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スキマスイッチ ニュー・シングル「アイスクリーム シンドローム」リリース!大橋卓弥の意味不明な“タクヤ語”で書かれた歌詞を受け取って、 常田真太郎がストーリーを作っていく。ユニークな作詞方法にも注目!!
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02.夕凪
03.1017小節のラブソング
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スキマスイッチが2010年第1弾となるシングル「アイスクリーム シンドローム」をリリース。“洋楽っぽい感じをやりたい”を出発点に、全国ツアー“ラグランジュポイント”のバンド・メンバーと作り上げた、夏にピッタリな爽快なナンバー。好きな女の子に親友扱いされてしまい、想いを告げられない少年を主人公とした詞世界と、フュージョンを思わせる奔放且つ緻密なサウンドの組み合わせは、聴き方によって何通りにも聴こえてくるから不思議。
カップリングには、スキマスイッチ結成のキッカケとなった「夕凪」と、初めて詞先で楽曲作りに挑んだと言うウェディング・ソング「1017小節のラブソング」を収録。
意味不明な“タクヤ語”から始まると言うユニークな作詞方法、言葉や行間へのこだわりなど、歌詞についても、たっぷりお話をお聞かせいただきました!

今回は“洋楽っぽい感じをやりたい”が出発点。それぞれのソロ活動を経て、スキマスイッチの音楽に対する意識も変わってきた。

──新曲「アイスクリーム シンドローム」がいよいよリリースとなりますが、今回は“洋楽っぽい感じをやりたい”というのが出発点だったそうですね?
大橋卓弥(以下、大橋):洋楽っぽいと言うのは、サウンド面なんですよね。洋楽って、色々な音色が、なんであんなにクリアにパキっと聴こえて来るんだろうねって、以前からよく2人で話していて、今回は、そういうサウンドを追求してみようというのがスタートでした。音質とか、存在感とか、音の配置もそうですし、要するに全体の雰囲気と言う事なんですけど、そこに憧れみたいなものもあって、僕らなりにうまく再現できないかなと思ったんですよね。
常田真太郎(以下、常田):J-POPの場合は、歌中心にまとめていくというイメージがあるでしょう。でも、向こうの曲は、とにかく楽器がイキイキしている。そこをうまく、スキマスイッチに取り入れたいと思ったんですよね。もっと自由にやってもイイんじゃないかなって。例えば、1番でやった事を2番でやらなくてもいいわけだし。その時、その瞬間に感じるフレーズがあればOKなんじゃないかって。
──そういう意識の変化には、何かキッカケが?
常田:昨年リリースした4thアルバム『ナユタとフカシギ』から、変わって来たように思うんですけど、やはり、昨年・一昨年のソロ活動が大きく影響していると思います。
大橋:ソロの時は、みんなでセッションしながら、全部一発録りというのが多かったんですよ。スキマスイッチとしては、コンピュータ上でシュミレーションしてサウンドを構築していくスタイルが確立できたので、今度は、ちょっと人間味のあるサウンド、セッション中心の音作りもやってみたら良いんじゃないかというのが、ソロ活動を終えて感じた事でしたね。
常田:以前は、どこかでやっぱり歯止めをかけていたように思うんですよね。スキマスイッチらしいとか、らしくないとか。敢えて、そういう縛りをつけてやって来た面もあるんですけど、ようやく解放してもいい時期に来たのかなって。
──“らしくあろう”と思っていたのが、何をやっても“らしくなる”段階に来たという事でしょうか?
常田:まさしくその通りですね。お互いにソロ活動も経験して、僕ら2人は、何をやってもスキマスイッチなんだと言える所に辿りついたんだと思います。

