テレビ朝日系“THE STREET FIGHTERS”が主催する、平成生まれのバンド・コンテスト“Hジェネ祭り 07”でグランプリを獲得。今年5月、映画“重力ピエロ”主題歌「Sometimes」でCDデビューを果たしたS.R.S。
続く2ndシングル「ワンダーソング」は、先行配信された着うた(R)が、“レコチョク”の“ロック・うた”部門で1位に!! リリース前から大反響。好きな女の子の事を考えるだけで、ドキドキワクワクして気持ちが高揚。どうにも、じっとしていられなくなる・・・そんな10代男子のはち切れんばかりの想いを綴った元気でハッピーなラヴソング。疾走感溢れるメロディーとビートに乗せたギター・ロックだ。
山口卓也(Vo,G)、向尾荒野(G)、上松幸平(B)、畑中拓也(Dr)の4人組。メンバー全員が北九州市に在住、北九州高専の5年生。今年、最も期待される新人バンドの1つだ。
──まずは、S.R.S結成の経緯から教えてください。
山口卓也(Vo,G):今、僕らは北九州高専の5年生なんですけど、バンドを結成したのは、入学直後の8月。今からちょうど4年前です。
向尾荒野(G):僕と畑中が同じクラスで、最初の自己紹介の時に畑中が“バンドをやりたいので、興味がある人は声をかけてください”って言ったんですよ。それですぐに話しかけて、その日のうちに“結成”しました(笑)。
畑中拓也(Dr):2人とも楽器は全くの未経験だったんですけど(笑)。僕はドラムがやりたくて、向尾はギターという事で。
向尾:それで、ベース担当を捜そうと。そしたら、ある日、廊下でイヤフォン着けて音楽聴いてるヤツがいた。オアシスを聴いてるっていうから、これはイイ!って。それが上松。
上松幸平(B):いきなり違うクラスの知らない奴から“ベースやってみらんか”って(笑)。強引に練習場に連れて行かれて、ベース渡されて“1〜2週間時間やるけ、練習してきてよ”って。
山口:僕は、既に校外でバンドをやってたんだけど、あまりうまく行かなくて辞めたばっかりだったんですね。そしたら、畑中が“だったら、高専のバンドでヴォーカルやらんけ?”って。
──4人揃ったところで、最初はどんな事から?
山口:畑中がBUMP OF CHICKENを聴かせてくれて、みんな“これ、カッコイイ!”って。こういうカッコいいギター・ロックバンドを目指そうという事で意見が一致して。最初は、BUMP OF CHICKENのコピーからスタートしました。それで、次にビートルズ!
──ビートルズ?皆さんの世代でビートルスは珍しいでしょう?
山口:僕がビートルズが大好きで。元々は父が好きで、物心ついた時から家でいつもビートルズが流れてたから自然と親しんできたんですけど、自分でどんどん掘り下げていくうちにすっかりマニアになっちゃって。バンドを組んだら、ビートルズをやる!というのが夢だったので、メンバーにもビートルズを聴かせまくりました。
畑中:僕らも、どんどん好きになってビートルズにハマっていったんですけど、山口のうんちくがうるさいんですよ(笑)。
山口:1曲始まると、ついつい、この時ジョージは・・・とか喋りたくなっちゃうんですよねぇ。最後には“うるさい!ちょっと黙って曲を聴かせろ”って(笑)。
──では、ビートルズのコピーも?
山口:「ツイスト&シャウト」と「ヘルプ!」はライヴでも必ずやってました。あと、「ハロー・グッバイ」もよくやりましたね。
──コピーする時も、山口さんがうるさそうですねぇ(笑)。
畑中:うるさかったです。リンゴは、クラッシュをもったいぶって打つけんこそ、クラッシュ1枚の重みが出てカッコええんじゃ、とか(笑)。
──BUMP OF CHICKEN、ビートルズのコピーをやりながら、オリジナルも作り始めたわけですか?
山口:はい。僕が家でデモを作って、ある程度できあがった頃、みんなに聴いてもらう。最初から、そういう進め方ですね。アレンジはみんなでやっていきます。
──自分でギターを弾いて、歌いながら作っていく?
山口:そうですね。花唄まじりから始まって、ある瞬間に、部分的にメロディーに言葉が乗って、その言葉をキーにして詞を組み立てていく事もあるし、テーマを決めてから作り始める事もあるし。
──「ワンダーソング」は?
山口:この曲は、リフから出来たんですよ。それまでになかったパターンが出てきたので、うれしくて、作りながらニヤけちゃって(笑)。それで、その時の僕の生活の中にあった“ちょっとした気持ち”を詞にしてみました(笑)。
──“ちょっとした気持ち”ですか?(笑)
山口:好きな子と一緒ににおる時にドキドキする、高揚する気持ち。ホントにこの子とおったら、空でも飛べちゃうんじゃないかって。そういうその気持ちを歌にしてみようと思って。
──いかにも青春ド真ん中という歌詞ですよね。好きで、好きで、どうしようもないという感じがすっごく伝わってくる。♪万年補欠でも 君がそばにいれば 世界の主役になれる気がするんだよ・・・というフレーズが印象に残りました。
山口:最初は“万年補欠”という言葉は使っていなかったんですよ。プロデューサーのいしわたりさん(いしわたり淳治)は、曲をグラフ的に見てくれる方で、例えば、演奏の熱量に対して、この言葉はちょっと弱いんじゃないか、埋もれちゃうんじゃないかって、そういうアドバイスをしてくれるんです。それで、♪万年補欠・・・の部分も、もっとインパクトのある言葉の方がいいから考えてみろって。で、何日も考えて“万年補欠”という言葉が出てきたんです。
──サウンドは、重量感があるのに軽快。重厚なのにソフト。何とも言えない心地良い疾走感ですね。
山口:最初は8ビートだったんです。僕達は、ある程度アレンジが固まってから、プロデューサーに聴いてもらうんですけど、その時に“四分打ちの方がいいんじゃないか”とアドバイスを受けて。
畑中:試しにやってみたら、すっごくカッコよくなって。
──ドラムのリズム・パターンが、どんどん変わっていっていくでしょう。同じメロディーでも、1番と2番ではパターンが違うし。それで、2番の♪この歌に全部のっけて叫ぶよ〜・・・というところで、階段を一気に駆け上がっていくように、ダダダダ・・・と。主人公の気持ちの高ぶりが、すっごく伝わってきますね。
畑中:ドラムを四分打ちにした時点で、それに合うアレンジに変更していったんですけど。
上松:どんどん変化していくドラムのそれぞれの熱量に合ったというか、それぞれのリズム・パターンに相応しいベース・ラインというのをずっと考えてましたね。
向尾:ギターは、リフがホントにカッコよくて、それがドラムのリズム・パターンとハマって、全体の疾走感につながっているんだと思います。
山口:ギターやベースは、ガンガンいってるんだけれども、ドラムのリズム・パターンで抑揚が出てくるっていうんですかね。それで、重厚なのにスラーと流れていく感じが出せたんだと思います。 |