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サクラメリーメン 3rdアルバム『四次元アドベンチャー』リリース! 10代の頃に“こんな音楽が欲しかった” っていうアルバムを作りたかった。 ────小西透太(Vo&G) ロング・インタビュー
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『四次元アドベンチャー』
サクラメリーメン『四次元アドベンチャー』

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アルバム
発売:2010.04.21
ビクターエンタテインメント
VICB-60056
\3,000(税込)
収 録 曲
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01.四次元ビューティーガール
02.そこで泣いた少年
03.夏影
04.TRAIN
05.もういいよ
06.イヤ イヤ ブルース
07.Happy End
08.手紙
09.ブルーバード
10.フレンドシップ〜卒業の唄〜
11.(R'n R)ハロータウン
12.また何処か行ってみなくちゃな
13.アドベンチャー
サクラメリーメンオフィシャルサイト

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※左から、森西亮太(Dr)、小西透太(Vo&G) 、イッペイ(B)

サクラメリーメンが3rdアルバム『四次元アドベンチャー』をリリース。
想像力を刺激する13編の物語。ビューティーガールに悶々とする男子高校生は教室に。少年時代に想いを馳せる男は丘の上。ビスポークスーツでキメた男は母親を泣かせ、イヤな事ばかりだと男が歌い出し、その向こうでは卒業式。好きな男の前から消えようとする女、誰かに手紙を書いている青年、今まさに別れ話の真っ最中の男女・・・様々な主人公が、次々と現れては消えて行く、そんなオムニバス映画のようなバラエティー豊かな歌世界を。
<10代の頃に“こんな音楽が欲しかった”っていうアルバムを作りたかった>と言う小西透太。大人の世界もたっぷり詰まったこのアルバム。決して、10代に向けて歌われているとは思えないのだが・・・果たして、その真意は?
ツアー真っ最中のサクラメリーメン、小西透太にロングインタビュー!

ようやく折り合いをつける事ができたんです。大人になりたくないってずっと言って来たけど、もう大人だよっていう折り合い。

──3rdアルバム『四次元アドベンチャー』が、リリースとなりました。これまでの作品とは大きく印象が異なりますが?
3rdアルバムと言うと、それまでの集大成、第1期集大成的な作品となる事が多いというイメージが僕の中にあって、そのイメージを覆す事をしたかったと言うのがあったんですね。全く新しいアプローチで、全く新しいものを作りたい、視点を変えてみようと思ったんです。
──そうした変化は、どんな所から?
僕は、高校時代からオリジナル曲を作り始めたんですけど、すっごい自信家だったんですよ。これまでの作品は、その延長線上で作って来たアルバムだったんですよね。デビュー4年目を迎えて、今回、アルバムを作るに当たって、自分の楽曲を客観的に見て、メンバーとも真剣に話し合って、そこで、高校時代からずっと続いていた自分とようやく折り合いをつける事ができたんです。
──折り合い、と言うと?
大人になりたくないってずっと言って来たけど、もう大人だよっていう折り合いです。僕は、けっこうピーターパン・シンドロームな所があって、ずっと、大人になりたくない、変わりたくないという感覚が強かったんです。それは、楽曲にも反映されていて、いつまでも10代の気持ちを歌おう、歌いたいって思う所があったんですよね。10代の気持ちを歌う事で、10代の子達と共感し合いたいみたいな気持ちがあったんです。だけど、俺ももう大人だぞって。それで、よくよく考えてみたら、自分自身が10代の頃に、ドンピシャに響いていた音楽って、10代の気持ちを代弁している歌ではなかったなって。10代の頃、ワクワクした音楽って、大人の世界が歌われていたものだったなって。そこから、今作のテーマが出て来たんです。

10代の頃の自分が聴いたら、 きっと胸をときめかせただろうなっていうアルバムを作ろうって。

──「10代の頃に“こんな音楽が欲しかった”っていうアルバムを作りたかった。」という小西さんのメッセージが、CDジャケットにも記されていますが、それが、今作のテーマ?
僕自身が10代だった頃、背伸びして音楽を聴いていた感覚だったりとか、自分が知らない世界が歌われていてポンと飛び込んで来るフレーズに感化されたりとか、まだ本当の恋愛なんて知らないのに、失恋の歌を聴いて大人の世界ってこんななんやと想像を膨らませた感覚。これだ!って思ったんですよね。10代の頃の自分が聴いたら、きっと、胸をときめかせただろうなっていうアルバムを作ろうって。
──わからない言葉が出て来たり、言い回しの意味がわからなかったり、その都度、一生懸命調べたり、友達と解釈を巡って議論したり・・・10代の頃の音楽の聴き方には、そういう楽しさもありましたね。
そうそう、その感覚だったんですよね、僕が夢中になって音楽を聴いていた頃って。そんな風に、10代の子達の想像力を刺激するアルバムを作りたいなって。

