今年6月、念願の日本武道館公演を大成功に収め、その後、デビュー以来初めてという長期休暇をとりリフレッシュ。更にパワーアップしたFUNKY MONKEY BABYSが、待望のニュー・シングル「ヒーロー/明日へ」をリリース。
日本テレビ系朝の情報番組“ズームイン!!SUPER”“ズームイン!!サタデー”の秋のテーマとして既にオンエア中の「ヒーロー」は、家族のために日々戦うお父さんが主人公。恒例の有名人CDジャケット&PVには、日本テレビの羽鳥慎一アナウンサーが出演。着うた®が「レコチョク」デイリーランキングで初登場1位を獲得するなど、リリース前から大きな話題を呼んでいる。
「明日へ」は、日本の冬の風物詩“全国高校サッカー選手権大会”の応援歌。CDジャケット&PVには、高校サッカー選手権の出身者でもある、ジュビロ磐田の中山雅史選手が登場。FUNKY MONKEY BABYSとの熱いコラボレーションが実現した。
そんな大注目のCDリリースを目前に、FUNKY MONKEY BABYSの3人を迎えてのロング・インタビュー!「ヒーロー」「明日へ」に込められた想いを、たっぷり聞かせていただきました。
──まずは、日本武道館公演のお話からお聞きしたいのですが。初の武道館公演、振り返ってみて、いかがでしたか?
ファンキー加藤:心配事はたくさんあったんですよね。集客面もそうだし、あれだけ大きい会場での2daysというのは未知の経験だし。3人だけで出来るのかって。ダンサーを入れたり、そういう演出案も出たんですけど、でも、念願かなっての初の武道館は、これまでやってきたライヴの集大成という意味で、3人だけで勝負しようという結論に至ったんです。
──みなさんも大興奮でしたね?
ファンキー加藤:思ったほど緊張はしなかったんですけど、やっぱり、無意識のうちにすっごく興奮していたんでしょうね。1日目は、2〜3曲目あたりで、呼吸ができなくなってきて、酸欠だと思って、やたらと酸素吸入してたんですけど、実は、過呼吸だった。酸素の摂り過ぎなのに、更に酸素を吸ってたって言う・・・今になっては笑い話ですけどね(笑)。きっと、相当に興奮してたんだと思います。
モン吉:初日の興奮は忘れられないですね。初日が、正真正銘の“初の”武道館。2日目は、ある意味、2回目の武道館(笑)。とにかく、初日は飛ばしまくりで、けっこう2日目はバテバテでした。
DJケミカル:僕の場合は、高い位置にDJブースがあるから、上からぜーんぶ見えるんですよ。ステージも見えるし、客席も見えるし。また違った楽しさがありますね。
──野外フェスなどの大会場を何度も経験されていると思うのですが、武道館はやっぱり特別?
ファンキー加藤:野外フェスだと、客席は真っ平でしょう。でも、武道館は、四方から囲まれて1階、2階と立体だから、お客さん一人一人に届いている感じが強い。すっごく、歌いやすかったですね。
モン吉:武道館って、独特のエネルギーがあるんですよ。パワー・スポット!僕は、“奇跡”を感じましたね。走っても走っても、全然疲れない。
ファンキー加藤:とにかく、僕らのエネルギーを全部使えたような気がします。
──武道館の前と後では、何か変化しましたか?
ファンキー加藤:終わってから1ヶ月くらいは、武道館症候群みたいな、燃え尽きた感がちょっとあったんですけどね。振り返ってみると、それまで漠然としてた事がハッキリしたなって。再確認できたんですよ、ファンの温かさを。改めて、僕らが歌を届けるのは、この人たちなんだって。
──武道館で燃焼しきったように思えて、FUNKY MONKEY BABYSは、次にいったいどんな歌を歌うんだろうって、気をもんでいたんですが、「ヒーロー」を聴いて、お〜!そう来たかって。
ファンキー加藤:「ヒーロー」は、“ズームイン!! SUPER”の秋のテーマというのが先に決まっていて、作った曲なんですよ。羽鳥アナウンサーは、僕らのライヴにも何度も来てくださっているし、すっごく仲良くさせてもらっていて、そういうお付き合いがあった上でのコラボだったから、決まった時は、すっごくうれしくて。とにかく、朝の番組に相応しい、朝から元気が出る、力強く歩いていける、そういう曲を作ろうって。
──“朝から元気に”というテーマでも、どんな主人公を設定するかで、全く違うストーリーになりますよね。なぜ、“お父さん”だったのでしょう?