ツアー・メンバーと、感じるまま、思うままに表現したサウンド。それが爽やかに繋がり、“夏”を感じさせる音になったのだと思う。

──とっても、夏を感じるサウンドですね。夏の野外ステージで、楽しそうに演奏しているバンドの皆さんの姿が浮かんで来るような…。
常田:実は、音を録る段階では、「アイスクリーム シンドローム」というタイトルも決まっていなかったし、歌詞も完成していなかったんです。だから、特に夏を意識しながらレコーディングに臨んだわけではなかったんですけど、洋楽っぽいサウンドというのは、抜けのイイものなので、必然的に爽やかな方向に向かっていったというのはありますね。今回は、ツアー中に制作したんですけど、ツアーと言うのは、1公演毎に全く違う演奏になるんですよね。バンド・メンバーは、それこそ1番でやった事を2番でやらなかったり、毎日フレーズをちょっと変えてみたり。今回は、そういうツアー・メンバーと、感じるまま、思うまま、素直に表現した事が、爽やかなサウンド…夏を感じるサウンドに繋がったんだと思います。
──聴き方によって、聴こえて来る音が違う…そんな印象も持ちました。スピーカーで大音量で聴くと体で感じるダイナミックな心地よさ、ヘッドホンで聴くと、それぞれの楽器のちょっとした遊び心に気づいたり。
常田:うわ〜、それはすっごくうれしいですねぇ。そうなんですよね。例えば、ギター中心で聴いたら、アコギと歌だけの弾き語りとして最初から最後まで聴けますしね。
──歌詞に注目して聴くと、とても親しみやすい恋愛ソング。サウンドに注目して聴くと、フュージョンを聴いているような爽快さ。そんな二面性も感じましたが。
大橋:そう感じて貰えるのもスキマスイッチならではだと思うんですよね。僕らのシングルは、必ずいつも、インスト・ヴァージョンを1曲入れているんですけど、それは、サウンドだけでも、それこそフュージョンのように楽しんで貰えたらと思っているからなんです。是非、そういう楽しみ方もしてほしいですね。

その音に合った一番ノリの良い、響きの良い言葉だけを並べた“タクヤ語”で作詞。その中からキーワードを見つけストーリーを構築。今回のキーワードは“フラット”だった!

──続いて、歌詞についてお聞きします。まずは、「アイスクリーム シンドローム」というタイトル。この言葉はどんなところから?
常田:シンドロームという言葉を使いたいなというのが先にあって、でも、シンドロームというのは、マイナスのイメージもあるから、他の単語と組み合わせて使いたいと思ったんですよね。歌詞の中に、アイスクリームという単語が出て来て、それがキーワードにもなっているので、組み合わせたら面白いんじゃないかって。語呂もいいし、韻も踏んでいるし。なかなか告白できない男の子が主人公なんですけど、結局いつもタイミングを逃しちゃう“アイスクリームを溶かしてしまう症候群”という意味合いでも、主人公の心情をうまく表現したタイトルになったと思います。
──歌詞はどんな風に?
常田:最初にタクヤが、全く意味をなさないデタラメな日本語を乗っけて歌うんですよ。僕らの間では“タクヤ語”って呼んでるんですけど(笑)。
大橋:その音に合った、一番ノリの良い、語感の良い、響きの良い言葉だけを並べて歌詞を作ってみるんです。文章としては全く意味は通じてなくて、ホントに単語の羅列だけなんですけど、このメロディーには、こういう響きを乗せたいっていうのを、全部乗せて歌ってみるんです。それをシンタくんに渡して聴いて貰う。
常田:僕は、その単語の羅列の中から、これだ!と思うフレーズをピックアップして、それをキーワードにストーリーを作って行くんです。この“タクヤ語”がほんと面白いんですよ。例えば、♪淋しいなんとかにはカツカレ〜とか。で、カツカレー面白いなと思って、“カツ”が“勝つ”になって、♪勝つプライド〜という歌詞が生まれたり(「ゴールデンタイムラバー」)。
──今回の「アイスクリーム シンドローム」では、どんな“タクヤ語”から、このストーリーが生まれたのでしょう?
常田:冒頭の♪関係はいたってフラットだ〜というフレーズですね。多分、最初にタクヤは“いつだってフラット”と歌っていたと思うんだけど、その言い回しを聴いた瞬間に、これは片想いだなって思ったんですよ。相手は全く気づいてくれない、いつまでたっても、一向に関係性が変わらない感じ。
──テーマが見えて来たら、そこから新たに常田さんがストーリーを作っていく?
常田:そうなんです。今度は、僕が、新たに全部の歌詞を書いていくんです。それをタクヤに読んで貰う。それで、面白そうだねとなったら、具体的に制作に入っていく。タクヤが“響き担当”、僕が“ストーリー担当”ですね(笑)。実際に制作に入ってからは、ここは、こういう響きが欲しいから、同じ意味で違う言葉に置き換えられない?とか、そういうやり取りをしながらの共同作業になります。

