でした。トランプのジョーカーって、どのカードの代わりにもなるでしょう。欲しいカードの代わりにジョーカーを使ってゲームを進める。そこから発想が膨らんで、恋愛関係でも“誰かの代わり”ってあるなと思って。好きな人の代わりに、ジョーカーと一緒にいる。一緒にいるのに、他の人の事を想っている。そういう事ってありますよね。
──シングル曲「初恋」は、多くの女性の支持を得て大きなヒットとなりました。ご自身ではどんな風に?
映像を思い浮かべながら、メロディーをつまびいて行った曲です。「初恋」というタイトルですけど、“初めての恋”を歌った曲ではないんですよね。“初めて経験した大失恋”の曲なんです。
──♪あなたは友達 今日から友達〜という一節は、切なく苦しいですね。
そうですね。もう友達になんかなれないのはわかっているし、なって欲しいとも思っていない。だけど、そこで、そう言ってしまう切なさ。言い聞かせているんですよね、自分に。書いてある言葉はわかりやすいけど、本心はそうじゃない。本当の事を言わない強さって、あると思うんです。
──「逢いたいときに逢えない」も「初恋」に通じるものを感じたのですが?
この曲は、遠距離恋愛の2人を描いています。離れて暮らしているうちにすれ違ってしまった2人ですね。 |