サザンオールスターズを聴いて、胸ふくらませていた10代。自分が全く経験していない事なのに涙が出る。あの感覚って、音楽の力だなって。

──小西さんご自身が10代の頃に聴いていた音楽と言うと?
僕は、子どもの頃から、サザンオールスターズが好きで、とにかく、桑田佳祐さんが作る歌が大好きだったんです。親が好きだったから、物心ついた時には、いつもサザンオールスターズが流れていて、でも、何を歌っているのかを考えるようになったのは、中学2年生くらいからですね。全然わからなくて、それを一生懸命、自分で解釈しようとする時間がすっごく楽しかったんですよね。
──子どもの頃からいつも家で流れていた歌が、ある日突然、意味をなした?
そうそう。ポップなメロディーだから、楽しい歌なんだろうってずっと思っていた歌が、実は、すっごく切ない失恋の歌だった、とか。Mr.Children、スピッツ、19、ゆず・・・と聴きまくりましたけど、耳に飛び込んで来るフレーズと、その曲の世界観が一致したり、しなかったり・・・そういう事がすっごく楽しかった。
──自分なりの解釈で、色々想像してみる楽しさ?
そうなんですよね。僕は、歌を聴きながら、外を歩くのが好きだったんですよ。中学、高校の頃は、夜になると外に出て、真っ暗な公園で音楽を聴きながら、その歌の中に自分を置いて、自分がPVの主人公になったような感覚で、あれこれシーンを想像してました。妄想PVです(笑)。自分が全く経験していない事なのに涙が出る。あの感覚って、音楽の力だなって思います。
──フィクションの力とも言えますね。
そうですね。フィクションが、想像力を刺激して、感動が生まれる。今回のアルバム制作に際しても、その事をすごく意識したんですよね。もっともっと、聴いてくれる人の想像力に賭けてもいいんじゃないかって。もっと寄りかかってもいいんじゃないかって。

何とかなるし、何とでもできると思っていた10代。本当に、あの頃の自分と話してみたいですけどね。何を思っていたのか(笑)。

──そんな風に音楽を聴いてきた小西さんが、自分で、歌ってみようと思ったのは?
僕の場合は、歌いたいよりも、曲を作りたいという方が先だったんです。小さい頃から、鼻歌で、歌を作ってたんですよ。鼻歌を作ってはテープに吹き込む。そういう一人遊びが楽しかった。中学2年生の頃に、ギターを買って貰ったんですけど、それも作曲のためで。誰かの曲を弾いてみたいとか、歌ってみたいという欲求は全くなかったんですよね。
──では、バンドを始めたキッカケは?
高校1年生の時、イッペイくんに誘われたんです。入学直後の5〜6月だったと思うんですけど、文化祭の日に、突然イッペイくんがやって来て、“歌、上手いんやってな”って話しかけられたんです。それが初対面。それで“あそこでカラオケ大会やってるから、ちょっと歌って来てよ”って。それで歌ったら、“一緒にバンドやらへん?”って。カラオケが、即席オーディションだったんですね(笑)。イッペイくんのメガネにかないまして、そこから、バンド活動が始まったんですけど(笑)。
──サクラメリーメンの結成は、2004年。高校を卒業された後ですよね。
高校時代のバンドは、卒業と同時になくなったんですけど、僕はもう、決めてたんですよね。音楽をやって行くって。そしたら、イッペイくんも、一緒にやろうって言ってくれたので。お恥ずかしい話、そんなに強い意志があったわけでも、衝動があったわけでもなく、ただ、音楽をずっとやって行くんだろうなっていう変な自信だけがあったんです。何の不安もなかったんですよね。何とかなるし、何とでもできると思ってたんですよ。本当に、あの頃の自分と話してみたいですけどね。何を思っていたのか。大学受験ぐらいしといたら良かったのに(笑)。
──イッペイさんと二人で“頑張って行こうな”みたいな事もなく?
そういうのも特になく(笑)。ただ、イッペイくんは、僕の曲を理解してくれていたんですよね。こういう所がイイとか、ここは違うと思うとか。こういう人って大事だなと思って、それから、ずっとイッペイくんと一緒にやってます(笑)。

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April 30, 2010
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