モン吉:そこは自由に任されていたので、みんなで、すっごく考えて。
ファンキー加藤:まず、これまでに作った事のなかったテーマだったという事と、僕らも30オーバーになって、子供目線というよりは、お父さん目線、親目線のモノの見方というのが増えてきて、10代の頃には、気づかなかったと言うか、見て見ないふりをしてたお父さんの苦労と、それに対する感謝を書いてみたいと思ったんですよね。
──お父さんをテーマにした曲って、実はあんまりないですよねぇ。
ファンキー加藤:そうなんですよ。お母さんの歌というのは、いっぱいあるんですけどね。生んでくれてありがとう、とか。だけど、お父さんの歌って、意外とないんですよね。
モン吉:お父さんが一番頑張ってるのにね。お父さんがいるから、みんな生活できてるのに。
──なんか、隅っこに追いやられちゃってますよねぇ。
モン吉:お父さんの美学は派手じゃないですからね。自分から主張しない。逆に、主張し過ぎるお父さんも、ちょっとねぇ。毎日、娘に“俺、頑張ってるよね?”言ってるようなお父さんも魅力的じゃないけどね。(笑)
──若い頃って、そんな大人になりたくねぇ、とか言われちゃったりして・・・。
モン吉:そうね。10代の頃のパンクロック的な感覚だと、そんな風に言っちゃいそう(笑)。
──よく、洗濯物は分けられちゃうとか、聞きますよね。
モン吉:あ〜匂いに関しては仕様がないですねぇ(笑)。
ファンキー加藤:でもね、本当は、今の10代の子たちもわかってるんですよ。心の中には、お父さんへの感謝があるんですよ。でも、それが、気恥かしかったり、ちょっと反抗期で認めたくなかったりとか。僕も、最初は、若い子達は、お父さんの頑張りとか苦労とか、全然気づいてないんだろうなって思ってたんですよ。だけど、最近のブログ・コメントとか読んでると、“ちょっと照れ臭いけど、今日はお父さんに、行ってらっしゃいって言おうと思います”とか、そういうのも増えてきていて、本当は、みんなちゃんと、お父さんの頑張りはわかってるんだなって。なんかね、「ヒーロー」がきっかけとなって、そういう変化が生まれてきたというのは、すっごくうれしいんですよね。
──毎朝、テレビから「ヒーロー」が流れてくるってイイですよね。この曲を聴いたら、絶対にお父さんの事が思い浮かびますものね。そうやって、無意識にみんながお父さんの事を考えるって、ほんとにイイですよね。
ファンキー加藤:そうですよね。「ヒーロー」のCD発売日がご両親の結婚記念日だという子がいてね、その子はご両親に「ヒーロー」をプレゼントするって。そういう事を聞くと、ほんとにうれしいよね。
──お父さん世代のテーマソングにもなりそうですね。これから、忘年会の季節になりますけど、お父さんサラリーマン大集合で大合唱みたいな場面も見られそうですね。
ファンキー加藤:うーん、いいっすねぇ!
モン吉:いいねぇ。新橋あたりでねぇ(笑)。
──楽曲作りとしては、どんな風に?
ファンキー加藤:この曲の場合は、プロデューサーの田中隼人くんを含めた4人で、オケ(トラック)も、メロディーも歌詞も同時進行で、少しずつパーツを組み立てていくように作っていきましたね。
──朝の元気なイメージの力強さに加えて、やっぱり、ちょっと切ない感じのサウンド。このあたりは?
モン吉:朝のイメージで、とにかく明るい曲にしようとは思ってましたけど、ただ明るいと言っても、真夏の太陽ギラギラ・・・というイメージではないですからね。
ファンキー加藤:そうそう。そもそも、お父さんって、ちょっと哀愁漂ってるでしょう。肩越しに哀愁(笑)。そういうお父さんの一面も、音で表現できたらいいなっていうのはありましたね。ただ、バカ明るいだけじゃなくて、哀愁感が曲のスパイスになってますよね。
──「ヒーロー」を作るに当たって、具体的にイメージしていた“お父さん像”ってありますか?
ファンキー加藤:います、います!僕らのライヴ・スタッフで照明担当のEさん、44歳(笑)。奥さんと、お嬢さん3人の5人家族。家の中で肩身が狭いらしくって(笑)。まぁ、半分ネタになってますけど、しょっちゅう聞かされるわけですよ、2階には行けないとか。2階は、女の園なのか、大奥なのか・・・もちろん、冗談半分なんですけど、そういう話をいつも面白可笑しく聞かせてくれるんですよ、Eさんが。歌詞を書いてる時は、常にそのEさんが頭の端っこにいましたね(笑)。この間、Eさん本人から“もしかしたら、これ、俺じゃないかな”って。本人も薄々気がついてたらしいんだけど(笑)
モン吉:僕は、フィクションとノンフィクションが混ざってる感じだったんですけど。朝起きて、いつも同じテレビ見て・・・というのは、うちの親父そのまんまですね。
DJケミカル:僕は、家の近所のお父さん達ですね。僕の家は、最寄の駅までバスで30〜40分かかるんですよ。で、僕は仕事に行く時は自分の車で行くんだけど、朝早く、バス停まで走ってるお父さんとか見るんですよね、車の中から。毎朝、都心まで通ってるんだと思うんですけど、僕の家のあたりからだと片道2時間はかかると思うんですよね。
──朝5時台、6時台に家を出るお父さんは、たくさんいるんですよね。
DJケミカル:そうなんですよね。ほんと、大変だと思います。
──きっと、お父さん達は、「ヒーロー」で、すっごく励まされますね。
ファンキー加藤:ほんと、そうなるといいなぁと思います。 |