テレビ朝日系ドラマ“交渉人 THE NEGOTIATOR”主題歌「My Style」が、多くの女性の支持を得て人気を博している。米倉涼子扮する主人公・宇佐木玲子を代弁するかのような、大人のオンナのカッコ良さを描いた凛としたR&Bナンバー。
歌っているのは、R&B界の歌姫“傳田真央”。今年3月、長らくの沈黙を破りシーンに復帰。今作は、「Bitter Sweet」「泣きたくなるけど」に続く再始動第3弾シングルとなる。12月には、アルバム『I AM』のリリースも控え、今後の活躍に期待がかかる傳田真央。新曲「My Style」にかける意気込みをはじめ、たっぷりお話をうかがいました!
──ニュー・シングル「My Style」は、ドラマ“交渉人 THE NEGOTIATOR”主題歌として、書き下ろしたナンバーとのことですが。
主題歌として楽曲を書き下ろすというのは初挑戦だったんですよ。ドラマのプロデューサーさんから“心が折れそうになりながらも毎日頑張っている皆さんに、元気を与えられるような力強い曲を”というテーマを頂いて、作っていった曲です。
──ドラマの主人公・宇佐木玲子(米倉涼子)のテーマソングというような印象ですが。
ありがとうございます!頑張りました(笑)。大人のオンナの強さって何なんだろうって、すっごく考えましたね。
──それで、どんな結論が?傳田さんがたどり着いた“大人のオンナの強さ”って?
“ぶれない”という事だと思ったんです、“ぶれない女子”。女ならではの芯の強さというのがあると思うんですよね。もちろん、男子にも男子にしかない逞しさというのがあるんだけど、女子にはそれとはまた違う“女の肝っ玉”っていうのがあると思うんです。女子は内に秘めてるものが多い分、強い何かが裏で育っているんじゃないかって。歌詞の中にも♪笑顔で泣いて 乗り越えてきた過去があるから・・・というフレーズを書いたんですけど、正に、そういう思いで、男子の中で頑張っている女子の皆さんがいると思うんですよ。
──“笑顔で泣いて”というのは、ある意味、意地ですよね。大丈夫なふり、大丈夫に見せるというのは、女ならではかもしれないですね。
そうですよね。女子の方が、ピンチの時に強かったりするでしょう。痛みにも強いし。
──ドラマの主人公・宇佐木玲子さんのような強い女性に憧れる同性が増えてきているように感じますが。
そう思いますね。例えば、ファッション雑誌というのは、その時代を反映して、その時みんなが考えている事を象徴していると思うんですけど、最近のファッション雑誌は、超カッコイイんですよ。“デニム履かせりゃ世界一”とか“黒が抜群にうまい”とか、すっごくカッコイイ言葉が並んでいる。“上手な叱り方マニュアル”なんていう特集もあったり。“オンナの強さ”が注目されていますよね。恋愛もするけれども、男子に媚びる事はなく、仕事もファッションも、自分のアイデンティティー・・・“My Style”を持っていて、それを曲げない女子が増えているように思います。
──「My Style」というタイトルは、つまり、アイデンティティーという意味なんですね。
ドラマの中の宇佐木玲子さんも、彼女にしかないモノがあるから、交渉人という天職を与えられているんだと思う。でも、そういう特殊な仕事をしている人だけじゃなくて、誰でも、その人にしかできない何かというのを持っていて、その中でそれぞれの“My Style”を見つけようとしている。だから、この「My Style」という曲は、私からの“こうありたいと思わない?こうあるべきだと思わない?”という問いかけでもあって、それを一緒に考えてもらえたら、すごくうれしいなって。
──楽曲づくりは、どんな風に?曲先、詞先とか、色々ありますが。
私は、詞とメロディーが同時というのが多いですね。言葉も乗ってメロディーが出てくる。歌いながら作っていく感じですね。1曲のドラマは、イントロから始まっているんですよね。イントロから作っていくんですけど、そうすると、だんだんストーリーが見えてくるというか、音になって聴こえてくるんです。「My Style」も、ピアノでイントロ弾きながら、あ〜聴こえてきた、聴こえてきた・・・ここで何を歌う?・・・どう?・・・♪最強のWOMAN 自分らしくある〜って出てきた。その時の、言葉とメロディーが降りて来てる時の、そういう臨場感の中で作る事が多いですね。
──繰り返し出て来る“I'm tought”というフレーズがとても印象的ですが、やはり、キーになるフレーズとして出てきた?
そうですね。冒頭の♪最強のWOMAN〜から始まって、少しずつ進んで、宇宙語みたいな意味のない音を乗せて何度も歌ってたら、突然、“I'm tough”という言葉が湧き出て来たんです。
──サウンド作りは、どんな風に?
プロデューサーのJeff Miyaharaさんも歌詞をとても大切にする方なので、歌詞の景色を音で表現していく、そういう音づくりです。例えば、冒頭のサビの♪最強のWOMAN〜の部分だったら、色々抱えているものがあっても、それを振り払って、明日も頑張ろう・・・そういう主人公の心情を表現したい。Aメロの♪点滅してるシグナルに〜の部分は、女子が一人で信号待ちしてる景色。Bメロの♪笑顔で泣いて 乗り越えてきた〜だったら、過去を振り返って、ちょっと自分の傷の部分にも触れたりするから、やっぱり、メロディも少し憂いが出てくるし、ピアノのフレーズにもちょっと物悲しいところがあったりとか。歌詞のストーリー全部をリアリティーのある景色にしていく。そんなイメージです。
──力強いんだけれども、でも実は、すっごくオンナを感じさせるサウンドですよね。傳田さんのヴォーカルも、強いものを持っていながら、オンナを感じさせる。
“肌感”という事だと思うんですよね。音楽ジャンルで分類すれば、R&Bなんですけど、私はやっぱり日本人だし、女子だし。そして、今の傳田真央の歌のアイデンティティーとして一番大切にしたいものと言ったら、やっぱり“肌感”なんですよね。じゃあ、“肌感”とは何かって言ったら、それは、みんなが毎日どんな事を思っているのかという所に繋がるんだと思うんですよね。
──「My Style」は、多くの同世代女性の支持を得ていますが、傳田さんご自身は、この曲を通じて、みんなとどんな事を共有したいと思いますか?
今回の曲づくりを通じて、すっごく感じたんですよね。みんなドラマチックだよねって。みんな普通にしてるけど、実はみんなスゴイよって。そういう尊敬の部分。そこを感じ合いたいです。毎日、日常の中にドラマがある。そのドラマを精いっぱい楽しんで、明日も頑張ろうって、そこをいちばん共有したい。大人女子として。 |