主人公は、常田真太郎少年そのまんま!?だんだん強くなっていく2番からが、大橋卓弥のイメージ!?

──主人公は、ちょっと気弱な男の子?どんな主人公像をイメージされましたか?
常田:1番は、僕の少年時代そのまんまですね。色んな女の子を好きになりましたけど、いつも告白できなくて…。1サビくらいまでは、常田真太郎少年そのまんまです。2番からは、だんだんと強くなっていくので、僕のイメージから離れていくんですけど(笑)。強くなって行く主人公に対して“こいつ、すげーな”と思いながら、歌詞を書いていました。主人公は、溶けていくアイスクリームを見て“運命というのは待ってくれないんだ”って気づくんですよね。だから、この主人公は、これからきっと頑張っていくんだろうなって、そう思いながら書いていました。
──女性の立場からすると、この人にだけは告白されたら困るっていうのはあるかもしれないですね(笑)。
常田:僕はそういうのいっぱいありましたよ。大決心して告白してるのに“なんで今、そういう話になるの?”とか、“アタシ、そんなんじゃないから”とか(笑)。そうなると、男は、元の仲の良い友達には戻れないんですよね。男の場合、“好きな子”は“恋人になるか否か”しかなくて、告白した以上、元の“友達ホルダー”には戻せないんですよ。だから、余計に言いだせないのかもしれませんね。結論はなるべく先延ばし、みたいな(笑)。
スキマスイッチ──やらないで後悔するより、やって後悔とも言いますが?
大橋:僕はそっち派ですね(笑)。感情が生まれた時点で、その感情に正直にいたいと思う方なので、好きになっちゃったら、その先どうなるかなんて考えずに、ぶつかっていくタイプですね。そういう意味では、主人公が少しずつ強くなっていく2番以降の感じは僕の雰囲気かもしれないですね。

アイスクリームの歌だと思っていた子供たちが、少し大人になって歌詞の意味に気づく。そんな瞬間を想像してみるのも、すっごく楽しい。

──設定としては、中学生・高校生くらいの男の子?
常田:イメージとしては、高校生くらいかなと思ったりしますけど、でも、もっと大人の主人公もアリですよね。会社で机を並べてる2人で、すごく仲良くて毎日飲みに行ったりしているんだけど、そこから発展しない。女の子の方は平気で泊って行っちゃったり。実は、最初は、そんな設定でも書いてみたんですよ。会社の中のシーンなんかも入れて。でも、こういう言い出せない気持ちって、どんな世代にも当てはまる事だと思ったので、あまりシーンを限定しない方がいいかなって。それで、敢えて年齢を特定するような表現は避けたんですけど。タクヤの声で歌うと、聴く人によって、色々なイメージが浮かぶみたいで、すっごく面白いですよね。
──映画“劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール 幻影の覇者 ゾロアーク”主題歌と言う事で、小さなお子さんにもたくさん聴かれる事となると思いますが、想像してみて、いかがですか?
常田:今はわからなくても、少し大人になった時、“あのポケモンの歌って、こういう事だったのか”とわかる日が来る。アイスクリームの歌だと思っていたら、実はこんな歌だったんだって。そういう瞬間を想像してみるのもすっごく楽しいですよね。

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July 9, 2010
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