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ミニアルバム『たった一人のエール』は歌詞をじっくり読んでほしい曲ばかり！
──メジャー・デビュー作『たった一人のエール』（ミニアルバム）は、全曲が新曲ですか？
岩田：すべて、「たった一人のエール」以降に作った曲です。僕たちは、東京から沖縄へ移るときに生まれ変わって、そして、この曲で、もう１回生まれ変わった。だから、メジャー・デビュー作はすべて、「たった一人のエール」以降の曲にしたかったんです。
──「たった一人のエール」の前と後とでは、どんな変化があったんですか？
岩田：ふっきれたんでしょうね。例えばラヴソングにしても、以前は、実体験を歌にすることはなく、ポジティヴな終わり方をする歌ばかり作ってたんです。でも、「花火」とか「サヨナラ」とか、自分自身を振り返る曲も書くようになりましたね。「サヨナラ」なんか、ほんとにもう真っ暗ですもんねぇ。
「花火」は、沖縄に来るときの歌ですね。“もう一度だけ”夢にかけたいって彼女に言って、それまでの生活を捨てて、飛び出してきた。その時のことを描写した曲です。
「東京」は、その彼女への今の想いですね。３年以上も経てば、彼女の生活も変わるわけで。当然、新しい恋人もできる。結婚もするだろう。それを心から祝福したいっていう気持ちを綴った曲ですね。
──「LOVE」と「楓」は、現在進行形の恋愛という感じですね？
岩田：「LOVE」は、喧嘩した２人の歌なんですよ。沖縄は鉄道がないので、どこに行くにもバスなんですね。それで、喧嘩した彼女の家までバスで会いにいくっていうストーリーです。夕日が差し込むバスというのは、沖縄では、日常にあふれている風景なんですけど、そういう情景って、東京では経験がなかったし、こういうのも沖縄にいなかったら、絶対に出てこなかったフレーズですよね。
「楓」は、その後の２人という感じですね。結婚式で歌ってほしい曲です。
──「CHANGE」は、元気が出ますね。とっても勇気が沸いてくる。
岩田：当初はノリだけで作った曲だったんですけどね。でも、歌詞を書いているうちに、人を後押しするような歌詞になっていったんですよね。一行目の“僕だけの渇いた道”というのは、正しく僕ら（サースティロード）のことで、“足踏みしてても 靴底は減るばかり”というフレーズは、自分自身へ向けた言葉でもあります。
──今回のミニアルバムは、楽曲のイメージとタイトルが一致しないものが多いような気がするのですが。
岩田：特に「楓」なんて全然わからないですよね。“楓”は全く出てこない（笑）。歌詞がないときに、すごく秋っぽい曲だったので仮タイトルで「楓」って呼んでたんです。それをそのままタイトルにしちゃったんです。今回は、全曲そのパターンで、あとからタイトルを付けることをあえてしなかったんです。新たな気持ちで楽曲を作った、その瞬間の気持ちをそのまま残したいと思ったので。
詞を書くのは、トイレの中?!
──楽曲作りはどんな風に？
中嶋：メロディ先行ですね。メロディを聴いて、これをどういう風にしていこうかって、みんなで音を出し合いながら固めていく感じです。
岩田：と言っても、今も３人で共同生活してますから、日常生活との区切りはそんなにないんですけどね（笑）。
中嶋：誰が作った曲でも、聴いた瞬間に“ああ、あの感じね”ってわかるんですよね。思い描くものがズレるということがないんです。その感じたものを、僕や松本は、ギターとベースで表現する。それで音を重ねていって、楽曲が完成するときには、イメージができあがっているんですよね。
岩田：そのイメージを言葉にすると、歌詞という形になるだけで、歌詞は僕が書いてはいますけど、３人で作ってる感覚ですね。
──歌詞を書くときはどんな風に？
岩田：トイレで考えることが多いです（笑）。トイレで歌いながら考えることが多いですね。あとは散歩をしてるとき。メロディに合った言葉を探していくんです。
言葉をケータイにメモすることはありますけど、歌詞と書くときは、紙に手書きです。ノートじゃなくて、紙キレ（笑）。書きあがったら、まず歌ってみます。それで、音に乗せたときの響きを確認しつつ仕上げていきます。
──自作歌詞を投稿している人へ何かアドバイスをお願いできますか
岩田：型にハマらない方がいいと思います。僕も、以前は、型にハメようとしてたところがあったんですけど、最近になって、自分にしか書けない言葉というのに気づきました。誰かの詞を参考にするのではなく、日常の言葉でいいから、自分のスタイルで書くのがいいと思います。自由に言葉を書くのがいいと思います。
これからも、ずっと沖縄に住みます！
──これからのサースティロードは？
中嶋：いつも僕は、何のために音楽をやっているんだろうって自問し続けてきたんですけど。僕自身が、色々なアーティストから影響を受けて、エネルギーを貰ったとか、元気が出たという経験がたくさんあるんですね。だから、そういう風に僕らの歌から元気を貰ってくれる人がいるんだって、そのことを忘れないでやっていきたいですね。
松本：沖縄に移ってからは、東京で活動していたときと180度気持ちが変わったんですね。ベースのプレイも、以前は、小ざかしいことをやってみようという気持ちがあったんですけど、いまは、ホントにオーソドックスなプレイになった。だから、素直になろうよっていう思いはあります。東京でやってた頃は、どこかカッコつけてた部分があったんですけど、いまは、歌詞もメロディも１人１人に届けたいという思いが強くなっています。
中嶋：30歳を過ぎてからのデビューで、新人の中では年はくってるんですけど、その分、経験を通して学んだことは多いので、僕らにしか作れない歌があると思うんです。
岩田：葛藤しながら、悩みながら、やっと夢をつかんだわけで、そういう経験も含めて、自分のことを全て吐き出して、みんなの背中を押せるような曲を書いていきたいです。
──これからも沖縄に？
岩田：もちろんです！ずっと、沖縄に住み続けますよ。でも、３人暮らしは、そろそろ終わりにしたいですけどね（笑）。
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